転職を考える際に「転職活動ってどのくらいの期間がかかるんだろう?」「周りの人はどのくらいで転職しているのかな?」など、転職に要する期間について疑問や不安を感じている方は多いでしょう。
準備をしっかりと行い、なるべくスムーズに活動を終えられるのが理想ですが、具体的な進め方や期間の目安が分からないと計画的に進行するのが難しくなります。
そこで本記事では、一般的な転職活動の流れや転職活動が長引く原因、対処法などをご紹介します。転職活動をスケジュール通りに進めたいとお考えの方は、ぜひ参考になさってください。
【この記事で分かること】
・厚生労働省のデータによると、転職した人の約半数近くは1~6カ月未満(平均3カ月前後)で活動を終わらせている
・転職活動では自己分析や情報収集、面接対策などに十分な時間をかけることが大切
・転職活動は基本的に在職中に行うのがおすすめだが、デメリットもある
目次
転職活動にかかる期間は平均で3カ月前後
【4ステップ】転職活動の一般的な流れと期間の内訳
転職活動は在職中に始めるのが良い?
要注意!転職活動が長引く4つの要因と対処法
まとめ
転職活動にかかる期間は平均で3カ月前後
厚生労働省が公開している調査データによると、転職活動を始めてから前職を辞めるまでの期間について、1カ月以上3カ月未満と回答した人は28.8%、3カ月以上6カ月未満は15.7%となっています(※)。
両方のデータを合わせると44.5%となり、1~6カ月未満で転職活動を終わらせた人が半数近くいることが分かります。
以上のデータから、転職活動にかかる期間の平均は3カ月前後と考えられますが、上記はあくまでも目安です。実際には求職者の状況によって適切な期間は異なり、1カ月未満で転職が決まる人もいれば、6カ月以上かかる人もいます。
そのため「半年以上かかったらどうしよう」「3カ月で決まるのかな」など必要以上に不安を感じる必要はありません。自分の現在の状況を踏まえて、適切な転職スケジュールを立てることに専念しましょう。
※参考:厚生労働省.「令和2年転職者実態調査の概況」.“(3)転職活動を始めてから直前の勤め先を離職するまでの期間”.(参照2025-09-22)
【4ステップ】転職活動の一般的な流れと期間の内訳

転職活動の流れは、大きく4つのステップに分けられます。どのステップにどのくらいの期間がかかるのか、あらかじめ知っておくとスケジュール作成の参考になるでしょう。
ここでは転職活動の一般的な流れと、それぞれの期間の内訳をまとめました。
ステップ1:自己分析・情報収集(約2週間~1カ月)
初めの2週間~1カ月は、自分のスキルや強みを知るための自己分析と、応募先企業の情報収集や企業分析に費やします。これまでの経験やキャリアの棚卸しを行い、自分の長所や短所、譲れない条件、今後のキャリアプランなどを洗い出すことで、転職の軸が明確になります。
次に自己分析によって明らかになった転職の軸をベースに求人探しを行い、志望先企業の事業内容や経営方針、理念などをしっかりとリサーチしましょう。
自己分析と情報収集は転職後のミスマッチの防止に欠かせない要素ですが、あまり時間をかけ過ぎると転職活動の期間そのものが長引く可能性があります。そのため、上記で紹介した期間を意識して進めていくのがポイントです。

ステップ2:応募書類の準備~応募(約1カ月)
自己分析と情報収集を終えたら、応募に必要な履歴書や職務経歴書を作成します。
応募する際は、A社の結果が出てから次のB社へといったように一社ずつ進めていくのではなく、なるべく複数の企業に対して同時に応募するのがおすすめです。複数の企業を比較しながら転職活動を行うと、内定を複数の企業からもらったときに、より自分に合った職場はどちらかを比較しやすくなります。
また中途採用の求人は募集が早期に締め切られるケースも多く「後で応募しようと思ったら既に打ち切られていた…」という失敗が起こりやすいです。そのため、自分にマッチする求人だと思ったら早めに応募した方がチャンスを逃さずに済むでしょう。
なお書類は応募企業ごとに用意し、志望動機や自己PR、強みや特技などの使い回しは避けましょう。「いちいち表現を変えるのは面倒」と思うかもしれませんが、応募する企業が求める人材像に合わせた内容にすれば、よりピンポイントにアピールできます。
ステップ3:面接~内定獲得(約1カ月半)
一般的に書類選考を通過したら、採用面接が行われます。面接の回数は企業によって異なり、1回だけで終わるところもあれば、2~3回行われるケースもあります。
面接が複数回の場合でも、面接日程の調整がスムーズに進めば1カ月以内で内定に至ることはあるでしょう。しかし企業の選考プロセスによっては、さらに時間がかかる可能性も考えられます。このステップに要する期間は企業次第であるため、1カ月半という数字は一つの目安として考えておきましょう。
面接の結果を待つ間は他の企業の転職活動を進めておくと効率的ですが、並行して活動していると面接日程のダブルブッキングが起こりがちです。先方に迷惑がかかるのはもちろん、面接前にマイナスイメージを与える原因になるため、スケジュール管理はしっかり行いましょう。
ステップ4:退職交渉・入社準備(約1カ月半)
内定をもらったら、承諾するか辞退するかを決め、約1週間を目安に現職へ退職の意向を伝えましょう。退職する旨は直属の上司に伝え、退職届の提出や業務の引き継ぎなど、必要な手続きを進めていきます。
なお、転職の意向を伝えなければならないタイミングは会社によって規定が異なります。多くの会社は退職する日の1カ月以上前と定めていますが、思い込みで動かず、就業規則でルールを確認しておきましょう。併せて退職届の提出方法や、書類のフォーマットなどをチェックしておくことも大切です。
また内定先の企業には退職手続きや引き継ぎにかかる時間を踏まえて、正確な入職日を伝えましょう。
転職活動は在職中に始めるのが良い?
転職活動は、基本的に働きながら進めるのがおすすめです。ただし、在職中に転職活動を始める場合にもデメリットはあります。
ここでは、在職中と退職後それぞれのメリット・デメリットを解説します。
在職中に始めるメリット・デメリット
働きながら転職活動を始めるメリットは、安定した収入を得ながら活動を進めていける点と、職務経歴にブランク(無職の期間)が生まれない点です。
経済面の不安や、ブランクによるネックを抱えずに転職活動ができるのは大きなメリットになります。また現職と志望先を比較して、最終的に現職に残る選択肢が残されているのも、在職中に転職活動する利点の一つでしょう。
一方、デメリットは転職活動のための時間をなかなか取れないことです。また職場によっては現職の上司に引き止められて、退職の交渉がスムーズに進まないといったケースも考えられます。
退職後に始めるメリット・デメリット
現職を退職してから転職活動を始めるメリットは、時間に融通が利きやすい点です。転職活動に集中することで、自己分析や企業研究にじっくりと取り組むことができ、ミスマッチのリスクを減らせます。また内定が決まったらすぐに働ける状況であるため、人材を急募している企業から歓迎されやすくなります。
一方で、仕事を辞めると収入が不安定になり「働けるならどこでも良い」と妥協しやすくなる点はデメリットです。また、転職活動が想定以上に長引くと、職歴にブランクが生じてしまう懸念もあります。
以上の点から、転職活動はなるべく在職中に始めることをおすすめします。しかし心身に不調が現れている場合は早めに離職し、リフレッシュの時間を取ってから転職活動を始めるのも選択肢の一つです。
特にハラスメントが横行している場合や、過度な残業で体を壊している場合などは、退職してから転職活動を行うことを検討するのも良いでしょう。
要注意!転職活動が長引く4つの要因と対処法

転職活動が長引く要因は、以下の4つです。
・自己分析が曖昧で軸がぶれている
・応募書類・面接の準備が不十分
・スケジュール管理ができていない
・1社ずつ応募している
転職活動をスムーズに進めるためにも、それぞれの対処法を確認しておきましょう。
要因1:自己分析が曖昧で軸がぶれている
自己分析が不足していると、転職の軸(目的や目標)が曖昧になり、何を基準に企業を選べば良いか悩みやすくなります。企業を絞りきれないまま応募を始めると、書類作成や面接の準備などにも手間取る可能性があるでしょう。
自己分析は手間がかかるため、つい省略しがちです。しかしキャリアの棚卸しをして転職の軸をはっきりさせておいた方が、スムーズに応募先の企業を選べます。またミスマッチを防ぐことにもつながるため、転職を成功させるためにも、自己分析にはしっかりと注力しましょう。
要因2:応募書類・面接の準備が不十分
応募書類の準備や面接対策が不十分だと内定獲得につながらず、転職活動が長引く可能性が高まります。
書類選考や採用面接では「なぜその企業を志望したのか」「転職しようと思った理由は何か」「どのような形で企業に貢献できるか」といった観点で、企業にマッチした人材かどうかを判断されます。
そのため書類作成時には企業が求める人材像に合った内容を盛り込んだり、面接対策で自分を積極的にアピールできる受け答えの準備をしておきましょう。また自己PRや強み・特技では、具体的な数字を交えたエピソードなどを盛り込むことで説得力が増し、好印象につながりやすいです。
「応募書類の書き方が分からない」「面接でスムーズに受け答えできる自信がない」という場合は、転職エージェントを利用し、プロによる添削や面接対策などのアドバイスを受けるのもおすすめです。
要因3:スケジュール管理ができていない
転職活動のスケジュール管理がおろそかになるのも、活動期間が長引く要因です。
前述の通り、転職活動は複数のステップに分かれており、それぞれ一定の期間を要します。自己分析や書類作成の期間はある程度自分で調整できますが、書類選考や面接にかかる期間は企業によって異なります。
スケジュール調整がうまくいかず、活動期間が延びることもあるでしょう。活動期間が長引くとモチベーションを保ちにくくなったり、現職と並行して活動することへの負担を感じやすくなったりします。
転職活動を始めるときはあらかじめ「いつまでに転職する」と、先にゴールを決めておきましょう。設定したゴールから逆算してスケジュールを立てることで、計画的な転職活動につながります。
なお企業と面接の日程を調整するときは、遠慮せずに希望の日時や時間帯を伝えましょう。万が一スケジュールが合わなくなった場合は、なるべく早めに連絡し、再調整をお願いすることが大切です。また企業側が対応していればオンライン面接に切り替えてもらうのも一つの方法です。
要因4:1社ずつ応募している
先述のように、転職活動時に「まず1カ所に応募してみて、だめだったら次にいこう」と1社ずつ進めるのは効率的ではありません。特に最終選考で不採用になった場合、一から応募先を探さなければならなくなるため、大幅なタイムロスにつながる恐れがあります。スムーズに転職するためにも、複数社にまとめて応募し、並行して活動するのがおすすめです。
可能であれば、いくつかの企業で面接を経験した後、第一志望の面接を受けられるよう日程調整できれば、ある程度経験を積んでから本命の面接に臨めます。場数を踏むことによって緊張や不安が和らげば、本来の自分の力を十分発揮でき、面接を有利に進めやすくなるでしょう。
まとめ
転職活動の平均期間は3カ月前後といわれていますが、求職者の状況によって個人差があります。なるべくスムーズに、かつ短期間で転職活動を終わらせたいのなら「◯月までに転職する」と決め、逆算してスケジュールを組みましょう。
「仕事が忙しくて、十分に自己分析や企業研究できる気がしない」「面接で何を言ったら良いか分からない」といった不安がある方は、プロの力を借りられる転職エージェントの利用もおすすめです。
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