退職理由の好印象な伝え方┃上司や面接官への伝え方を例文付きで解説

最終更新日: 2024年03月19日
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Re就活編集部

退職理由の好印象な伝え方┃上司や面接官への伝え方を例文付きで解説

会社を辞める際、退職の理由を伝える必要がありますが、「どのように伝えればいいの?」と迷っている方もいらっしゃると思います。退職の理由で多いのが「人間関係」「給料」「労働環境」などの、会社への不満によるものです。しかし、それをそのまま伝えると、円満退職に繋がらない可能性があります。今回は、退職理由を上手に伝える方法や、第二新卒が面接で使える例文もあわせてご紹介します。

目次

スムーズに会社を辞められる退職理由とは

角が立たない退職理由の伝え方やマナー

面接で退職理由を伝えるときに注意すること

第二新卒におすすめ!面接や履歴書で使える退職理由の例文

退職理由は伝え方一つで印象が変わる!

スムーズに会社を辞められる退職理由とは

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退職の意向を示したとき、退職理由を聞かれるでしょう。特に、会社にとって重要な人材であれば、退職理由によっては何とか引き止めようとするかもしれません。

円満退職につなげたい場合、退職理由の伝え方はとても重要です。

内容は、「一身上の都合」「健康上の理由」「家庭の事情」などにとどめておくのがベストです。

退職理由の本音としては、職場への不満があるかもしれません。しかし、会社の人間関係や給料、職場環境などの不満を伝えるのは、あまり良い方法ではありません。場合によっては、会社の努力次第でこれらを改善させ、引き止めようとする可能性もあります。引き止めがなくとも、不平不満が退職理由であればお互いにあまり良い気持ちにはなりません。

退職理由を「一身上の都合」「健康上の理由」「家庭の事情」などとしても、上司によっては、より具体的に退職理由を聞いてくる可能性があります。そんな時には、できるだけ会社が引き止めにくい理由を伝えることで、話をこじらせずにすみます。

>>退職を伝える前に退職の一通りの流れを把握しておく<<

一身上の都合で退職するときの例文

留学関連で退職する場合の例文
この度、かねてから関心のあった分野において、より深い学びを得るために、海外留学が一番良いと考え、退職の意を固めました。

資格や勉学に励むなどで退職する場合の例文
関心のあった分野で、よりスキルアップするために資格取得を目指したいと考え、退職の意を固めました。

異業種への転職で退職する場合の例文
デザインの分野に対する興味や関心が増し、これまでとは業種が違いますが、一から学びながら仕事をしたいと考えるようになりました。

起業関連で退職する場合の例文
これまでの経験や学びをいかして、自分で会社を立ち上げようと考えています。

夢を追いかけたいので退職する場合の例文
かねてから興味のあった仕事に就くという夢を諦めることができず、これが最後のチャンスだと考え、自分の力を試すために転職を決意しました。

このように退職理由はポジティブな理由にすると、お互いに嫌な気持ちにならないことが多いです。また、今の状況では希望を叶えることが困難だということが伝わるため、会社としても引き止めにくくなります。しかし、まったくの嘘を伝えるのはよくありません。将来へのビジョンを明確に持ち、具体的な内容で本気度を伝えることが大切です。

体調不良を理由に退職するときの例文

持病の悪化で続けられず退職する場合の例文
これまで病気の治療をしながら、何とか仕事をしたいと頑張ってきましたが、持病の悪化によりしばらく療養を優先したいと考え、一旦退職という形をとらせていただこうと思います。

体調をずっと崩して病院に通っていて退職する場合の例文
昨年より体調を崩しており、病院にかかって治療を続けてきました。しかし、残念ながら病状の改善がみられず、しばらく退職して療養に専念しようと考えています。

このように、体調不良による退職希望は、無理に引き止めにくい状況になります。そのため、いくら会社に残ってほしいと切望される人材であっても、引き止めによるトラブルは回避できるケースが多いでしょう。

病気が理由の場合は、診断書をもっていくと明確な根拠となり、その後の話がスムーズに進む可能性があります。

ただし、退職に関するいざこざを回避したいがために、病気であると嘘をつくのはよくありません。もし、転職先で元気に働く姿を見られたなど、嘘が発覚した場合にはトラブルの原因になり、それまでの人間関係が失われてしまう可能性があります。

家庭の事情で退職するときの例文

親の介護で退職する場合の例文
親が高齢で介護が必要な状態になり、家事や身の回りの世話が必要となったため、実家に戻ることにしました。

結婚で退職する場合の例文
結婚が決まり、相手の住まいで生活をしていくこととなりました。今後、出産や育児のことを考え、夫婦で話し合った結果、退職させていただきたいと考えています。

家業を継ぐので退職する場合の例文
家業をしている両親が高齢となり、このまま仕事を続けるのが困難な状況となってきました。私もいずれ家業を継ぐつもりで、これから両親を手伝いたいと考えています。そのため、大変身勝手とは存じますが、退職させていただくことを決心しました。

パートナーの転勤・引っ越しで退職する場合の例文
この度夫が転勤することになりました。大変悩みましたが、転勤先に付いていくことを決断し、退職の意思を固めました。


病気や体調不良の時と同じように、結婚や介護など家庭の事情での退職も、無理な引き止めを回避しやすい理由です。しかし、嘘はよくありません。これらの嘘が発覚した時に、トラブルのもととなります。

角が立たない退職理由の伝え方やマナー

できれは退職の話は角を立てず、円満退職したいと考える方が多いと思います。円満退職のためには、正しい退職理由の伝え方やマナーを押さえておくことが大切です。

退職の意思を誰に伝えればいいの?

退職の意思はきちんと固まってから、直属の上司に伝えるのがマナーです。退職という大きな決断ができない時には、同僚などに相談することもあるでしょう。しかし、自分から退職の話を上司に切り出すまでは、その意思が噂になったり、事実とは異なる話が広まったりしないよう、細心の注意を払う必要があります。
これまでお世話になった同僚や部下には、内々に退職の話をしておこうと考える人もいるでしょう。そんな時も、直属の上司に自分から伝えるまでは、決して噂がもれないよう注意が必要です。
直属の上司と相性が悪い、話したくないという理由があっても、上役や他部署の上司に伝えるのは、社会人として相応しくありません。まずは、直属の上司に伝えるのがマナーです。直属の上司に伝えた上で、退職を認めてくれないなど理不尽なことがあった場合は、上役や人事部に伝えても問題ありません。

退職することをいつ伝えればいいの?

退職の意思は、法律上では退職希望日の2週間前までで良いとされています。しかし、会社の就業規則で、退職希望は1か月前までに伝えるなどのルールを設けている場合も多くあります。
そのため、まずは2週間という日程にとらわれず、就業規則を確認したうえで余裕をもって意思表示を行うのがベストです。業務の引き継ぎや、それに伴う人事異動の影響などを考慮すると、1か月では短すぎる場合もあります。
こうした点を考慮し、退職の意思表示は少なくとも1か月~2か月前までには行ったほうが円満退社につながりやすいと言えます。

退職をどうやって切り出せばいいの?

退職の意思表示をする時が、一番難しいという方も多いでしょう。どのように話を切り出せばよいのか、そのきっかけに迷っているうちに、どんどん時間が過ぎていってしまう、といった事態は避けたいですよね。
まず、退職の意思表示は直属の上司に伝えるのがマナーですから、直属の上司に時間をつくってもらう必要があります。二人で話せる時間と場所を確保し、まずは時間を作ってもらったことへのお礼を忘れずに伝えましょう。
そして退職への意思表示を、その理由とともに「決意」として伝えます。もちろん、これまでお世話になったことへの感謝の気持ちをもって、誠実に伝えることが大切です。

例文

突然のことで申し訳ないのですが、退職させていただきたく、本日はお時間を頂戴いたしました。

(退職理由)

つきましては、退職日や引き継ぎに関してご相談させていただければと思います。

もし、すでに次の転職先が決まっている場合は、そのことも一緒に伝えます。曖昧な意思表示は、引き止めによるトラブルにつながりかねません。転職先にも迷惑がかかるため、きちんと決意してから伝えましょう。

NGな例文

・実は退職しようか考えておりまして・・・

・退職を検討しているのですが・・・

退職届は退職の意思表示をして、退職日が決まってから提出します。よって、直属の上司への意思表示の際は、口頭でも問題ありません。この段階を踏み、マナーを守って話を進めれば、会社側も丁寧に手続きを進めてくれるでしょう。

>>退職届の書き方を知りたい方はこちらをチェック<<

もし、退職を上司に引き止められたら?

会社にとって重要な人材であったり、人手不足に悩んでいたりする場合、退職の意思表示をしても無理な引き止められるケースがあるかもしれません。退職したいと伝えても、その意向が通らない等あれば、労働基準監督署に相談するのもひとつの方法です。労働基準監督署は厚生労働省の出先機関で、「労働基準法」にのっとり、全国の会社を監督する役割があります。法律違反と判断した場合には是正のための指導・調査などを行います。

退職の自由は、民法で保障されている正当な権利です。会社側から無理な引き止めにあって、退職させてもらえないのは、本来許されるべきことではありません。円満退職が理想であったとしても、泣き寝入りする必要はないため、労働基準監督署にいくか、退職代行サービスを活用してみてもよいでしょう。

>>トラブルなく円満退職をする方法はこちらをチェック<<

面接で退職理由を伝えるときに注意すること

taishoku_tsutaekata3.jpg新しい就職先を探す際、やはりその前の会社の退職理由については触れられるため、あらかじめ注意が必要です。面接官が退職理由を聞くのは以下のような理由があり、その目的を把握しておくと対策しやすくなります。

・すぐに辞めてしまわないか?

・仕事へのスタンスが甘くないか?

・周囲の社員と良い関係を築けるか?

・不平・不満が多いのでは?

どれだけ不平・不満があり退職に至ったとしても、そのことをありのまま面接などで伝えると、印象が悪くなってしまう可能性もあり、あまりメリットはありません。

嘘はよくありませんが、不平や不満をあらわにするのではなく、前向きな理由に転換することが大切です。具体的にどのように表現するのか、みていきましょう。

第二新卒におすすめ!面接や履歴書で使える退職理由の例文

退職理由のなかには、人間関係や職場への不満など、ネガティブなものもあるでしょう。面接時には、退職理由についてそのまま伝えるのではなく、ポジティブに言い換えて伝えると、印象がはるかによくなります。

決して嘘をついてはいけませんが、退職理由がネガティブな理由の場合は、少し視点を変えてポジティブに言い換えることが重要です。

人間関係が原因の場合
私が仕事において大切にしていることは、チームで協力し、目標を達成することです。仕事をしていくうえで、個人の能力を伸ばすことは不可欠と思います。しかし同時に、組織やチームで助け合いながら仕事をすることも大切だと考えています。前職では、個人主義が徹底しており、周囲との協力体制を築くことが困難でした。
御社では個人のスキルを伸ばしながらも、チームとして結束し1つのゴールを実現できると考えました。そのため、これから周囲と協力をしつつ、チームとしてより良い結果を出したいと考えています。

残業が多い/休日が少ないのが原因の場合
前職では残業時間や休日出勤の多さから、自分のスキルアップにつながる時間を作ることが難しい状況でした。業務の効率化を図るなど、残業が少なくなるよう努力を重ねましたが、自分の努力だけで解決できる問題ばかりではなく、その状況を改善することが困難でした。
会社に、より貢献できるよう自分の自由な時間を確保して、自らが成長できるような勉強や経験をもっと得たいと考え、退職を決意しました。

仕事内容が合わなかった場合
前職では営業職に就いていました。営業職として、ノルマや目標を達成するために努力することは当然ですが、その中でも顧客と向き合い、信頼関係を構築することが大切だと考えていました。
しかし、前職では会社の成績が重視され、数をこなすことが目標になってしまい、顧客とゆっくり向き合う機会が取りにくい環境でした。
お客様にとって最善の方法が提案できるように、信頼関係を構築しながら目標が達成できる人材になりたいと思い、転職を決意しました。これまでに身に付けたトークスキルを御社でも活かし、成果を上げていきたいと考えています。

スキルアップが目的の場合
以前在籍していた職場では、社内研修が頻繁に開かれており、専門性を高めるためにできる限り参加していました。しかし、会社の方針で外部のセミナー等への参加は歓迎されておらず、そこで得た知識や経験を仕事に反映させることが困難でした。
専門職として長期的にキャリアを積むことができる会社に身をおき、より専門性を高めて会社に貢献したいと考え、転職を決意しました。

給料が原因の場合
前職では営業職として、目標を達成するための努力を欠かさないよう心がけてきました。周囲の支えもあり、営業トップをキープしておりましたが、年功序列の色濃い給与体制だったためか、その成果を実感しにくい状況が続きました。
営業の仕事は個人の努力だけではないことは理解しておりますが、その成果を正当に評価してもらえる実力主義の会社にいることで、より良い仕事が可能になるのではと考え、転職を決意しました。

退職理由は伝え方一つで印象が変わる!

今回は、転職先での面接時、退職理由を聞かれた際の答え方のポイントについてご紹介しました。

退職を伝えるときは、正しい手順を踏んで行いましょう。また、ネガティブな退職理由を、そのまま伝えるのはあまり好ましくありません。ポジティブな言い回しに変更しましょう。

退職理由は、目線を変えればポジティブに言い換えることが可能です。どのような働き方を理想とし、会社にどう貢献できるのかを踏まえて、退職理由を伝えることができれば、どんな理由であっても前向きな印象へと変わります。

決して不平不満を伝えるだけで終わらないように、あらかじめ転職時には整理して、ポジティブな伝え方ができるように準備しておきましょう。