2021.11.10INTERVIEW
「マジ価値」の提供に向けて嘘をつかないピュアな集団freee株式会社。 最前線で活躍するエンジニアが誇りをもって働くために大事にする考え方に迫る
20代の働き方研究所 研究員 Y.S.
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freee株式会社
プロダクト開発本部 落合 涼(おちあい りょう)様(写真右)
人事採用本部 新卒採用チーム マネージャー 羽山 美聡(はやま みさと) 様(写真左)
「だれもが自由に経営できる統合型経営プラットフォーム」を作り出すfreee株式会社。「スモールビジネスを、世界の主役に。」をミッションに掲げ、2012年に設立してから、現在は時価総額4,000億円を超えるミドルベンチャーとして急成長しています。今回は同社のプロダクト開発本部でエンジニアとして活躍する落合さんに、これまでの経歴やエンジニアとしてキャリアを形成していくために必要な考え方や姿勢を伺うとともに、エンジニアが、プロダクト開発の背景にあるエピソードや技術的工夫を世の中にシェアする同社独自の取り組み「freee Tech Night」についてもお話を伺いました。現在、大きく成長を遂げる同社のエンジニアの仕事の向き合い方に迫りつつ、新卒採用チームのマネージャーである羽山さんからは同社のカルチャーや、どんな人と働きたいのかについて、お話いただきました。
(落合)小さなころからコンピュータに興味があり、小中学生の頃にHTMLの書き方を知って、簡単なホームページ制作をしていました。その後、ブログに興味を持ちました。興味があると言っても記事を書くことではなく、背後にあるシステムに興味があったんですよね。どういう仕組みで作られているのか知っていくことが楽しかったんですよね。思えば小さい頃からパソコンやインターネット環境が家の中にあったので、いつでも触ることができたことも背景にあったのかもしれません。高校に入学してからも同じようにITの世界には興味を持ち続け、情報工学を学べる大学にしました。
就職活動ではpaiza(パイザ)というエンジニア向けの学習サービスにあるプログラミングスキルチェックを受けて、その時の自分の実力を把握していました。問題文を読んで与えられた課題を解決するプログラムを時間内に書いてソースコードを提出するというもので、その出来栄えでランク付けされるといったものです。
ランクはE~Sまでの6段階に分かれていて、freeeに応募をするにはAランクが必要とされていました。ですが初めて受験した私のランクは「C」。まだまだ遠く及ばない実力でした。そこで勉強を重ね、ランクを合格基準までもっていくことが出来ました。
一番最初にfreeeを知ったきっかけはプレスリリースです。その後、就職活動をする上で見つけて興味を持ち始め、就職を考えるようになりました。色々な会社がある中でfreeeを志望した理由はオフィスもキレイだし、働きやすそうと思ったからで、ファーストインプレッションがそのまま志望理由になっていましたね(笑)。
スキルを磨いたこともありfreeeから内定を無事にもらうことが出来ましたが、入社意欲をますます強めることになったのは内定後のインターンシップを経験してのことでした。話しやすい雰囲気があって、Slackで絵文字を送り合っているなど、エンジニア同士のコミュニケーションもカジュアルなところが気に入りました。また、ユーザーにきちんと価値を提供している会社で、ビジネスに将来性があると思えたところも魅力でした。
―そして2018年にご入社されていますが、現在はどのようなお仕事を担当されて、どのような点に面白さを感じていますか
主に「freee会計」の機能改善や保守・運用をしています。実際にこのサービスをユーザーに使ってもらい、TwitterなどのSNSで反応をもらえることはやりがいになっていますね。エンジニアという人種は承認欲求の強い生き物なんです(笑)。
「freee会計」を始め、私たちの仕事は「紙の業務を無くすこと」です。実際に業務効率化に繋がり、反響をいただけるのは嬉しいものです。
同じくエンジニアであっても、BtoCのサービスを手掛ける場合にはコンテンツの内容が売り物になることが多いわけですが、BtoBのサービス、特にfreeeではエンジニアが作ったものがそのまま商品となります。そこが自分に合っていると感じています。
―反対に仕事をする上での大変な点や難しいと感じる点はどこにあるのでしょうか
創業から10年を迎えようとする会社です。プロダクトにも新しい技術と古い技術の両方が混在しています。特にフロントエンド技術は動きが激しく、昔と大きく変わっています。だからこそ、業界の動向をキャッチアップすることが重要なのですが、そのためには自分で勉強し続けるほかありません。社内には同じようにアンテナを張っている人もたくさんいるので、その人たちからも技術やトレンドを吸収するようにしています。
―落合さんのお話を聞いているとやりたいことに向けて一直線にキャリアを築いてこられたのかなと感じます。ご自身のキャリアを形成されるにあたり、大事にされている考え方はどのようなものでしょうか
やりたいことにどんどん首を突っ込むことは大事にしていますね。好奇心を持って気になったら参加するといったことを繰り返してきました。もちろん、首を突っ込んだからにはそこで最大限のパフォーマンスを発揮するための努力は怠りません。
実は入社前に自分が実現したい目標というものを決めて、それを会社に提出するようになっていたのですが、人と話すことが苦手だったので、コミュニケーションをとり、社内での自分の認知度を上げることを目標にしたんですよね。
社会人として良い仕事をするためには「任せよう」と思ってもらうことが必要になりますが、そもそも社内で認知されていなければ、そんな風に思ってもらうこともできません。だから、色々なところに首を突っ込んで自分のことをアピールしていきました。
入社して1~2年はサービスにアラートが出たら逐一首を突っ込むようにしていましたし、社内イベントをオンラインで開催するとなった時には、配信の手伝いをしたり、といったこともしていましたね。自分の力を発揮できる場所には積極的に関わってポジションを築いていきました。何でもやるおかげで社内の半分くらいのメンバーは私のことをエンジニアとは思っていないんじゃないでしょうか(笑)
―エンジニアとしてのキャリア形成やスキル向上という点ではどのようなお考えをお持ちでしょうか
エンジニアがスキルアップするためには情報を大量に取り入れて取捨選択をする力が必要不可欠です。特にこの仕事に関わる情報は流行り廃りが激しいのですが、古い情報も数多く転がっていて、自分で見極めることが大事になります。
その見極める力をどうやってつけていくのかと言えば、とにかく手を動かすに尽きると思いますね。新しい技術が出たらまずは触ってみる、そしてトライ&エラーを繰り返す、そうしてベースとなる知識を形成していきます。
―そうしたお考えをお持ちの落合さんは、今後の目標や、描いているビジョンはお持ちでしょうか
テクノロジーを使って世界が良くなればいいなと思っています。エンジニアという仕事を通じて社会が良くなるための下支えができているということに、楽しさを感じています。今は会計ソフトを通じて下支えをしていきたいと思っています。
将来どうしているかはまだ分からないですけれど、政府としても紙の電子化を進めていますよね。会計以外の面でもバックオフィス分野では煩雑な業務が非常にたくさんあります。今後はそこを効率化していきたいですね。
BtoCとBtoBのサービスの違いは、コンテンツに重きが置かれるのか、自分が作ったものがそのまま商品となるかにあるとお話しました。ゲームやエンタメ系の業界で働くエンジニアは一見華やかですが、自分が作ったものが価値あるものとしてそのまま社会を良くしていくというやりがいを感じられるのは、BtoBのサービスを提供するfreeeのエンジニアならではですね。
嘘のない仕事をするピュアな集まり。「マジ価値」にまっすぐ向き合う文化
―羽山さんは新卒採用チームのマネージャーとして採用業務に携われています。まずは2021年6月に新たなビジョンを据えられブランドを刷新しましたが、背景にはどのようなことがあったのでしょうか
(羽山)新たなビジョンを据えて刷新をしたというよりも、ミッションをより具体化し、ビジョンを明確にしたという方が正しい理解だと思います。プロダクトを通じて社会に価値を届けたいという考えを持っていますが、その価値がどんなものであるのか、私たちも理解を深め、お客様や社会に伝えていきたいと考えています。
創業から約10年が経ち、より明確にしたいと考えました。ロゴもシャープなデザインから柔らかなイメージに変わり、「自然体」や「解放」「ちょっとした楽しさ」を、スモールビジネスの経営者に感じてもらい、より楽しく、よりポジティブになってもらいたいという願いが秘められています。
そのため、創業から精神や考え方は全く変わっていません。ユーザーに「マジ価値※」を届けることはずっと続けてきています。ロゴが新しくなったことでちょっと楽しく感じていますけどね(笑)
※マジ価値・・・freee株式会社ではコミットメントとしてfreeeは「マジ価値を届けきる集団である」を掲げている。マジ価値とは『本質的(マジ)で価値ある:ユーザーにとって本質的な価値があると自信を持って言えることをする。』という意味。
―創業から変わらない考えで来られたのですね。freeeでの採用業務を担当されていますが、どんな社風・文化の会社でしょうか。また、どのような方を採用していきたいとお考えですか
「文化」というと難しいですが、ピュアな人が多いのは当社の特徴かもしれません。「マジ価値」に真面目に向き合うというか、本当にユーザーにとって良いものとは何か、真っ直ぐに考えています。嘘のない仕事をしたい人にとっては最適な環境と言えるでしょう。
「マジ価値」を届け続ける組織でありたいと思っています。だからこそ、一緒に働く人も、ユーザーや社会に価値を本気で提供したい人であってほしいです。また、学生時代などに何かに熱中したことがある人や、周囲を巻き込んでムーブメントを起こしてきた人にもお会いしたいですね。熱量の高い環境で何かを頑張ってきた経験のある人は魅力的だと思います。当社はまさにムーブメント型の組織と言えると思います。
そうした方を採用するには、対話を重ねる他ないと思います。当社では採用担当だけではなく、事業部全体を巻き込んで採用活動を実施しています。会社として学生を知り、また学生からも会社全体を知ってもらうようにし、マッチングを図っています。
~freee Tech Nightとは~
freee主催の技術イベント。会計や人事労務などのバックオフィスに関するサービスを提供する同社のエンジニアが、技術的工夫や苦労を世の中にシェアし役立てたいという想いで定期的に開催している。また、同社の自由度と裁量権の高い独自の開発文化を支えるfreeers(freeeで働くメンバー)がどのような想いや熱意をもって開発に取り組んでいるのかを知ってもらうことも狙いとしている。
―ここからは御社で取り組まれているfreee Tech Nightについてお話を伺います。先ほど羽山さんからfreeeの文化についてお話を伺いましたが、この取り組みも非常に特徴的ですね。まず、このイベントがスタートした背景を教えてください
(落合)元々は、エンジニアからエンジニア採用の担当に異動した社員から持ちあがった話でした。採用活動をする中で、エンジニア向けのイベントがこれまでfreeeになかったことから、やってみないかという発信が社内SNSであり、そこで私が手を挙げて発足したものです。
当初の趣旨としては採用時の認知度を上げることを目的とした内容ではありましたが、そもそもfreeeのエンジニアはあまり社外に自らの技術力を発信するということをしておらず、freeeの技術力は実はすごいものだということを何とかして発信できないかと思って飛びつきました。
freeeで働くことに誇りを持ちたいという思いがあり、そして誇りを持つためには、そのすごさを社外から認知されなくてはいけない、そして認知されるためには対外的に発表する場を作らなければならないと考えました。
私はfreee Tech Nightの運営のリーダーとして取り仕切っています。10名弱のプロジェクトで1ヵ月に1回のオンライン配信と、オフラインの場合には3ヵ月に1回を目標に実施していました。
―落合さんがリーダーとなっているイベントだったのですね
そうですね。私から社内のエンジニアに声をかけて参加してもらうこともあれば、発信したいことがあると自ら名乗り出る方もいます。このテーマだったら社外から「すごい!」と思ってもらえそうだと思えば、関係する方を事前にアサインするということもありますね。社外に自分たちの技術力を発信する前の経験として、freee Tech Nightというイベントを活用してもらえればと思っています。
―参加された方やオンラインの内容を視聴された方からも反響はあるのでしょうか
視聴される方の中にはエンジニアの方も、そうではない方もいますが、反響はありますね。そしてそこから気付かされることもあります。多くのWebアプリケーションはデータを読み出すことが多いのですが、freeeのサービスは少し特殊で、データを書き込むことも多いです。そうした性質もあって、データベースがトピックスの回などは通常よりも反響が大きいように思えます。
エンジニアでない方の場合には、実際にサービスを使っての感想などを寄せていただくこともあります。
―freee Tech Nightを今後どのようにしていきたいなど、目標はありますか
freeeのエンジニアは世の中的にまだまだ知られていないと感じています。だからこそ、まずは知ってもらうということをファーストステップとしています。
そうして知られていくことで、もっと自分たちに誇りを持てる状態にしていくことが目標ですね。今後も社内の取り組みや開発文化についても発信していきたいと思います。
―最後に、このようにご活躍の落合さんが、30代、40代を充実させるものとするために、20代の内にやっておくべきこと、大事にすべきと考えていらっしゃることについて教えてください
とにかく情報をたくさん取り入れることだと思います。歳を重ねていくと、どんどん鈍化していくものだと思います。それは老化という自然現象もありますが、ポジション的にも業務量が増えていき、余裕もなくなっていくものだと思います。
だからこそ情報を20代の内に取り入れることが大事になるのですが、特にエンジニアという仕事は、次々と新しい情報をキャッチアップしていかなければなりません。確かに根底には不変な知識や情報はありますが、情報の取捨選択が大事になります。
そのためには、やはり手を動かすことしかないと私は思います。エンジニアは技術を使って課題を解決する仕事です。どんな課題にどの技術を使うのか、本を読むだけでは理解はできません。手を動かして技術を使い、身に着けて自分のものにすることが大切ですね。
ちなみに私の場合は休日や業務外で時間を見つけて手を動かしています。Slackでbotを作ってみたり、外部サービスを使わずにインフラから構築して家の中のものをIoTで連携させてみたりしています。
■freee株式会社では現在、「パートナーセールス職」を募集中です。
▽詳しくはこちら
https://re-katsu.jp/career/company/recruit/47024/
freee株式会社
2012年7月設立。「スモールビジネスを、世界の主役に。」をミッションに掲げ、統合型経営プラットフォームを開発・提供。誰もが自由に自然体で経営できる環境をつくることを目指す。クラウド型会計ソフトを皮切りに、人事労務や会社設立支援と、スモールビジネスのバックオフィス業務を効率化するクラウドサービスを開発・提供。急成長を遂げるミドルベンチャーとして、現在では時価総額4,000億円を超える規模に成長。
プロダクト開発本部 落合 涼(おちあい りょう)様(写真右)
人事採用本部 新卒採用チーム マネージャー 羽山 美聡(はやま みさと) 様(写真左)
「だれもが自由に経営できる統合型経営プラットフォーム」を作り出すfreee株式会社。「スモールビジネスを、世界の主役に。」をミッションに掲げ、2012年に設立してから、現在は時価総額4,000億円を超えるミドルベンチャーとして急成長しています。今回は同社のプロダクト開発本部でエンジニアとして活躍する落合さんに、これまでの経歴やエンジニアとしてキャリアを形成していくために必要な考え方や姿勢を伺うとともに、エンジニアが、プロダクト開発の背景にあるエピソードや技術的工夫を世の中にシェアする同社独自の取り組み「freee Tech Night」についてもお話を伺いました。現在、大きく成長を遂げる同社のエンジニアの仕事の向き合い方に迫りつつ、新卒採用チームのマネージャーである羽山さんからは同社のカルチャーや、どんな人と働きたいのかについて、お話いただきました。
やりたい事にとことん突き進む。自分が作った商品で社会を支える仕事をするためにfreeeへ。
―まずは落合様の経歴についてお伺いします。どのようなきっかけでITの世界に興味を持ち、freeeへとご入社されたのでしょうか(落合)小さなころからコンピュータに興味があり、小中学生の頃にHTMLの書き方を知って、簡単なホームページ制作をしていました。その後、ブログに興味を持ちました。興味があると言っても記事を書くことではなく、背後にあるシステムに興味があったんですよね。どういう仕組みで作られているのか知っていくことが楽しかったんですよね。思えば小さい頃からパソコンやインターネット環境が家の中にあったので、いつでも触ることができたことも背景にあったのかもしれません。高校に入学してからも同じようにITの世界には興味を持ち続け、情報工学を学べる大学にしました。
就職活動ではpaiza(パイザ)というエンジニア向けの学習サービスにあるプログラミングスキルチェックを受けて、その時の自分の実力を把握していました。問題文を読んで与えられた課題を解決するプログラムを時間内に書いてソースコードを提出するというもので、その出来栄えでランク付けされるといったものです。
ランクはE~Sまでの6段階に分かれていて、freeeに応募をするにはAランクが必要とされていました。ですが初めて受験した私のランクは「C」。まだまだ遠く及ばない実力でした。そこで勉強を重ね、ランクを合格基準までもっていくことが出来ました。
一番最初にfreeeを知ったきっかけはプレスリリースです。その後、就職活動をする上で見つけて興味を持ち始め、就職を考えるようになりました。色々な会社がある中でfreeeを志望した理由はオフィスもキレイだし、働きやすそうと思ったからで、ファーストインプレッションがそのまま志望理由になっていましたね(笑)。
スキルを磨いたこともありfreeeから内定を無事にもらうことが出来ましたが、入社意欲をますます強めることになったのは内定後のインターンシップを経験してのことでした。話しやすい雰囲気があって、Slackで絵文字を送り合っているなど、エンジニア同士のコミュニケーションもカジュアルなところが気に入りました。また、ユーザーにきちんと価値を提供している会社で、ビジネスに将来性があると思えたところも魅力でした。
―そして2018年にご入社されていますが、現在はどのようなお仕事を担当されて、どのような点に面白さを感じていますか
主に「freee会計」の機能改善や保守・運用をしています。実際にこのサービスをユーザーに使ってもらい、TwitterなどのSNSで反応をもらえることはやりがいになっていますね。エンジニアという人種は承認欲求の強い生き物なんです(笑)。
「freee会計」を始め、私たちの仕事は「紙の業務を無くすこと」です。実際に業務効率化に繋がり、反響をいただけるのは嬉しいものです。
同じくエンジニアであっても、BtoCのサービスを手掛ける場合にはコンテンツの内容が売り物になることが多いわけですが、BtoBのサービス、特にfreeeではエンジニアが作ったものがそのまま商品となります。そこが自分に合っていると感じています。
―反対に仕事をする上での大変な点や難しいと感じる点はどこにあるのでしょうか
創業から10年を迎えようとする会社です。プロダクトにも新しい技術と古い技術の両方が混在しています。特にフロントエンド技術は動きが激しく、昔と大きく変わっています。だからこそ、業界の動向をキャッチアップすることが重要なのですが、そのためには自分で勉強し続けるほかありません。社内には同じようにアンテナを張っている人もたくさんいるので、その人たちからも技術やトレンドを吸収するようにしています。
―落合さんのお話を聞いているとやりたいことに向けて一直線にキャリアを築いてこられたのかなと感じます。ご自身のキャリアを形成されるにあたり、大事にされている考え方はどのようなものでしょうか
やりたいことにどんどん首を突っ込むことは大事にしていますね。好奇心を持って気になったら参加するといったことを繰り返してきました。もちろん、首を突っ込んだからにはそこで最大限のパフォーマンスを発揮するための努力は怠りません。
実は入社前に自分が実現したい目標というものを決めて、それを会社に提出するようになっていたのですが、人と話すことが苦手だったので、コミュニケーションをとり、社内での自分の認知度を上げることを目標にしたんですよね。
社会人として良い仕事をするためには「任せよう」と思ってもらうことが必要になりますが、そもそも社内で認知されていなければ、そんな風に思ってもらうこともできません。だから、色々なところに首を突っ込んで自分のことをアピールしていきました。
入社して1~2年はサービスにアラートが出たら逐一首を突っ込むようにしていましたし、社内イベントをオンラインで開催するとなった時には、配信の手伝いをしたり、といったこともしていましたね。自分の力を発揮できる場所には積極的に関わってポジションを築いていきました。何でもやるおかげで社内の半分くらいのメンバーは私のことをエンジニアとは思っていないんじゃないでしょうか(笑)
―エンジニアとしてのキャリア形成やスキル向上という点ではどのようなお考えをお持ちでしょうか
エンジニアがスキルアップするためには情報を大量に取り入れて取捨選択をする力が必要不可欠です。特にこの仕事に関わる情報は流行り廃りが激しいのですが、古い情報も数多く転がっていて、自分で見極めることが大事になります。
その見極める力をどうやってつけていくのかと言えば、とにかく手を動かすに尽きると思いますね。新しい技術が出たらまずは触ってみる、そしてトライ&エラーを繰り返す、そうしてベースとなる知識を形成していきます。
―そうしたお考えをお持ちの落合さんは、今後の目標や、描いているビジョンはお持ちでしょうか
テクノロジーを使って世界が良くなればいいなと思っています。エンジニアという仕事を通じて社会が良くなるための下支えができているということに、楽しさを感じています。今は会計ソフトを通じて下支えをしていきたいと思っています。
将来どうしているかはまだ分からないですけれど、政府としても紙の電子化を進めていますよね。会計以外の面でもバックオフィス分野では煩雑な業務が非常にたくさんあります。今後はそこを効率化していきたいですね。
BtoCとBtoBのサービスの違いは、コンテンツに重きが置かれるのか、自分が作ったものがそのまま商品となるかにあるとお話しました。ゲームやエンタメ系の業界で働くエンジニアは一見華やかですが、自分が作ったものが価値あるものとしてそのまま社会を良くしていくというやりがいを感じられるのは、BtoBのサービスを提供するfreeeのエンジニアならではですね。
嘘のない仕事をするピュアな集まり。「マジ価値」にまっすぐ向き合う文化
―羽山さんは新卒採用チームのマネージャーとして採用業務に携われています。まずは2021年6月に新たなビジョンを据えられブランドを刷新しましたが、背景にはどのようなことがあったのでしょうか
(羽山)新たなビジョンを据えて刷新をしたというよりも、ミッションをより具体化し、ビジョンを明確にしたという方が正しい理解だと思います。プロダクトを通じて社会に価値を届けたいという考えを持っていますが、その価値がどんなものであるのか、私たちも理解を深め、お客様や社会に伝えていきたいと考えています。
創業から約10年が経ち、より明確にしたいと考えました。ロゴもシャープなデザインから柔らかなイメージに変わり、「自然体」や「解放」「ちょっとした楽しさ」を、スモールビジネスの経営者に感じてもらい、より楽しく、よりポジティブになってもらいたいという願いが秘められています。
そのため、創業から精神や考え方は全く変わっていません。ユーザーに「マジ価値※」を届けることはずっと続けてきています。ロゴが新しくなったことでちょっと楽しく感じていますけどね(笑)
※マジ価値・・・freee株式会社ではコミットメントとしてfreeeは「マジ価値を届けきる集団である」を掲げている。マジ価値とは『本質的(マジ)で価値ある:ユーザーにとって本質的な価値があると自信を持って言えることをする。』という意味。
―創業から変わらない考えで来られたのですね。freeeでの採用業務を担当されていますが、どんな社風・文化の会社でしょうか。また、どのような方を採用していきたいとお考えですか
「文化」というと難しいですが、ピュアな人が多いのは当社の特徴かもしれません。「マジ価値」に真面目に向き合うというか、本当にユーザーにとって良いものとは何か、真っ直ぐに考えています。嘘のない仕事をしたい人にとっては最適な環境と言えるでしょう。
「マジ価値」を届け続ける組織でありたいと思っています。だからこそ、一緒に働く人も、ユーザーや社会に価値を本気で提供したい人であってほしいです。また、学生時代などに何かに熱中したことがある人や、周囲を巻き込んでムーブメントを起こしてきた人にもお会いしたいですね。熱量の高い環境で何かを頑張ってきた経験のある人は魅力的だと思います。当社はまさにムーブメント型の組織と言えると思います。
そうした方を採用するには、対話を重ねる他ないと思います。当社では採用担当だけではなく、事業部全体を巻き込んで採用活動を実施しています。会社として学生を知り、また学生からも会社全体を知ってもらうようにし、マッチングを図っています。
エンジニアが誇りを持って働けるようにしたい。その思いでスタートしたfreee Tech Night
~freee Tech Nightとは~
freee主催の技術イベント。会計や人事労務などのバックオフィスに関するサービスを提供する同社のエンジニアが、技術的工夫や苦労を世の中にシェアし役立てたいという想いで定期的に開催している。また、同社の自由度と裁量権の高い独自の開発文化を支えるfreeers(freeeで働くメンバー)がどのような想いや熱意をもって開発に取り組んでいるのかを知ってもらうことも狙いとしている。
―ここからは御社で取り組まれているfreee Tech Nightについてお話を伺います。先ほど羽山さんからfreeeの文化についてお話を伺いましたが、この取り組みも非常に特徴的ですね。まず、このイベントがスタートした背景を教えてください
(落合)元々は、エンジニアからエンジニア採用の担当に異動した社員から持ちあがった話でした。採用活動をする中で、エンジニア向けのイベントがこれまでfreeeになかったことから、やってみないかという発信が社内SNSであり、そこで私が手を挙げて発足したものです。
当初の趣旨としては採用時の認知度を上げることを目的とした内容ではありましたが、そもそもfreeeのエンジニアはあまり社外に自らの技術力を発信するということをしておらず、freeeの技術力は実はすごいものだということを何とかして発信できないかと思って飛びつきました。
freeeで働くことに誇りを持ちたいという思いがあり、そして誇りを持つためには、そのすごさを社外から認知されなくてはいけない、そして認知されるためには対外的に発表する場を作らなければならないと考えました。
私はfreee Tech Nightの運営のリーダーとして取り仕切っています。10名弱のプロジェクトで1ヵ月に1回のオンライン配信と、オフラインの場合には3ヵ月に1回を目標に実施していました。
―落合さんがリーダーとなっているイベントだったのですね
そうですね。私から社内のエンジニアに声をかけて参加してもらうこともあれば、発信したいことがあると自ら名乗り出る方もいます。このテーマだったら社外から「すごい!」と思ってもらえそうだと思えば、関係する方を事前にアサインするということもありますね。社外に自分たちの技術力を発信する前の経験として、freee Tech Nightというイベントを活用してもらえればと思っています。
―参加された方やオンラインの内容を視聴された方からも反響はあるのでしょうか
視聴される方の中にはエンジニアの方も、そうではない方もいますが、反響はありますね。そしてそこから気付かされることもあります。多くのWebアプリケーションはデータを読み出すことが多いのですが、freeeのサービスは少し特殊で、データを書き込むことも多いです。そうした性質もあって、データベースがトピックスの回などは通常よりも反響が大きいように思えます。
エンジニアでない方の場合には、実際にサービスを使っての感想などを寄せていただくこともあります。
―freee Tech Nightを今後どのようにしていきたいなど、目標はありますか
freeeのエンジニアは世の中的にまだまだ知られていないと感じています。だからこそ、まずは知ってもらうということをファーストステップとしています。
そうして知られていくことで、もっと自分たちに誇りを持てる状態にしていくことが目標ですね。今後も社内の取り組みや開発文化についても発信していきたいと思います。
―最後に、このようにご活躍の落合さんが、30代、40代を充実させるものとするために、20代の内にやっておくべきこと、大事にすべきと考えていらっしゃることについて教えてください
とにかく情報をたくさん取り入れることだと思います。歳を重ねていくと、どんどん鈍化していくものだと思います。それは老化という自然現象もありますが、ポジション的にも業務量が増えていき、余裕もなくなっていくものだと思います。
だからこそ情報を20代の内に取り入れることが大事になるのですが、特にエンジニアという仕事は、次々と新しい情報をキャッチアップしていかなければなりません。確かに根底には不変な知識や情報はありますが、情報の取捨選択が大事になります。
そのためには、やはり手を動かすことしかないと私は思います。エンジニアは技術を使って課題を解決する仕事です。どんな課題にどの技術を使うのか、本を読むだけでは理解はできません。手を動かして技術を使い、身に着けて自分のものにすることが大切ですね。
ちなみに私の場合は休日や業務外で時間を見つけて手を動かしています。Slackでbotを作ってみたり、外部サービスを使わずにインフラから構築して家の中のものをIoTで連携させてみたりしています。
■freee株式会社では現在、「パートナーセールス職」を募集中です。
▽詳しくはこちら
https://re-katsu.jp/career/company/recruit/47024/
freee株式会社
2012年7月設立。「スモールビジネスを、世界の主役に。」をミッションに掲げ、統合型経営プラットフォームを開発・提供。誰もが自由に自然体で経営できる環境をつくることを目指す。クラウド型会計ソフトを皮切りに、人事労務や会社設立支援と、スモールビジネスのバックオフィス業務を効率化するクラウドサービスを開発・提供。急成長を遂げるミドルベンチャーとして、現在では時価総額4,000億円を超える規模に成長。