2025.10.31RESEARCH
「気が利く」と言われる人の日程調整のコツ

「今度の会議の日程調整をお願いしてもいい?」と依頼されたとき、どんな対応をしていますか?
ただ空いている日時を並べて送るだけでも、調整はできるかもしれません。しかし、ちょっとした工夫を取り入れることで「この人気が利くな」「仕事が早いな」と思ってもらえる機会にもなるのです。
仕事の中でも地味に思える日程調整ですが、実は「信頼を積み重ねるチャンス」が詰まった、大事なコミュニケーションです。
今回は、そんな日程調整における「気が利く」と言われるちょっとした工夫や考え方をご紹介します。

ビジネスにおいて、日程調整は顧客や取引先との「最初の接点」となることも多く、「第一印象」を左右する大切な場面です。
社内でも「段取り上手」と思われるかどうかの大きな判断材料になります。
「返信しやすいな」
「連絡がわかりやすい」
「こちらの都合もちゃんと考えてくれている」
そんな小さな積み重ねが、結果的に「この人は信頼できる」「仕事がスムーズ」と評価される要因になります。

では、どんな日程調整が「気が利く」と思われるのでしょうか。
キーワードは「相手目線」。
単にこちらの空き時間を送るのではなく、相手がどう動いているか、どう感じるかを想像することが大切です。
例えば、相手への想像力を働かせることでこんな工夫ができます。
・相手の勤務形態に合わせた時間を提案
リモートワーク中心の方は、朝イチや夕方の調整がしやすい傾向があります。外出が多い営業職の場合は、社内に戻っていることが多い昼過ぎや夕方を選ぶとスムーズに予定が合いやすくなります。
・会議の目的に応じた所要時間を設定
打ち合わせの内容が重い場合は60分程度を確保し、簡単な報告で済むような場合は15分ほどで十分なこともあります。要件を明確にし、「この時間で足ります」と伝えることで、相手に安心感を与えることができます。
・「この人の調整力すごい」と思わせる段取り
参加者が複数いる場合には、「誰がキーマンか」や「誰の予定を最優先すべきか」を見極めたうえで調整を進めることが大切です。そうすることで、全体を見通して動ける人としての信頼を得やすくなります。

よくあるのが、ただ空いている時間を羅列して送るパターンです。
―—
【悪い例】
こんにちは。以下、空いている日です。
・8/5 午前
・8/6 午後
・8/7 どこでも
よろしくお願いします。
―—
一見シンプルでスピード感がありそうですが、情報が不足しています。
相手は「何の件?」「何分かかる?」「誰と?」など、追加の確認が必要になります。
―—
【良い例】
件名:打ち合わせ日程のご相談(商品企画MTG)
本文:
お世話になっております。商品企画部の○○です。
先日の件について、以下日程で30分程度のオンラインミーティングをお願いできればと思います。ご都合いかがでしょうか?
【目的】新商品に関する販促案のご相談
【参加者】○○部長(社内)+私
【形式】Zoom
【候補日程】
・8/5(月)10:00~10:30
・8/6(火)15:00~15:30
・8/7(水)13:00~13:30
お忙しいところ恐縮ですが、ご確認のほどお願いいたします。
―—
ここまで書けると「配慮がある人だな」「やり取りがスムーズで助かるな」と感じてもらえます。
また、返信率も高まり、調整が早く終わるという相乗効果もあります。

日程調整の難易度がぐっと上がるのが、参加者が3人以上いる会議です。特に部署をまたぐミーティングや、社外との面談では調整に時間がかかりやすく、調整を担当する人は苦労する場面といえるでしょう。
このような場合に大切なのは、「全員の予定を何とか合わせること」よりも、「誰を基準に調整するか」を早めに決めることです。
・意思決定者や責任者の予定を優先する
・忙しい人が1人いる場合は、その人の予定を中心に他の人の予定を調整
・候補日は「週3日×3コマ」など十分に用意し、選択肢を広くする
また、「この中から選んでください」と丸投げするのではなく、最終的には自分が主導して候補を絞り、決定に導く姿勢が求められます。

最近では、日程調整をサポートしてくれる便利なツールが数多く登場しています。
条件をあらかじめ設定しておけば、相手にURLを送るだけで空いている時間を選んでもらえる、そんな機能は忙しいビジネスパーソンにとって心強い味方です。
こうしたツールをうまく活用すれば、メールやチャットでのやり取りの回数を減らし、一気に調整のスピードも上がります。日程調整の負担が大きいと感じている人にこそ、ぜひ使ってほしい選択肢です。
ただし、「ツールを使えば終わり」ではなく、「ひと工夫」を加えることでさらに「気が利く」と思ってもらえることがあります。
たとえば、以下のようなポイントに気を配ってみましょう。
・参加メンバーの条件に応じて設定を工夫する
「誰か1人いればOK」なのか「全員参加が必須」なのか、リマインドに記載するメッセージの内容など、目的に応じてツールの設定を調整しましょう。
・ツールが不慣れな相手には、選び方や手順も簡潔に伝える
「こちらのリンクから選択いただけます」「1つ選んでいただければ自動で予定が確定します」など、ひと言添えるだけで安心感が増します。
こうした細かな配慮を添えることで、「機械的にツールを使っているだけ」ではなく、「相手の負担を減らすために活用している」という印象を与えることができます。
ツールはあくまで効率化のために用いる手段にすぎません。だからこそ、そこにあなたの心配りが加わることで、調整そのものが「気の利いた仕事」として評価されるのです。

日程調整のうまさは、「段取り力」と「気配り力」の証拠です。
こうした力を持つ人は、仕事全体を俯瞰して把握でき、かつ周囲への配慮もできる存在として評価されやすくなります。
「この人に任せれば安心」
「またこの人と仕事したい」
そんな印象を与えることができれば、自然と信頼もチャンスも集まってきます。
「気が利くね」と言われる人には、「相手の立場で物事を考えられる」という共通点があります。
そして、日程調整という一見地味な業務にも、その人の仕事観や人柄がにじみ出ているものです。
もし明日、あなたが日程調整を任されたなら、ただ日時を聞くだけでなく、相手の負担を減らすための工夫をひとつ実践してみてください。
そうした小さな積み重ねで、あなたの「信頼貯金」が確実に増えていくでしょう。
【この記事の寄稿者】
ミクステンド株式会社
TimeRex事業部 プロダクトマネージャー
前田裕紀恵(まえだ・ゆきえ)
兵庫県で生まれ育ち、大学卒業後は不動産系のITサービス企業に入社。同社で営業として活動した後、転職を経て、2020年4月にミクステンド株式会社に入社。TimeRexのリリース当初より、サポートチームの立ち上げや顧客開発に携わる。サポートやセールス業務で得たユーザー理解とサービス理解を活かし、現在はプロダクトマネージャーを担当。
【企業】
ミクステンド株式会社
2018年に創業。リクルートが2006年に開始した日程調整ツール「調整さん」を、同社のインターンを経てエンジニアとして働いていたミクステンドの北野智大が事業譲受。2020年1月にはビジネス向けの日程調整自動化ツール「TimeRex(タイムレックス)」のサービスを開始。累計登録者数は46万人(25年8月時点)。調整さんのアプリや、法人向けも展開するなど日程調整サービスを拡充している。
会社概要
会社名:ミクステンド株式会社
代表者:北野智大
本社所在地:東京都渋谷区神宮前3丁目1-30 H1O青山 706
設 立:2018年2月13日
企業ホームページ:https://mixtend.com/
調整さん:https://chouseisan.com/
TimeRex:https://timerex.net/
ただ空いている日時を並べて送るだけでも、調整はできるかもしれません。しかし、ちょっとした工夫を取り入れることで「この人気が利くな」「仕事が早いな」と思ってもらえる機会にもなるのです。
仕事の中でも地味に思える日程調整ですが、実は「信頼を積み重ねるチャンス」が詰まった、大事なコミュニケーションです。
今回は、そんな日程調整における「気が利く」と言われるちょっとした工夫や考え方をご紹介します。
「日程調整がうまい人」はなぜか信頼される

ビジネスにおいて、日程調整は顧客や取引先との「最初の接点」となることも多く、「第一印象」を左右する大切な場面です。
社内でも「段取り上手」と思われるかどうかの大きな判断材料になります。
「返信しやすいな」
「連絡がわかりやすい」
「こちらの都合もちゃんと考えてくれている」
そんな小さな積み重ねが、結果的に「この人は信頼できる」「仕事がスムーズ」と評価される要因になります。
「気が利く日程調整」は「相手への想像力」があること

では、どんな日程調整が「気が利く」と思われるのでしょうか。
キーワードは「相手目線」。
単にこちらの空き時間を送るのではなく、相手がどう動いているか、どう感じるかを想像することが大切です。
例えば、相手への想像力を働かせることでこんな工夫ができます。
・相手の勤務形態に合わせた時間を提案
リモートワーク中心の方は、朝イチや夕方の調整がしやすい傾向があります。外出が多い営業職の場合は、社内に戻っていることが多い昼過ぎや夕方を選ぶとスムーズに予定が合いやすくなります。
・会議の目的に応じた所要時間を設定
打ち合わせの内容が重い場合は60分程度を確保し、簡単な報告で済むような場合は15分ほどで十分なこともあります。要件を明確にし、「この時間で足ります」と伝えることで、相手に安心感を与えることができます。
・「この人の調整力すごい」と思わせる段取り
参加者が複数いる場合には、「誰がキーマンか」や「誰の予定を最優先すべきか」を見極めたうえで調整を進めることが大切です。そうすることで、全体を見通して動ける人としての信頼を得やすくなります。
「とりあえず空いている時間を送る」でもいいの?

よくあるのが、ただ空いている時間を羅列して送るパターンです。
―—
【悪い例】
こんにちは。以下、空いている日です。
・8/5 午前
・8/6 午後
・8/7 どこでも
よろしくお願いします。
―—
一見シンプルでスピード感がありそうですが、情報が不足しています。
相手は「何の件?」「何分かかる?」「誰と?」など、追加の確認が必要になります。
―—
【良い例】
件名:打ち合わせ日程のご相談(商品企画MTG)
本文:
お世話になっております。商品企画部の○○です。
先日の件について、以下日程で30分程度のオンラインミーティングをお願いできればと思います。ご都合いかがでしょうか?
【目的】新商品に関する販促案のご相談
【参加者】○○部長(社内)+私
【形式】Zoom
【候補日程】
・8/5(月)10:00~10:30
・8/6(火)15:00~15:30
・8/7(水)13:00~13:30
お忙しいところ恐縮ですが、ご確認のほどお願いいたします。
―—
ここまで書けると「配慮がある人だな」「やり取りがスムーズで助かるな」と感じてもらえます。
また、返信率も高まり、調整が早く終わるという相乗効果もあります。
複数人の調整では「主導権」と「優先順位の見極め」がカギ

日程調整の難易度がぐっと上がるのが、参加者が3人以上いる会議です。特に部署をまたぐミーティングや、社外との面談では調整に時間がかかりやすく、調整を担当する人は苦労する場面といえるでしょう。
このような場合に大切なのは、「全員の予定を何とか合わせること」よりも、「誰を基準に調整するか」を早めに決めることです。
・意思決定者や責任者の予定を優先する
・忙しい人が1人いる場合は、その人の予定を中心に他の人の予定を調整
・候補日は「週3日×3コマ」など十分に用意し、選択肢を広くする
また、「この中から選んでください」と丸投げするのではなく、最終的には自分が主導して候補を絞り、決定に導く姿勢が求められます。
ツールもうまく活用する

最近では、日程調整をサポートしてくれる便利なツールが数多く登場しています。
条件をあらかじめ設定しておけば、相手にURLを送るだけで空いている時間を選んでもらえる、そんな機能は忙しいビジネスパーソンにとって心強い味方です。
こうしたツールをうまく活用すれば、メールやチャットでのやり取りの回数を減らし、一気に調整のスピードも上がります。日程調整の負担が大きいと感じている人にこそ、ぜひ使ってほしい選択肢です。
ただし、「ツールを使えば終わり」ではなく、「ひと工夫」を加えることでさらに「気が利く」と思ってもらえることがあります。
たとえば、以下のようなポイントに気を配ってみましょう。
・参加メンバーの条件に応じて設定を工夫する
「誰か1人いればOK」なのか「全員参加が必須」なのか、リマインドに記載するメッセージの内容など、目的に応じてツールの設定を調整しましょう。
・ツールが不慣れな相手には、選び方や手順も簡潔に伝える
「こちらのリンクから選択いただけます」「1つ選んでいただければ自動で予定が確定します」など、ひと言添えるだけで安心感が増します。
こうした細かな配慮を添えることで、「機械的にツールを使っているだけ」ではなく、「相手の負担を減らすために活用している」という印象を与えることができます。
ツールはあくまで効率化のために用いる手段にすぎません。だからこそ、そこにあなたの心配りが加わることで、調整そのものが「気の利いた仕事」として評価されるのです。
調整力は、信頼とチャンスを引き寄せる武器になる

日程調整のうまさは、「段取り力」と「気配り力」の証拠です。
こうした力を持つ人は、仕事全体を俯瞰して把握でき、かつ周囲への配慮もできる存在として評価されやすくなります。
「この人に任せれば安心」
「またこの人と仕事したい」
そんな印象を与えることができれば、自然と信頼もチャンスも集まってきます。
「気が利くね」と言われる人には、「相手の立場で物事を考えられる」という共通点があります。
そして、日程調整という一見地味な業務にも、その人の仕事観や人柄がにじみ出ているものです。
もし明日、あなたが日程調整を任されたなら、ただ日時を聞くだけでなく、相手の負担を減らすための工夫をひとつ実践してみてください。
そうした小さな積み重ねで、あなたの「信頼貯金」が確実に増えていくでしょう。
【この記事の寄稿者】
ミクステンド株式会社
TimeRex事業部 プロダクトマネージャー
前田裕紀恵(まえだ・ゆきえ)
兵庫県で生まれ育ち、大学卒業後は不動産系のITサービス企業に入社。同社で営業として活動した後、転職を経て、2020年4月にミクステンド株式会社に入社。TimeRexのリリース当初より、サポートチームの立ち上げや顧客開発に携わる。サポートやセールス業務で得たユーザー理解とサービス理解を活かし、現在はプロダクトマネージャーを担当。
【企業】
ミクステンド株式会社
2018年に創業。リクルートが2006年に開始した日程調整ツール「調整さん」を、同社のインターンを経てエンジニアとして働いていたミクステンドの北野智大が事業譲受。2020年1月にはビジネス向けの日程調整自動化ツール「TimeRex(タイムレックス)」のサービスを開始。累計登録者数は46万人(25年8月時点)。調整さんのアプリや、法人向けも展開するなど日程調整サービスを拡充している。
会社概要
会社名:ミクステンド株式会社
代表者:北野智大
本社所在地:東京都渋谷区神宮前3丁目1-30 H1O青山 706
設 立:2018年2月13日
企業ホームページ:https://mixtend.com/
調整さん:https://chouseisan.com/
TimeRex:https://timerex.net/
