与えられたチャンスを断らない。その姿勢が、いまにつながった ― 精神科医 和田秀樹氏(第2回)

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中村千晶

与えられたチャンスを断らない。その姿勢が、いまにつながった ― 精神科医 和田秀樹氏(第2回)

わだ・ひでき◆1960年生まれ。精神科医。東京大学医学部付属病院精神神経科助手、アメリカ、カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、浴風会病院精神科などを経て、現在、国際医療福祉大学大学院教授(臨床心理学)、川崎幸病院精神科顧問、一橋大学経済学部非常勤講師、和田秀樹こころと体のクリニック院長。著書『受験は要領』がベストセラーに。「緑鐡受験指導ゼミナール」代表。劇映画初監督作品『受験のシンデレラ』でモナコ国際映画祭最優秀作品賞受賞(07年)。『痛快!心理学 入門編、実践編』など著書多数。

 

――和田さんはさまざまな分野に多くの人脈を持っていらっしゃいます。それも成功の秘訣でしょうか。

いや、そうでもないんですよ。もともと僕は社交的な人間じゃない。一匹狼的なところがあるんです。ただ、与えられたチャンスは断らないようにしています。例えば本の企画も自分が書きたいテーマばかりじゃないけれど、与えられたテーマでも書く以上は「読者にウケるものを」と考えます。それがスキルになっていくわけです。

それに実は人脈が広がったのは、思わぬところからです。2005年に『マザコン男は買いである』という本を書いたら、それに林真理子さんが賛同してくれて、講演会に呼んでくださった。そこから知り合いがバッと広がっていきました。林さんの紹介で脚本家の中園ミホさんと出会って、彼女の息子さんの中学受験の手伝いをしたとことが「受験のシンデレラ」のもとにもなりました。さらに僕はいまアンチエイジング・老年精神医学を本職にしていますが、師匠であるアンチエイジングの世界的第一人者クロード・ショーシャ医師とは、なんとあるワインの会で出会ったんですよ。

それに僕はその趣旨に賛同できれば、どなたとでも付き合います。だから知り合いは多いですね。見た目や所属で相手を判断したりしないんです。

――多岐にわたる分野で活躍できる秘訣はなんでしょう?

僕は子ども時代からいろんなことに興味がありすぎて、自分をADHD(注意欠陥・多動性障害)だと分析しています。ただ自分が本当に興味があることと、お金を稼ぐ手段は少し違っている。僕が本当に興味があるのは、精神・心理・経済分野における分析や映画ですが、収入を得る手段になったのは教育産業や医者の仕事です。両者はリンクもしていますが、目的と手段として分割されてもいます。

僕は「自分のやりたいことをやり、言いたいことを言うためにも、収入を得る手段はできるだけ多く持っていたほうがいい」と考えています。例えば僕はときどきテレビに出てコメンテーターをしたり、講演したりしていますが、もしタレントが本業になると言いたいことが自由に言えなくなってしまう。「ほかで食える道がある」から好きなことが言えるし、できるんです。まあズバズバ物を言いすぎて、しょっちゅう番組を外されちゃうんですけどね(笑)。

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撮影:丸橋ユキ

――和田さんは受験コンサルタントとして活躍し、東大合格者も多く出しています。彼らから就職の相談を受けることもありますか?

ありますよ。僕は常に「受験のノウハウは、就活でも応用できる」と言っています。

僕の受験ノウハウの基本は「過去問を徹底的にやること」。学校の教科書で「どの大学でも受かるように高い偏差値と、学力を身につける」のではなく、「自分の行きたい学校に受かるための点の取り方」をしないとダメ。就活も同じなんです。

100社を手当たり次第受けるのではなく、行きたい会社を絞って、そこの会社に入るための対策をしないといけない。プレゼンテーション能力が求められる会社もあれば、基礎知識を求める会社もあるでしょう。その会社が「何を求めているか」を分析し、それにあった対策を立てるべきです。そして、その会社の歴史や文化をしっかり勉強する。そうでないと、会社に入ってから「こうじゃなかった」となりますからね。

 

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