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2025.02.19RESEARCH

出戻り転職とは?注目される背景やメリット・デメリットを解説

 20代の働き方研究所
近年は、さまざまな理由で転職する人が増えています。しかし、転職が必ずしも成功するとは限りません。転職を後悔し、一度退職した会社に戻りたいと考える人もいるでしょう。

元の会社に戻りたいと思ったときには、出戻り転職するのも手段の一つです。本記事では、出戻り転職のメリットやデメリットを解説します。

出戻り転職とは?


出戻り転職とは、一度退職した会社に再び就職することです。

企業側では、一度退職した従業員を「アルムナイ」と呼び、その再雇用を「アルムナイ採用」と言います。

最近では、再雇用やビジネス協業、企業ブランディングに役立つ人材としてアルムナイを活用したり、アルムナイとのネットワークを公式に構築したりする企業が増えています。

出戻り転職が注目される背景


出戻り転職が注目されているおもな理由は、少子高齢化による労働人口の減少です。転職市場では求職者よりも求人数が多く、新たな人材を確保しづらい状況が続いています。

多くの業界で人手不足が深刻化しており、企業は定着率を高めるためにさまざまな施策を講じています。新卒や中途採用だけでは十分な人材を確保できないため、出戻り転職に前向きな企業も増えています。

別の企業での経験を積んだ従業員が新たな価値観を持ち込んでくれることもあり、出戻り採用を歓迎する企業も増えています。

出戻り転職をするメリット


転職したものの、前の会社のほうが良かったと感じている場合は、出戻り転職を検討してみましょう。出戻り転職には、一般的な転職にはない次のようなメリットがあります。

・転職活動の期間を短縮できる可能性がある
・即戦力として活躍できる
・ミスマッチが起きにくい

それでは、各メリットを詳しく見ていきましょう。

転職活動の期間を短縮できる可能性がある

出戻り転職の大きなメリットの一つは、効率的に転職活動を進められることです。

一般的な転職活動では、書類選考や面接といった複数のプロセスが必要になり、応募から採用までに多くの時間を要することもあります。

一方の出戻り転職は、書類選考が省略されるケースもあり、転職活動の期間を短縮できるので効率的です。

20代はキャリア形成にとって重要な時期であり、転職活動が長引くと貴重な時間を無駄にする可能性があります。また、30代や40代での転職では、年齢が上がるほど求められている条件が厳しくなります。そのため、企業がすでに求職者のスキルや実績を把握している出戻り転職は、30代や40代にとっても大きなメリットとなるでしょう。

即戦力として活躍できる

出戻り転職では、業務内容や進め方を理解しており、転職後すぐに即戦力として活躍できる可能性があります。

特に若い世代は学習能力が高く、柔軟性も兼ね備えているため、即戦力としての期待値も高い傾向にあります。活躍次第では、昇格や昇給を実現できるかもしれません。

社会人経験やスキル、人間関係の面でも成熟した30代・40代は、出戻り転職によってさらなるキャリア発展につながるでしょう。

ミスマッチが起きにくい

ミスマッチが起きにくいのも、出戻り転職のメリットです。出戻り転職では、社風や人間関係などを把握しているため、職場環境に馴染みやすい傾向にあります。

20代の出戻り転職はミスマッチを修正できるため、キャリアの初期段階で安定を図るチャンスにもなります。

また、できる限り転職の失敗を避けたいと考える30代・40代も、すでに慣れた職場に戻ることでミスマッチ、再転職のリスクを減らせるのがメリットです。
 

出戻り転職をするデメリット


出戻り転職は、馴染みのある職場環境で働けるといったメリットがある一方で、次のようなデメリットもあります。

・以前と同じ条件・待遇とは限らない
・同じ失敗を繰り返す可能性がある

それぞれ詳しく見ていきましょう。

以前と同じ条件・待遇とは限らない

出戻り転職では、以前と同じ条件や待遇で働けるとは限らないので注意が必要です。

特に元の職場で何らかの役職に就いていた場合、同じポジションに戻れる可能性は限りなく低いでしょう。すでに別の従業員に割り当てられているためです。

また、出戻り転職しても、これまでと同じ部署に配属されるとは限りません。もし、同じ部署に配属されても、同僚や後輩が上司になることもあります。

同じ失敗を繰り返す可能性がある

以前退職した際に不満だったことが、必ず改善されているとは限りません。特に、退職から出戻り転職までの期間が短い場合、状況が大きく変わっていない可能性があります。

そのため、出戻り転職は同じ失敗を繰り返す可能性があることを踏まえた上で、慎重に検討する必要があります。

出戻り転職に向いている人の特徴


失敗を繰り返さないように、自分が出戻り転職に向いているかを確認しておくことが大切です。

在籍時の評価が高かった人

在籍時に高い評価を得ていた人は、今の職場を退職し、出戻り転職を検討するのもよいでしょう。評価や印象が良ければ、歓迎してもらえます。

また、営業成績をはじめとした数値で表せる部分だけではなく、コミュニケーション能力や問題解決力などを十分に身に付けている人も、出戻り転職に向いていると言えます。

円満に退職できた人

円満に退職できた人も、出戻り転職を成功させやすいでしょう。

一方、会社の繁忙期に引き継ぎを十分に行わずに辞めたり、退職理由として職場への不満を伝えたりと、人事部や上司にネガティブな印象を与えていた場合は、出戻り転職を避けたほうがよいかもしれません。

出戻り転職を考えている場合は、まず自分がどのように退職したかを振り返ってみましょう。

出戻り転職の目的が明確な人

「なぜ戻りたいのか」が明確で説得力がある人は、出戻り転職を成功させやすい傾向にあります。

転職目的が曖昧だと、同じような状況に直面したときにまた退職するのではないかという懸念を持たれる可能性があります。一度働いたことがあるとはいえ、元の職場が必ずしも出戻り転職を歓迎するわけではありません。

元の会社のメリットや再入社して目指したいキャリアを、納得できる形で会社に伝えられると、出戻り転職の成功率が高まります。

出戻り転職を成功させるためのポイント

出戻り転職を成功させるためのポイントは、次のとおりです。

・以前勤めていたときの退職理由を分析する
・経験やスキルを活かせるか確認する
・事前に社内に関する情報を得ておく

それでは、各ポイントを詳しく見ていきましょう。

以前勤めていたときの退職理由を分析する

出戻り転職を成功させるためには、元の職場を退職した理由を分析することが大切です。
退職理由によっては、出戻り転職したあとに同じような状況に直面し、再び退職したくなる可能性もあります。

厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」によると、20代は労働条件や仕事内容への不満、新たな挑戦を求めて転職するケースが多い傾向にあります。30代・40代は、20代と同様に労働条件に対する不満のほか、会社の将来に不安を感じて転職した人も多いようです。

当時は職場の人間関係や業務内容に不満を感じていても、自分の成長につながったというケースもあるかもしれません。退職理由を分析することで、同じような状況にならないための対策を検討できます。

※参考:厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」
 

経験やスキルを活かせるか確認する

出戻り転職を成功させるためには、自分の経験やスキルが企業が求める条件とマッチするかを十分に確認しておくことが大切です。条件を満たさない場合、即戦力としての活躍が期待できないと見なされる可能性もあります。

一定の経験やスキルがあれば、それを活かしてキャリアアップを実現できるかもしれません。出戻り転職で即戦力として活躍できれば、周囲からも高く評価されるでしょう。

また、自分の経験やスキルが活かせる仕事をすることは、モチベーションを維持し、やりがいの実感にもつながります。

事前に社内に関する情報を得ておく

出戻り転職する前には社内に関する情報を収集しておきましょう。自分が退職してから出戻り転職するまでの期間に、社内の状況が変化していることもあります。

これまでと同じ状況だと思って出戻り転職すると、現実とのギャップにネガティブな感情を抱く可能性もあります。

まずは、同僚や後輩から、信頼性の高い情報を得ましょう。また、近年は現従業員や元従業員の声を集めた口コミサイトも登場しています。SNSや口コミサイトを活用し、現在の職場の雰囲気をリサーチするのもよいでしょう。

出戻り転職は慎重に検討しよう


近年は、出戻り転職を積極的に受け入れている企業も増えています。

出戻り転職には、転職活動の期間を短縮できる可能性がある、即戦力として活躍できる、ミスマッチが起きにくいといったメリットがあります。

一方で、以前と同じ条件・待遇とは限らなかったり、同じ失敗を繰り返す可能性があったりとデメリットもあります。

まずは自分が出戻り転職に向いているのかを確認し、慎重に進めましょう。出戻り転職をすべきかどうかを悩むときは、キャリアアドバイザーに相談するのも一つの方法です。

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この記事を書いた人

 20代の働き方研究所

20代中心の研究員で構成された研究機関。20代が主体的に「キャリア」や「働き方」を選択できるように、キャリアや仕事観の形成に関する調査・研究・情報発信を行っています。

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