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2025.02.18RESEARCH

派遣会社の正社員「正社員型派遣」とは?特徴やメリット・デメリットを総まとめ

 20代の働き方研究所
近年は働き方が多様化しており、正社員以外の選択肢も増えています。このような状況のなか、派遣社員の柔軟性と正社員の安定性を兼ね備えた「正社員型派遣」と呼ばれる新たな働き方が注目されています。

「正社員として働いているけれど、プライベートな時間も十分に確保したい」「派遣社員として働いているけれど、雇用の安定性に欠けるので将来に不安がある」など、今の働き方を見直したいと考える方は、正社員型派遣という働き方を検討してもよいかもしれません。
この記事では、正社員型派遣の概要や働くメリット・デメリットを解説します。

 

正社員型派遣(無期雇用派遣)とは

派遣社員には、大きく「登録型派遣」と「正社員型派遣」の2種類があります。

登録型派遣は、3カ月や1年など雇用期間に定めがあり、派遣先が変わるごとに新たな契約を結ばなければなりません。

一方、正社員型派遣は、派遣会社と無期雇用契約を結び、派遣先の企業で働く雇用形態です。この契約では雇用期間に定めがないため、派遣先が変わっても派遣会社との雇用契約は継続されます。「無期雇用派遣」や「常用型派遣」とも呼ばれています。

また、正社員型派遣は一般的な正社員と同様に、健康保険や厚生年金保険などの社会保険にも加入できます。給与形態は登録型派遣が時給制であるのに対し、正社員型派遣は月額制が一般的で、派遣先が変わっても基本給が変わらないケースがほとんどです。

正社員型派遣とほかの働き方との違い

派遣社員には、正社員型派遣や登録型派遣に加えて、「紹介予定派遣」という働き方もあります。

また、正社員型派遣は「正社員」という言葉が含まれていますが、通常の正社員とは異なる特徴があります。
ここでは、正社員型派遣とほかの派遣、正社員との違いについてわかりやすく解説します。

登録型派遣(有期雇用派遣)


※画像引用:厚生労働省「政策レポート(労働者派遣制度について)」

登録型派遣とは派遣会社に登録し、派遣先が決まるごとに派遣会社と雇用契約を結ぶ雇用形態です。正社員型派遣と登録型派遣の大きな違いは、雇用期間の有無と給与形態にあります。雇用期間について、登録型派遣は最長3年なのに対し、正社員型派遣には定めがありません。

また、月給制の正社員型派遣とは異なり、登録型派遣は時給制で、派遣先や仕事内容によって給与が変動します。

登録型派遣は自由度が高く、自分が希望する働き方を実現しやすい一方で、雇用が不安定で収入も安定しづらい側面があると言えます。

紹介予定派遣

紹介予定派遣とは派遣会社に登録し、最長6カ月を登録型派遣として働きながら、将来的に派遣先で正社員を目指せる雇用形態です。

「正社員を目指せる」仕組みですが、必ずしも派遣先の正社員になれるわけではありません。派遣社員と派遣先の双方が合意した場合にのみ、派遣先で直接雇用へ転換されます。
そのため、紹介予定派遣は正社員への道が開かれる一方で、正社員への登用が保証されているわけではなく、派遣先の判断によっては登録型派遣として働く期間が長期化する可能性もあります。

正社員

正社員は、企業と直接雇用契約を結ぶ雇用形態です。登録型派遣や契約社員のように雇用期間に定めがないため、基本的には定年まで働ける可能性があります。

従来は、正社員になるとフルタイムで働くことが一般的でしたが、近年は働き方の多様化に伴い、短時間正社員を採用する企業も増えています。短時間正社員は、育児や介護などでフルタイム勤務が難しい人でも、安定した雇用を得られる働き方として注目されています。

正社員は各種保険への加入や福利厚生が充実していることに加え、昇進・昇給などのキャリアアップの機会も豊富です。その一方で会社の都合で部署が変わったり、別の土地に転勤になったりするケースもあります。

正社員型派遣として働くメリット


多様な働き方が存在するなか、登録型派遣から正社員型登録派遣を目指す人も増えています。その背景には、登録型派遣にはないさまざまなメリットが関係しています。正社員型派遣として働くメリットを詳しく見ていきましょう。

雇用が安定する

非正規雇用の一種である登録型派遣は、同じ派遣会社と雇用契約を結んでいても有期雇用になるため、雇用も収入も安定しづらい側面があります。一方の正社員型派遣は無期雇用契約を結ぶため、派遣切りに遭うなどの失職するリスクがありません。

また、正社員型派遣は、登録型派遣に比べて収入の安定性も高い傾向にあります。時給制が多い登録型派遣に対し、正社員型派遣は月給制が多く、賞与も支給されるため、安定した収入を得ることが可能です。

このように、雇用の継続性や収入面では、ほかの派遣型よりも安定性が高いと言えます。

手厚い福利厚生が受けられる

多くの企業では、従業員のモチベーションアップや帰属意識の向上を期待し、福利厚生制度を整えています。

しかし、福利厚生を受けるには、勤務状況など一定の条件が設定されているケースがほとんどです。そのため、正社員型派遣は、基本的に派遣会社が用意したすべての福利厚生を受けることが可能ですが、登録型派遣はそのすべてを活用できるとは限りません。

たとえば、産休は勤続年数にかかわらず登録型派遣でも取得できるものの、育休は労使協定に基づき、同一の事業主に継続して1年以上雇用されていなければ取得できないため、登録型派遣では取得できない可能性があります。

待機期間中も給与が支給される

正社員型派遣の大きなメリットは、待機期間中も給与が支給されることです。待機期間とは派遣先の契約が終了し、次の派遣先が決まるまでの期間を指します。

登録型派遣の場合、待機期間中は仕事がないため、その期間給与は支給されません。
また、派遣先の業績悪化や人員整理などの理由により、契約が途中で終了し仕事を失った場合も給与の保証がありません。

一方、正社員型派遣は、次の派遣先が決まるまでの期間も給与が支給されるため、安定した収入を確保できます。

スキルやキャリアを伸ばしやすい

近年は定年年齢の引き上げなど、仕事に携わる期間が従来よりも長期化しています。長い職業生活を送る上で重要になるのが、理想とするキャリアの実現です。

登録型派遣の場合、雇用期間に定めがあるため、限られた期間しか経験を積めません。次の派遣先でも同じ仕事ができるとは限らず、スキルアップやキャリアアップしづらい側面があります。

一方の正社員型派遣は無期雇用で働けるため、幅広い知識を習得できます。なかにはキャリアパスを用意している派遣会社もあり、キャリアアップを目指すことも可能です。

正社員型派遣として働くデメリット

これから正社員型派遣として働くことを検討している場合は、デメリットを把握しておくことが重要です。正社員型派遣として働くデメリットを詳しく見ていきましょう。

派遣会社で採用される必要がある

登録型派遣の場合、基本的には派遣会社に登録すれば仕事の紹介を受けられます。しかし、正社員型派遣として働くためには、一般的な就職や転職と同様に採用試験を受け、正式に採用されなければなりません。

これは登録型派遣と異なり、無期雇用といった、より正社員に近い雇用形態であることが関係しています。選考プロセスは派遣会社によって異なりますが、一般的な企業の採用活動のように書類選考や筆記試験、面接を行うことも多いです。

正社員型派遣として働くためには、正社員と同レベルの選考ハードルがあることを念頭に、しっかりとした準備が求められます。

希望する条件で働けるとは限らない

近年はワーク・ライフ・バランスを重視する人が増えており、リモートワークやフレックスタイム制など自由度の高い働き方へのニーズも高まっています。

登録型派遣は働く時間や勤務エリアなど、自分の希望に近い条件で働けるため、比較的自由度の高い働き方の一つです。

一方、正社員型派遣は、登録型派遣ほど自由度が高くありません。働く場所や条件などは、基本的に派遣会社に決定権があるためです。たとえば事務職を希望しても、営業職に配属されるケースがあります。

正社員型派遣を目指す際には、希望する条件で働けるとは限らないことを覚えておきましょう。

給与が低くなるケースもある

正社員型派遣として働くメリットの一つは、収入の安定性が高いことです。正社員型派遣は月給制かつ待機期間中にも給与が支給されるため、時給制かつ待機期間中に給与が支給されない登録型派遣に比べ、収入が安定しやすい傾向にあります。

しかし、月給制だからと言って必ずしも給与が高いわけではなく、時給に換算すると、登録型派遣よりも低くなるケースもあります。

登録型派遣は、経験やスキルによっては高額な時給が設定されているケースもあります。また、ボーナスをはじめとする各種手当てが含まれているケースもあり、総合的に見ると、登録型派遣の給与が正社員型派遣よりも高く感じられる場合もあります。

正社員型派遣以外で正社員を目指す方法

正社員型派遣には多くのメリットがある一方で、デメリットも無視できません。働く場所や条件が希望通りにならない場合や、給与が想定よりも低くなるケースもあるためです。デメリットが大きいと感じる場合には、正社員型派遣にこだわらず、ほかのかたちで正社員を目指す選択肢もあります。

紹介予定派遣として働く

紹介予定派遣として働けば、将来的に派遣先の会社で正社員になれる可能性があります。
厚生労働省の「令和4年派遣労働者実態調査の概況」の調査によると、派遣労働者が就業している企業のうち、正社員登用制度がある事業所の割合は23.9%だったことがわかっています。さらに、過去1年間に正社員に採用したことがある事業所の割合は3.8%でした。
派遣社員を正社員に採用した企業は決して多くはありませんが、正社員を目指せないわけではありません。
※出典元:厚生労働省「令和4年派遣労働者実態調査の概況

転職する

現在、登録型派遣として働いている場合、転職により正社員を目指す方法もあります。

企業と直接雇用契約を結んで正社員になれば、登録型派遣のように派遣切りに遭うリスクがなく、長期的に安定して働くことが可能です。

希望に合った転職をするには、企業選びが重要なポイントとなります。自分に合う企業を探す際には、転職サービスの「Re就活エージェント」を利用してみましょう。経験豊富なキャリアアドバイザーが転職活動をサポートするため、自分に合う企業を見つけやすくなります。
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自分に合う方法で正社員を目指そう


正社員型派遣は、登録型派遣の柔軟性と正社員の安定性を兼ね備えた働き方です。登録型派遣のように雇用契約に定めがないため、一度正社員型派遣になれば長期的に安定して働けます。

また、正社員型派遣は一般的な正社員に近い雇用形態なので、ボーナスや各種手当ての支給も期待できます。キャリアパスが用意されている派遣会社に入社すれば、理想とするキャリアを実現できる道も開けるでしょう。

どのような形であれ、正社員という働き方にこだわる場合は、一般企業に転職するのも手段の一つです。Re就活エージェントは若い世代の人材を求める企業の求人が豊富なので、自分に合う企業が見つかるかもしれません。

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この記事を書いた人

 20代の働き方研究所

20代中心の研究員で構成された研究機関。20代が主体的に「キャリア」や「働き方」を選択できるように、キャリアや仕事観の形成に関する調査・研究・情報発信を行っています。

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