転職を考える際に、「第二新卒の転職は人生終了」「もうまともなキャリアは歩めない」そのような言葉をインターネット上で目にして、不安を感じていませんか。
結論から言うと、第二新卒の転職は人生終了を意味するわけではありません。自分にぴったりの職を探せる絶好のチャンスです。
本記事では、第二新卒の転職に不安を抱えている人向けに、第二新卒の転職は人生終了ではない理由や、ネガティブな意見が散見される背景、企業が第二新卒に感じている魅力、第二新卒の転職に失敗する人に共通する特徴、転職を成功させるためのこつをまとめました。
転職エージェントの上手な活用術も紹介しているので、第二新卒の転職に悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
「第二新卒の転職=人生終了」ではない!4つの理由
「人生終了」だと言われることがある3つの背景
企業側が第二新卒に感じている魅力
第二新卒で転職に失敗してしまう人の4つの特徴
「前向きな再スタート」を切る! 転職を成功させる5つのステップ
もう一人で悩まない! 「人生終了」を回避する転職エージェント活用術
まとめ
「第二新卒の転職=人生終了」ではない!4つの理由

「第二新卒の転職は人生終了ではない」と言える理由は、大きく分けて4つあります。
・理由1. 多くの企業が第二新卒の採用に積極的だから
・理由2. ポテンシャルや若さが武器になるから
・理由3. 未経験の業界・職種にも挑戦しやすいから
・理由4. 多くの仲間が同じように転職しているから
理由1. 多くの企業が第二新卒の採用に積極的だから
近年は少子高齢化に伴う人手不足により、新卒採用枠で目標人数に達しなかった企業などが、積極的に第二新卒を採用している傾向にあります。人手不足を補う目的だけではなく、後述する第二新卒ならではの特徴や魅力に期待している企業も多いです。
実際に、インターネットなどで第二新卒向けの求人を探すと、業界や職種を問わず多くの案件が見つかります。その影響もあってか新卒者の離職率は上昇傾向にあり、令和3年3月卒業者の就職後3年以内の離職率は、大卒で34.9%です(※)。
※参考:厚生労働省.「新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)を公表します」.(2024-10-25)
理由2. ポテンシャルや若さが武器になるから
20代前半~中盤の第二新卒は、経験やスキルよりも今後のポテンシャルや若さ、学習意欲が高く評価される傾向にあります。30代以上の中途採用者にはない若さや柔軟性の高さは、企業にとって大きな価値のあるものであり、積極的に採用する要因の一つです。
実際に、業界・職種未経験者を採用する際に重視するポイントはどこか、企業・団体の人事担当者を対象としたアンケート調査があります。このアンケートの結果では、経験してきた業務内容や実績よりも、人柄・社風との相性や成長意欲を重視すると回答した企業の割合の方が大きいと報告されています(※)。
※参考:PR TIMES.「業界・職種未経験者の採用で重視するポイントは「人柄・社風との相性」が8割近く。評価する能力では、9割の企業が「コミュニケーション能力」をあげる」.(2025-05-27)
理由3. 未経験の業界・職種にも挑戦しやすいから
第二新卒は、未経験の業界や職種にも挑戦しやすいでしょう。柔軟性が高いと評価されれば、一から業務を教えても成長してもらえると見込まれ、前職でのスキルにとらわれず採用されることが多いからです。
前職を通して異なる業種・職種に興味を持つケースは意外と多いですが、若いうちなら比較的キャリアチェンジのチャンスも広がりやすいものです。
理由4. 多くの仲間が同じように転職しているから
先ほど紹介した厚生労働省のデータからも分かる通り、新規学卒就職者のうち、入社3年以内で離職している人の割合は高い傾向にあります。令和3年3月卒では、高卒者で38.4%、短大等卒では44.6%、大卒では34.9%です(※)。
離職理由も多岐にわたり、人間関係や仕事のミスマッチに悩んで離職した人もいれば、労働条件や待遇に不満を感じて辞める人もいます。
特に第二新卒の転職市場が活発化している今、悩みや不満を抱えて働き続けるよりも、早期離職・転職に踏み切る人は多いため、以前ほど後ろめたさを感じる必要はないかもしれません。
※参考:厚生労働省.「新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)を公表します」.(2024-10-25)
「人生終了」だと言われることがある3つの背景
そもそも、なぜ「第二新卒は人生終了」というネガティブな言葉が出回っているのでしょうか。その背景には大きく分けて3つの要素があります。
・背景1. 「石の上にも三年」という古い価値観の存在
・背景2. 「またすぐに辞めるのでは?」という企業側の懸念
・背景3. 実際に転職に失敗して後悔した人の声
背景1. 「石の上にも三年」という古い価値観の存在
かつて終身雇用が常識だった日本では、「石の上にも三年」「すぐに辞めるのはこらえ性がない」という古い価値観が根強く残っています。
特に親世代や年配の上司は早期離職にネガティブな印象を抱いているため、転職を検討していることを話すと「すぐに辞めるなんて」と反対されるケースが多いようです。
背景2. 「またすぐに辞めるのでは?」という企業側の懸念
第二新卒は、企業側から「またすぐに辞めるのでは?」という懸念を持たれやすいのは事実です。
早期離職のリスクを払拭するには、面接などで論理的な退職理由や志望動機を提示しなければなりません。そのため、第二新卒の転職はハードルが高いイメージを持たれているようです。
背景3. 実際に転職に失敗して後悔した人の声
第二新卒者の中には、準備不足のまま勢いだけで転職した結果、待遇の悪化やキャリアダウンにつながる経験をした人もいます。ネット上では失敗談・成功談の両方が語られていますが、印象的な体験談ほど注目されやすいため、偏った情報だけに惑わされないことが大切です。
企業側が第二新卒に感じている魅力
採用する企業側の視点に立つと、第二新卒にはさまざまな魅力があることが分かります。具体的にどのような点に魅力を感じているのかを、3つのポイントに分けて説明します。
魅力1. 特定の社風に染まっていない
第二新卒はまだ社会人経験が浅く、特定の企業の社風に染まっていません。前職のやり方や企業文化などに固執せず、新しい環境やルールに順応できるため、企業からすると教育・指導しやすさがメリットになります。
自社の社風に早く馴染んでもらえれば、比較的短期間で戦力になってもらえる可能性があります。人手不足に悩んでいる企業にとって大きな魅力です。
なお、株式会社学情が実施したアンケートでは「人柄・社風との相性」を面接で評価している企業が65.0%という結果でした。つまり、多くの企業が自社に合う人材を重視しており、特定の社風に染まっていない第二新卒は、自社の文化に順応しやすい人材として期待されやすいといえます。
※参考:PR TIMES.「20代キャリア採用、多くの企業が書類選考で「業務内容・職種・業種」などの経験を確認。その後の面接では「コミュ力・人柄・社風との相性」重視の選考実施」.(2025-06-09)
魅力2. これからの成長が見込める
企業は第二新卒に対し、現時点で保有するスキルや実績よりも、学習意欲の高さや素直さ、ストレス耐性、ポテンシャルなどを重視する傾向にあります。これらの要素がそろった第二新卒は今後大きな成長が見込め、投資する価値があると見なされるためです。
魅力3. 社会人としての基礎を理解している
第二新卒は既に一度社会に出ており、基本的なビジネススキルやマナーなど、社会人としての基礎を習得しています。そのため、一般的な新卒のようにビジネスマナー研修などを行う必要がなく、教育の手間やコストを一部省けるところが利点です。
社会人としての基礎ができている上、ベテランの中途採用にはない若さも兼ね備えていることから、新卒と中途採用の良いところ取りができる存在として重宝されています 。

第二新卒で転職に失敗してしまう人の4つの特徴

ここまで第二新卒の転職=人生終了ではないと説明してきましたが、勢いのまま転職活動を始めると、失敗するリスクが高くなります。転職に失敗するケースをチェックし、反面教師として参考にしてみましょう。
ここでは第二新卒で転職に失敗してしまう人に共通する4つの特徴をまとめました。
特徴1. 勢いだけで辞めてしまい、計画性がない
「今の仕事が嫌で、とにかく辞めたい」という気持ちから、勢いだけで辞めてしまい、転職活動をスタートさせると、自己分析や企業研究などの準備がおろそかになりがちです。
準備不足は失敗の基になりますし、前職を辞めて収入が途絶えたことで経済面への不安を感じ、焦りから転職先を妥協して決めるケースも多いようです。
特徴2. 自己分析が甘く、「転職の軸」がぶれている
採用面接では、退職した理由や転職の軸、今後のキャリアビジョンなどを質問されるため「なぜ退職したのか」「次に何をしたいのか」といった自己分析が曖昧なままだと、説得力のある志望動機を伝えられません。
転職の軸が定まっていなければ、企業選びや応募書類の作成、面接対策も難航しがちです。内定が出ても「本当にここで良いのかな」となかなか決断できずに、活動が長期化する人もいます。
特徴3. 前職の不満ばかりを語り、他責思考が強い
第二新卒の面接では高確率で退職理由を尋ねられますが、「上司と合わなかった」「正当な評価を得られなかった」など前職の不満ばかりを語ると、他責思考が強い人だと判断される可能性があります。
他人のせいにする人は、環境を変えても同じような理由で退職する可能性が高いと見なし、早期離職リスクを恐れて採用を見合わせる企業は多いようです。
特徴4. プライドが高く、アドバイスを素直に聞けない
プライドが高い人の中には、「自分の方が正しい」という意識が強く、友人や転職エージェントからのアドバイスをうまく受け入れられないことがあります。
第三者の意見に耳を傾けないと、自分の強みや課題に気付けず、同じような失敗を繰り返してしまうかもしれません。
「前向きな再スタート」を切る! 転職を成功させる5つのステップ
第二新卒の転職を、前向きな再スタートを切るチャンスにするために、ぜひ以下5つのステップを実践してみてください。
Step 1. まずは自己分析をする
前職への不満の裏にある本当に実現したいことを突き止めるためには、まずは自己分析が必要です。
やりたいこと(Will)、できること(Can)、果たすべき役割(Must)を設定するWill-Can-Mustのフレームワークを活用し、自分が大切にしている価値観や強み、将来のビジョンなどを明確化するところからスタートしましょう。
Step 2. 希望のキャリアから逆算して「企業選びの軸」を決める
自己分析の結果を基に、企業選びで譲れない条件と妥協できる条件をリストアップします。例えば「多少通勤時間が長くなっても、自分が持っている資格を生かしてキャリアアップしていける仕事に就きたい」などです。
転職の軸が固定化されれば、条件に合った企業をスムーズに絞り込めますし、採用時のミスマッチを防ぎやすくなります。
Step 3. 在職中に情報収集と準備を始める
経済面に不安があると転職活動に焦りが生まれるため、特定の問題(人間関係のストレスで体調を崩しているなど)がない場合は、働きながら企業研究や自己分析などの準備を進めるのがおすすめです。
多忙で転職活動を思うように進められない場合は、転職サイトや転職エージェントを利用し、どのような求人があるか調べたり、プロの力を借りて自己分析や求人探しを進めたりすると良いでしょう。
Step 4. 第二新卒の強みを生かした選考対策を行う
第二新卒はポテンシャル採用が主となるため、スキルや実績よりも、伸びしろや柔軟性、仕事への意欲、向上心などのアピールを意識しましょう。
また退職理由は本音がネガティブなものでも、ポジティブな内容に置き換えることが大切です。例えば残業の多さに不満を感じていたのなら、「スキルアップのための学習と両立できるよう、ワークライフバランスの取れた職場を希望している」などの理由に変換すれば、向上心をアピールするチャンスにもつながります。
Step 5. 妥協せず、内定が出ても焦って決めない
転職活動のゴールは内定をもらうことではありません。転職活動は、より納得のいく働き方を実現するための第一歩です。
複数の内定をもらったら、自分の転職の軸と照らし合わせて、条件が合致する企業を冷静に選びましょう。なお、企業としてどちらが優れているかを軸に転職先を選ぶと、自分がやりたいことや将来のビジョンがぶれる可能性があるので、あくまで自分の価値観や目標を基準に考えてください。
もう一人で悩まない! 「人生終了」を回避する転職エージェント活用術
ここまで第二新卒の転職を成功させるためのポイントを説明してきましたが、全てのステップを働きながら一人で行うのは困難でしょう。そのようなときは転職のプロの助けを借りて効率良く活動を進めていくことがおすすめです。
ここでは第二新卒が知っておきたい転職エージェントの活用術を3つ紹介します。
1. 客観的な自己分析を手伝ってくれる
転職エージェントを利用すると、プロのキャリアアドバイザーが客観的な現状分析を行い、自分では気付けなかった強みや適性、応募企業へのニーズを洗い出してくれます。
さらに、志望動機や自己PRに役立つキャリアの棚卸しもサポートしてくれるため、説得力のあるアピールを行えるでしょう。
2. 第二新卒を歓迎する優良企業を紹介してくれる
転職エージェントに登録すると、一般には公開されていない非公開求人を紹介してもらえます。第二新卒に特化したエージェントであれば、第二新卒歓迎の企業を紹介してもらえるでしょう。選択肢の幅が広がる分、より自分の適性や希望に合った企業を探しやすくなります。
またキャリアアドバイザーは企業の社風や労働条件の実態など、表にはなかなか出ない内部事情にも詳しいため、転職後のミスマッチも防げるでしょう。
3. 面接対策や書類添削で成功確率を上げてくれる
転職エージェントは、企業の特色に合わせた面接対策や、応募書類の添削を行ってくれるため、採用確率アップを期待できます。
さらに、面接の日程調整や、企業に対する労働条件の交渉代行なども務めてくれるので「働いているから日程調整が難しい」「応募企業に交渉しにくい」といった悩みも解決できます。
こうした手厚いサポートを受けながら転職活動を進めたい方は、20代・第二新卒の転職に特化した「Re就活エージェント」がおすすめです。プロのキャリアアドバイザーがあなたの強みを引き出し、内定獲得までしっかり伴走してくれます。
まとめ
第二新卒の転職は、周囲の偏見や早期離職への懸念などから「人生終了」と言われがちです。
しかし、ポテンシャルが高く、若さと基本的なビジネススキルを併せ持った第二新卒は企業から見て魅力的な人材であり、積極的に採用しているところも多いです。現職に不満や不安を抱えながら働き続けると、精神的な負担が大きくなり、心身のバランスを崩すことにもつながりかねません。転職活動を通じて、自分の働き方を見つめ直す時間を作ってみるのも良いかもしれません。
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