更新日:2024年10月21日
就職・転職活動における面接では印象が大事ですよね。特に「第一印象」で面接の明暗を分けるといっても過言ではありません。
今回の記事では、第一印象におけるイメージがその後の印象にも大きく影響を与えるという心理学的用語「初頭効果」について紹介していきます。
目次
初頭効果とは
初頭効果のメリット
親近効果・ハロー効果との違い
【シーン別】初頭効果の活用例
初頭効果を使う際の注意点
初頭効果の意味を理解して就職・転職活動に活かそう
初頭効果とは
初頭効果とは最初に得た情報がその後の判断や印象に対して強く影響を与える心理現象のことです。
例えば、初対面時の身だしなみや表情、言葉使いといった第一印象がその後もずっと残り続けるという経験はないでしょうか。
初頭効果を活かすことで、プレゼンテーションや営業、面接などあらゆるコミュニケーションの場で強い印象を残すことが可能です。
初頭効果の実験
社会心理学者のソロモン・アッシュが実際に行った実験を紹介します。
アッシュは1946年に下記のような「印象形成」の実験によって初頭効果を実証しました。
印象形成とは人の外見や性格など、相手が確認することのできる限られた情報からその人物の全体的な印象を形作ることを指します。
【実験方法】
A,Bという2人の人物がいて、それぞれの印象を下記のように紹介しました。
A: 知的、勤勉、衝動的、批判的、頑固、嫉妬深い人間 |
B: 嫉妬深い、頑固、批判的、衝動的、勤勉、知的な人間 |
実験では被験者を2つのグループに分類し、AとBのどちらかを読んだ後に観察者に対する印象をインタビューしました。
【実験結果】
Aさんの印象について観察者に尋ねると比較的いい印象を持った方が多かったのに対し、Bさんの印象について尋ねると悪い印象を持った方が多かったのです。
上記の結果から、情報が同じであっても表示される順番が違うだけで印象が変わることから「初頭効果」の効果が実証されました。
初頭効果のメリット

続いて初頭効果がもたらすメリットについて紹介します。
メリットとしては下記の3点です。
・第一印象を強く残せる
・相手の関心を引き、その後の展開を有利に進められる
・ビジネス・就活・日常のシーンで幅広く使える |
初頭効果の一番のメリットは第一印象を強く残せる点です。
面接や営業の場面では、最初の数分間でその後の印象が決まってしまうので、初頭効果を利用することで、相手の関心を引き、その後の展開を有利に進めることができます。
初頭効果に重要な身なりや言葉遣い、相手への気遣いなど意識するだけで、ビジネス・就活・日常のシーンで相手から信頼感を持たれ「好感な第一印象」を持ってもらえます。
親近効果・ハロー効果との違い
ここでは初頭効果と親近効果、ハロー効果との違いを解説します。
初頭効果 |
最初のイメージが強く記憶に残る心理現象 |
親近効果 |
最後に提示された情報が、印象や判断に強く影響する心理現象 |
ハロー効果 |
一部の特徴的な印象から全体の評価をしてしまう心理現象 |
一文だけでも違いがあることが分かると思いますが、それぞれについてもう少し深く解説します。
親近効果
親近効果とは、最後に提示された情報が、印象や判断に強く影響する現象です。
アメリカの心理学者ノーマンによって提唱されました。
最初の印象が大きく関係する初頭効果とは対照的な現象と言えます。
重要な情報を最後に配置することで、その情報がより記憶に残りやすくなります。
商品紹介の際に最後に特典や割引情報を伝えることで、顧客の記憶に強く残り購買意欲を高める効果があります。
例えば下記のような文章だと、最後に購買決定に直結する情報を入れているので、親近効果を使用していると言えます。
「この商品は高品質です。こちらの商品は今だけ特別割引を実施しています」
初頭効果とは人の性質別やシチュエーション別によって使い分けることによってより効果が出ます。
例えば、認知的複雑性が高い方には初頭効果を用い、逆に低い方には親近効果を用いると良いでしょう。
ハロー効果
ハロー効果は、一部の特徴的な印象から全体的な印象に影響を与える心理的傾向のことを示します。
例えば、有名大学や大手企業などの肩書を持っている場合や、ある特定の事項の好成績(スポーツ大会優勝など)を持っている場合に、
その人物全体の印象に直接反映されるということを示します。
具体的には、ある有名な俳優が新しい商品を宣伝する際に、その商品のことは何も知らなくても
その俳優の人気度や好感度が商品全体の評価に影響を与えることがハロー効果といえます。
就職・転職活動でも自分の功績を自己アピールの際に始めに言うことで、面接官に好印象を与えることもあるので、ぜひ活用しましょう。
【シーン別】初頭効果の活用例
続いて初頭効果の活用例をシーン別に紹介します。
・営業での活用例
営業における初頭効果の使い方・効果を解説します。
例えば新商品を紹介する際に初頭効果が効果を発揮します。
新商品の紹介などは最初の数分間が非常に重要です。
製品のユニークな特徴や顧客のメリットを最初に強調して相手の関心を引き付けるようにすることで商品に好印象を与えることができます。
・プレゼンテーションでの活用例
プレゼンテーションを行う際にも初頭効果は効果を発揮します。
プレゼンテーションでは自己紹介やプレゼンの目的を明確にし、聴衆に期待感をもたせることが重要になってきます。
その為にも最初の数分間で初頭効果を意識し、キャッチーなオープニングやインパンクのある事実や統計データなどを用いることが効果的です。
プレゼンの最初に質問を投げかけたり、物語を語ったりすることで聴衆の関心を引き付けることもできます。
・チームビルディングや教育での活用例
チームビルディングや教育の現場でも初頭効果を使用することで円滑に進むことがあります。
例えば新しいプロジェクトのミーティングなどでは、最初に明確な目標や期待を共有することで、メンバー全員が同じ方向を向いてスタートを切れますし、
教育の現場では、授業の冒頭で重要なポイントを強調することで、生徒たちの関心を引きつけ、学習意欲を高めることができます。
初頭効果を上手に活用することで、組織やクラスの結束力を高め、目標達成に向けた一体感を作ることができます。
・面接での活用例
面接においても初頭効果を使用することができます。
最初の数分間で自分の強みや経験を効果的にアピールすることが必要なのが面接です。
自己紹介の際にはキャリアのハイライトや具体的な成果を簡潔に述べることが効果的ですし、
印象をよくするためにも明るく自信に満ちた状態で接することがポイントです。
自己紹介の際にはハロー効果も役立ちますので併用することでより面接が有利に進むことでしょう。
合わせて読みたい!
就職・転職活動において第一印象をよくするために心がけるべきこと~態度編~
・日常生活での活用例
面接やプレゼン以外にも普段の日常生活においても初頭効果を有効に活用することができます。
初対面の相手との対話では最初の数分間でポジティブな印象を相手に与えることが必要です。
初頭効果を用いて自身のアピールをすることで、後のコミュニケーションがスムーズに進み、信頼関係を築きやすくなります。
初訪問の場所やイベントでも第一印象を意識して話すことで全体の印象が良くなるでしょう。
初頭効果を使う際の注意点

ここでは初頭効果を使う際の注意点を紹介します。
簡潔に述べると下記の3点に注意しましょう。
・第一印象に頼りすぎない
・メリットばかりを強調しすぎない
・長期的な信頼関係を築くことを大切にする |
第一印象ばかりを大事にして、初頭効果が成功したとしても、その後の行動や言動が第一印象とかけ離れてしまった場合、信頼を失う可能性があります。
見栄を張りすぎず、持続的な努力と誠実な気持ちで相手には接するようにしましょう。
また自身が相手から初頭効果を用いたプレゼンや営業を受けた際も、話の順序によって必要以上にメリットを強調していないか、
他のデメリットを隠して第一印象に注力しすぎていないかなど確認するようにしましょう。
初頭効果の意味を理解して就職・転職活動に活かそう
今回の記事では、初頭効果の概要やメリット、シーン別の活用方法、また初頭効果を使う際の注意点について紹介しました。
注意点はありますが、初頭効果を利用することで就職・転職活動において、面接などで役立つ心理現象ですので、
自身の第一印象をよくするためにも、活用してみてくださいね。
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