新卒3年目は転職するべき?メリットやデメリット、注意点を解説

最終更新日: 2025年10月24日
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Re就活編集部

新卒3年目は転職するべき?メリットやデメリット、注意点を解説

社会人3年目を迎え「このままで良いのかな?」とキャリアに悩み始めている方もいるでしょう。悩みの背景には、新卒時の就職活動や入社後でよく耳にする「3年以上は働くべき」という言葉があるのではないでしょうか。

しかし、世間でよくいわれる「とりあえず3年」という言葉に縛られる必要はありません。希望のキャリアやライフスタイルを実現するなら、3年目での転職を検討する価値は十分にあります。

本記事では、新卒3年目で転職を考える理由やメリット、注意点を解説しています。新卒3年目の転職市場でのリアルな立ち位置や、後悔しないために知っておきたいポイントを理解できるため、ぜひ最後まで読んでみてください。

目次

「とりあえず3年」はもう古い? データで見る新卒3年目の転職実態

なぜ新卒3年目で転職を考える? よくある5つの理由

新卒3年目が転職で得られる5つの強み

新卒3年目転職の4つのデメリット

「とりあえず3年」を続けた場合に考えられるリスク

後悔しないために! 新卒3年目の転職を成功させる5つのポイント

まとめ

「とりあえず3年」はもう古い? データで見る新卒3年目の転職実態

「新卒で入社した企業ではとりあえず3年は頑張るべき」「とりあえず3年働けば何か目標が見えてくる」などと言われたことはありませんか?

確かに3年働けば、ある程度のスキルが身に付いて社内で活躍できるかもしれません。しかし、成果主義の考え方が広まり、終身雇用が当たり前ではなくなった今、3年働くべきといった考え方は薄れつつあります。実際に、令和3年3月に大学を卒業した方のうち、入社3年以内に辞めた方の割合は34.9%で、割合は年々増加傾向にあり、3年以内での転職は決して珍しいことではありません(※)。

むしろ社会人3年目は、社会人基礎力と若さを兼ね備えているため、転職市場で求められている人材です。不利になるどころか、ポテンシャルと実務経験の両方を評価され、積極的に採用されるケースも少なくありません。

※参考:厚生労働省.「学歴別就職後3年以内離職率の推移」.“大学卒”.(2024-10-25)

なぜ新卒3年目で転職を考える? よくある5つの理由

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3年目で転職を考える理由で多く見られるのが、以下の5つです。

・キャリアアップをしたい
・やりがいが感じられない
・労働環境・条件に不満がある
・人間関係に悩んでいる
・企業の将来性に不安を感じている

 

キャリアアップをしたい

「さらに専門性を高めたい」「成長できる環境に行きたい」といったキャリアアップ志向の方は、今の職場では物足りなさを感じる場合があります。

例えば、業務の幅が広がらない、責任あるポジションを任せてもらえない、最新のスキルを学ぶ機会が限られているといった状況では、自分の成長スピードが停滞していると感じやすいものです。こうした背景から「より挑戦的な環境で力を試したい」と考え、転職を決意するケースは少なくありません。

やりがいが感じられない

とりあえず3年続けてみたものの「本当にやりたい仕事ではなかった」と思い、異業種に転職するケースもあります。

やりがいを感じられない理由は人それぞれですが、たとえば仕事内容が自分の適性や興味と合わない、将来のキャリアが描けないといった要素が挙げられます。この状態が続くとモチベーションが下がり、成長の機会も失われやすくなるため、自分の強みを生かせる新しい環境を求めて転職を決意する人が多いのです。

労働環境・条件に不満がある

長時間労働や給与、休日への不満など、労働条件に不満があって転職を考える方も多いようです。例えば、長時間労働の生活が続いている場合「プライベートを大切にしたい」「この生活をずっと続けるのは体力的に厳しい」と思うようになり、転職を検討し始めます。

人間関係に悩んでいる

人間関係にストレスを感じている場合も、転職を考え始めるきっかけになります。人間関係は仕事のパフォーマンスに直結するため、風通しの良い職場環境を求めて転職を検討する方が多いです。

企業の将来性に不安を感じている

さらに、企業の将来性に不安を感じて転職を考えるケースもあります。業界全体の先行きに希望が持てなかったり、企業の業績が悪化していたりする場合は、十分な給与が得られない可能性があります。

このように転職理由は人それぞれですが、どれも甘えではなく、社会人3年目を迎える方が抱えているごく自然な悩みです。転職を考えるのは、現在のキャリアに向き合っている証拠であり、決して間違った考えではありません。

新卒3年目が転職で得られる5つの強み

新卒3年目の転職で得られる5つの強みは、以下の通りです。

・第二新卒としてポテンシャル採用が狙える
・未経験の職種・業種へ挑戦しやすい
・社会人基礎力が身に付いている
・新卒時より視野が広がっている
・失敗を次に生かせる

1. 第二新卒としてポテンシャル採用に応募できる

新卒3年目の転職は、第二新卒としてポテンシャル採用枠を狙いやすいとされています。第二新卒とは、入社3年以内の若手人材です。

中途入社の場合、面接官はこれまでの経験やスキルを見て即戦力になるかどうかを判断するケースが多いです。しかし、第二新卒の場合は、経験やスキルではなく、若さや柔軟性、成長意欲を評価する傾向があります。そのため、これまでの環境で十分に力を発揮できなかった人でも、自分に合った職場でキャリアを築いていける可能性が高まります。

2. 未経験の職種・業種へ挑戦しやすい

未経験の職種・業種へ挑戦しやすいのも、新卒3年目に転職するメリットの一つです。

入社3年目の人材は、社会人としての基本的なマナーがある一方で、専門スキルが固まりきっていない傾向があります。そのため、ポテンシャル採用を重視する企業にとっては、未経験であっても育成しやすいと判断される可能性があるのです。

挑戦したい分野や職種、分野があるのであれば、なんとなく働き続けるよりも、第二新卒枠を活用して早めに動き出す方が良いでしょう。

3. 社会人基礎力が身に付いている

新卒3年目には、ビジネスマナーや報告・連絡・相談といった基本的な能力、ある程度のパソコンスキルが備わっています。まだ経験が浅いとはいえ、3年の社会人経験があることで、企業は「一から教える必要がない」と判断する傾向があります。結果として、教育コストを抑えつつも早期に戦力できる人材として高く評価されやすいのです。

転職する業界によって求められるスキルは異なりますが、前職で身に付けた社会人基礎力は、どの業界でも共通して求められるスキルです。

4. 新卒時より視野が広がっている

社会人経験を重ねる中で、仕事や働き方に対する考え方に少しずつ変化が生まれる人も少なくありません。特に入社から数年経つと、現場での経験を通じて、自分にとって何が向いていて、何にストレスを感じやすいかが見えてくることがあります。

例えば、新卒時には「人と話すのが好きだから営業職が向いているはず」と考えていたものの、実際に働いてみるとノルマや数字へのプレッシャーに悩まされるケースもあります。

こうした経験を経て、自分の得意・不得意や価値観をより現実的に捉えられるようになるため、転職の際にはより納得感のある企業選びがしやすくなるでしょう

5. 失敗を次に生かせる

新卒での就職活動の反省点を踏まえ、より戦略的に転職活動を進められるのもメリットです。

例えば、新卒時には企業研究が不十分だったり、雰囲気やイメージだけで志望先を決めてしまったりといった反省点がある場合、それを踏まえて次の転職ではより慎重に情報収集や自己分析を行えるようになります。こうした経験の積み重ねが、より納得感のある選択や職場とのミスマッチの回避につながっていくのです。

新卒3年目転職の4つのデメリット

新卒3年目で転職する際は、前述したメリットだけではなく、以下のようなデメリットもあります。事前に知っておき、対策できる部分は手を打っておきましょう。

・即戦力を求める求人には応募しにくい
・「長続きしないのでは?」と懸念されやすい
・即戦力を求める求人には応募しにくい
・一時的に年収が下がる可能性がある
・新卒のような手厚い研修は期待できない

1. 「長続きしないのでは?」と懸念されやすい

新卒3年目での転職活動では、採用担当者から「すぐ辞めてしまうのではないか」と思われる可能性があります。

企業は、長く安定して働ける人材を求めています。そのため、入社3年以内の早期離職は、仕事に対する忍耐力や意欲を疑われる傾向があるのです。

ただし、退職理由や転職の目的を明確に伝えられれば、そうした懸念を払拭できます。面接時には「スキルアップをしたい」「未経験の業界に挑戦して視野を広げたい」などと、前向きな言葉を使って退職理由を説明しましょう。

2. 即戦力を求める求人には応募しにくい

新卒3年目は経験やスキルが十分でないと判断される傾向があるため、即戦力を求める求人には応募しにくいデメリットがあります。例えば、法務やマーケターなどの職種は、3年未満の経験では採用されにくい場合があります。

企業によって採用基準は異なりますが、専門職を目指している場合は、3年以上の実務経験を積んでからチャレンジした方が有利に働くでしょう。

3. 一時的に年収が下がる可能性がある

一時的に年収が下がる可能性がある点にも注意しましょう。特に未経験の業界や職種に挑戦する場合、スキルや実績が不足していると見なされ、前職よりも低い給与でのスタートになる可能性があります。

給与を上げるために転職しても、前職より年収が低ければ生活水準が下がる場合があります。転職先を選ぶ際は、給与だけでなく、将来的な成長機会やスキルの習得といった観点からもバランスよく判断することが大切です。

4. 新卒のような手厚い研修は期待できない

新卒3年目で転職した場合、新卒のような手厚い研修はあまり期待できません。3年間の社会人経験があれば、ある程度のビジネスマナーやスキルは既に身に付いていると見なされるためです。転職先で戦力になるには、必要なスキルや知識を自ら学びにいくことが大切です。

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「とりあえず3年」を続けた場合に考えられるリスク

現職での課題を感じつつも「目標もないし、とりあえず3年続けよう」と働き続ける方もいます。しかし、なんとなく3年続けることで、かえってキャリアの選択肢が狭まってしまう場合があります。

ここでは「とりあえず3年」を続けた場合に考えられるリスクを見ていきましょう。

第二新卒枠を活用できなくなる

入社3年を超えると、第二新卒向けの求人の応募要件に当てはまらないケースも出てくるため、ポテンシャル採用が狙いにくくなります。前述の通り、第二新卒は、経験やスキルよりも仕事への意欲や考え方を重視される傾向があります。新卒と同じような採用基準で判断されやすいため、未経験分野にチャレンジしやすいです。

しかし、4年目以降は即戦力になるかどうかを見られるケースが多いため、未経験分野へのキャリアチェンジのハードルが格段に上がる可能性があります。

専門スキルが身に付かないまま年を重ねてしまう

成長の機会が少ない職場に長くとどまっていると、新しいスキルや経験を積むことが難しくなり、いざ転職を考えたときに希望するポジションに必要なスキルが不足している、という状況に陥ることがあります。

仕事を続けていれば安定的な収入が入るため、経済的な不安を抱えるケースは少ないかもしれません。しかし、なんとなく3年続けてスキルを磨かないままだと、いざ転職を考えたときに選べる求人が限られる可能性があります。

「今はまだ若いから」と思っていても、タイミングを逃すことでキャリアチェンジの機会を失う可能性があります。

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後悔しないために! 新卒3年目の転職を成功させる5つのポイント

新卒3年目の転職を成功させるには、以下の5つのポイントを頭に入れておきましょう。

・「なぜ転職したいのか」の軸を明確にする
・「不満」を「希望」に変換しポジティブに伝える
・「第二新卒」の強みを最大限に生かす
・念入りな企業研究でミスマッチを防ぐ
・転職エージェントを賢く利用する

1. 「なぜ転職したいのか」の軸を明確にする

転職はゴールではなく、自分の希望のキャリアやライフスタイルを実現するための手段に過ぎません。そのため、目的を最初に決め、転職で何を実現したいのかを言語化することが大切です。

具体的には、以下の項目を明確にしてキャリアの棚卸しをします。

・やりたいこと(興味があること)
・やりがいを感じたこと
・得意なこと
・苦手なこと
・辛かったこと
・褒められたこと

上記を書き出すことで、自分の希望の職場環境やキャリアが少しずつ見えてきます。書き出したら、やりたいことが実現できる業種や得意なことが生かせる職場は何かを考え、転職の軸を明確にしましょう。

2. 「不満」を「希望」に変換しポジティブに伝える

転職理由に前職への不満があったとしても、できるだけ前向きな言葉に変換して伝えるようにしましょう。採用担当者の「また早期離職するのではないか」といった不安を払拭するためです。

以下は、よくあるネガティブな転職理由とポジティブな伝え方をまとめたものです。

ネガティブな転職理由 ポジティブな伝え方
給与が低い 成果を正当に評価してくれる環境で働きたい
残業が多い メリハリを付けて働き、自己投資の時間を確保して企業に貢献したい
人間関係がうまくいかなかった チームで協力しながら目標に取り組みたい
思うようなキャリアアップができなかった より専門性を高められる環境でスキルを磨きたい

 

3. 「第二新卒」の強みを最大限に生かす

第二新卒の強みは、大きく分けて3つあります。

・若さ・柔軟性
・社会人基礎力(ビジネスマナー・報連相など)
・高い学習意欲

前職で大きな実績がなくても、これらの3つを職務経歴書や面積でアピールすれば、採用される可能性は十分にあります。

例えば、高い学習意欲をアピールしたいときは「未経験分野への挑戦にはなりますが、前職で培った〇〇を生かし、貴社の〇〇の業務に貢献したいです」などと、職務経歴書に記載すると良いでしょう。

4. 念入りな企業研究でミスマッチを防ぐ

企業研究は念入りに行いましょう。企業研究を十分に行わないまま入社してしまうと、実際の働く環境や社風が想像していたものと異なり「思っていた職場と違う」と感じることがあります。そうしたギャップがストレスとなり、早期退職につながってしまうケースも少なくありません。

企業のWebサイトや求人票だけではなく、社員の口コミやSNSなどで情報収集をしましょう。特に社風はテキストでは分かりにくいため、可能であれば、OG・OB訪問で社員のリアルな声を聞くのがおすすめです。

評価制度が気になる方は、面接時に「どのような点が評価の対象になりますか」と質問すると良いでしょう。

5. 転職エージェントを賢く利用する

初めての転職で失敗しないためには、転職エージェントを賢く利用するのがおすすめです。求人紹介だけではなく、履歴書や職務経歴書の書類添削、面接対策まで幅広くサポートしてくれるため、一人で進めるよりも効率よく転職活動を進められます。

また転職活動の軸が定まっておらず、どのように準備するか分からないときでも、キャリアの棚卸しや自己分析の段階から無料で相談に乗ってくれるのも心強いポイントです。特に第二新卒は、社会人経験が浅い分、自分の強みや市場価値を客観的に把握しにくいこともあります。だからこそ、第二新卒向けの支援に特化した転職エージェントを活用することで、自分に合った求人との出会いや、選考対策の精度も高まりやすくなります。新卒3年目の転職を成功させるためにも、こうしたサービスをうまく活用してみましょう。

まとめ

新卒3年目での転職は、より良いキャリアを築くための選択肢の一つです。「とりあえず3年」という言葉に振り回されず、本記事で紹介した転職のメリット・デメリット、成功のポイントを参考にしながら、自分のキャリアとしっかり向き合いましょう。

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