年収は業種によって大きく異なります。同じ時間働いても、選ぶ仕事によって得られる収入は大きく変わる可能性があるのです。
本記事では「さらに年収を増やしたい」「労力に見合った報酬を得たい」と考えている方に向けて、年収が高い職業30選をランキング形式でまとめました。
上位にランクインしている職業の特徴や、未経験者でも高収入を目指せる職業、さらに高収入を狙うためのコツも紹介しています。本記事を読めば、自分のキャリアを見つめ直し、年収をアップさせるための第一歩となるでしょう。
現在の年収に不満がある方、さらにキャリアアップをしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
【この記事で分かること】
・一般的に、年収850万円以上が「年収が高い」とされることが多い
・航空機操縦士や大学教授、医師など、専門的な資格や免許、知識を持っている職業ほど高年収となっている
・未経験・無資格でも、必要なスキルや語学力を磨き、歩合制やインセンティブ制度を導入している企業に転職すれば高収入を狙える

目次
そもそも「年収が高い」とは、いくらから?
年収が高い職業30選
ランキング上位に多い職業の特徴
未経験が高年収を狙える可能性のある職業
未経験から高年収を狙うためのポイント3つ
まとめ
そもそも「年収が高い」とは、いくらから?
「年収が高い」の基準は人によって異なります。さらに、年齢や性別によっても平均年収は異なるため、一概に「◯◯円以上は年収が高い」ともいい切れません。
日本では収入金額が850万円を超えると、給与所得控除額が一律195万円で固定されます(※1)。それ以上は収入が増えるほど税負担も大きくなるため、年収850万円を超えることが高収入となされる一つの目安になっています。
なお、令和5年度の給与所得者の平均給与は460万円ですが、年齢による差が大きく、20~24歳の平均年収は267万円、25~29歳では394万円でした(※2)。
また令和6年度の「賃金構造基本統計調査」を見ると、20~24歳の分布は月収10万~20万円台に集中しています。そのため、月収30万円(年収360万円)を超えれば一般的に高収入と考えられます(※3)。
同様に、25~29歳では10万~30万円台に集中していることから、月収40万円(年収480万円)あれば、高収入と見なせるでしょう。
※1参考:国税庁.「給与所得者と税」.(参照 2025-09-20)
※2参考:国税庁.「令和5年分民間給与実態統計調査」p12.p25.(参照 2025-09-20)
※3参考:e-Stat.「令和6年賃金構造基本統計調査 学歴、年齢階級、勤続年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額 産業計」.(参照 2025-09-20)
年収が高い職業30選
令和6年度の「賃金構造基本統計調査」を基に、年収が高い職業を30種類選びました(※)。年収は月収(所定内給与額) × 12カ月 + 年間賞与で計算しています。
| 順位 |
職業 |
平均年収 |
| 1 |
航空機操縦士 |
1,636万2,300円 |
| 2 |
医師 |
1,200万8,500円 |
| 3 |
歯科医師 |
1,118万4,800円 |
| 4 |
大学教授 |
1,088万9,900円 |
| 5 |
その他の経営・金融・保険専門職業従事者 |
878万7,400円 |
| 6 |
大学准教授 |
876万3,700円 |
| 7 |
獣医師 |
849万6,200円 |
| 8 |
公認会計士、税理士 |
796万8,600円 |
| 9 |
法務従事者 |
729万5,100円 |
| 10 |
小・中学校教員 |
713万2,200円 |
| 11 |
電気・電子・電気通信技術者(通信ネットワーク技術者を除く) |
702万4,000円 |
| 12 |
研究者 |
700万500円 |
| 13 |
システムコンサルタント・設計者 |
693万7,700円 |
| 14 |
大学講師・助教 |
689万9,600円 |
| 15 |
高等学校教員 |
667万8,700円 |
| 16 |
企画事務員 |
653万9,900円 |
| 17 |
著述家,記者,編集者 |
638万400円 |
| 18 |
輸送用機器技術者 |
632万1,800円 |
| 19 |
販売類似職業従事者 |
627万3,000円 |
| 20 |
機械器具・通信・システム営業職業従事者(自動車を除く) |
616万3,400円 |
| 21 |
機械技術者 |
612万4,200円 |
| 22 |
鉄道運転従事者 |
591万1,500円 |
| 23 |
その他の情報処理・通信技術者 |
584万6,600円 |
| 24 |
建築技術者 |
584万5,200円 |
| 25 |
その他の営業職業従事者 |
583万7,600円 |
| 26 |
航空機客室乗務員 |
580万5,900円 |
| 27 |
発電員,変電員 |
578万9,600円 |
| 28 |
金融営業職業従事者 |
578万8,000円 |
| 29 |
薬剤師 |
570万7,600円 |
| 30 |
化学技術者 |
562万5,300円 |
上記の一覧表の中にある「経営・金融・保険専門職業従事者」とは、経営計画や財務計画、生産管理、資材購買管理、労務管理などに関する相談を受けたり、指導を行ったりする職業です。
一例として、経営コンサルタントや中小企業診断士、経営指導員などがこれに該当します。
また「機械器具・通信・システム営業職業従事者」とは、通信回線や機械器具などの利用・販売を促す営業を行う職業のことです。一例を挙げると、通信回線営業部員や通信機械器具営業部員、システム営業部員、通信やシステムに関わるセールスエンジニアなどがこれに該当します。
※参考:e-Stat.「職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」.(参照 2025-09-20)
ランキング上位に多い職業の特徴

ランキング上位に多い職業には、以下4つの特徴が見られます。
・専門性と希少性が高い
・大きな責任が伴う
・個人の成果が年収に反映される
・成長分野および生活に不可欠な産業
それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
専門性と希少性が高い
上位にランクインしている職業では、多くの場合、特定の分野に特化した高度なスキルや専門知識の習得が必要です。
例えば航空機操縦士や医師、薬剤師などは、所定の試験に合格して免許や資格を取得しなければなりません。また大学教授や研究者には、その分野における高度な知識・スキルを持っていることが求められます。
免許・資格取得のための試験は難関でハードルが高い上、職業によっては実務経験が必須だったり、入職後も常に最新の知識を学び続けたりする必要があります。これらの条件を全てクリアしている方は希少性が高いため、待遇も良い傾向にあるのです。
大きな責任が伴う
高収入の職業に就いている人のほとんどは、仕事上で大きな責任を負っています。例えば航空機操縦士や医師は、人命を預かる仕事です。
また経営コンサルタントや中小企業診断士などは、クライアントである企業の事業継続に必要なアドバイスを提供しており、その支援が企業の命運を左右することもあります。
このように重大な責任を伴う仕事は大きなプレッシャーを伴いますが、労力に見合った高収入を得られるケースが多いようです。
個人の成果が年収に反映される
基本給だけに留まらず、ノルマ達成でインセンティブが支給される職業や、歩合制が導入されている仕事はプラスアルファの恩恵が大きい分、高収入になりやすい傾向にあります。
例えば、保険勧誘員などの保険営業職業従事者や、セールスエンジニアなどを含む機械器具・通信・システム営業職業従事者は、受注数や成約数などに応じてインセンティブが支給されることが多いです。そのため、基本給にインセンティブが上乗せされる形でトータルの給与が高くなりやすいようです。
このタイプの職業は個人の成果がダイレクトに年収に反映される分、やりがいを感じるというメリットもあるでしょう。
成長分野および生活に不可欠な産業
現代の生活に欠かせない産業や、成長が著しい業界は一般的に高収入の傾向にあります。
例えば、現代ビジネスに欠かせないIT戦略に関わるシステムコンサルタント、ソフトウェア作成者、生活インフラに関連する建築技術者、発電員・変電員などは社会的な需要が高い分、待遇も良いケースが見られます。
未経験が高年収を狙える可能性のある職業
高年収の職業は高い専門性や特定の資格・免許などを求められるケースが多いですが、一方で未経験でも高年収を狙える可能性のある職業もあります。
「何の資格も専門スキルもないから高年収は無理かな…」と諦めず、以下の業種・職種で年収アップを狙ってみましょう。
営業職
営業職は特別な学歴や資格がなくても従事できるため、無資格・未経験でも高収入を狙える職種の一つです。特に歩合制やインセンティブ制度を導入している企業では、成果に応じて基本給に追加報酬が支給されるので「若いうちから高収入を目指したい!」という方にとってやりがいのある仕事となるでしょう。
営業職にはコミュニケーション能力やヒアリング力、論理的思考力、プレゼンテーション力、マーケティング能力などが求められるため、これらのスキルに自信がある方は営業職で活躍してみてはいかがでしょうか。
IT関連職
プログラマーやシステムエンジニアなど、IT関連職を目指すのも一つの方法です。
IT関連職というと「難しい知識や技術が必要なのでは?」と不安に感じる方も多いと思いますが、IT業界は技術進歩が速い分、慢性的な人手不足に陥っており、未経験でも熱意や成長意欲のある人材を好待遇で迎えたいと考えている企業は少なくありません。
特にAI(人工知能)やデータサイエンス(データを分析し、有益な知見を見出す分野)は今後ますます発展していくことが予想されるため、年収を高めに設定して人材を募集しようという企業も多いようです。
IT関連職にはITに関する知識や技術が求められますが、必要なスキルの習得に努めれば、将来的に高い年収を期待できるでしょう。
未経験から高年収を狙うためのポイント3つ

未経験から高収入を狙うには、3つのコツを押さえておくのが大切です。
・専門的なスキルや技術を習得する
・業界や職種を問わず役立つスキルを磨く
・語学力を鍛える
それぞれのポイントについて深掘りしていきましょう。
専門的なスキルや技術を習得する
専門的なスキルや技術を習得すると、自分の市場価値を高められます。特に取得のハードルが高い資格は、その分野で専門的な知識・スキルを持っている希少価値の高い人材として重宝される傾向にあります。
例えば、不動産業界なら宅建(宅地建物取引士)、金融業界ならFP(ファイナンシャルプランナー)、IT業界ならITパスポートやAWS認定などを取得しておくと、転職の際の強みになるでしょう。
またシステムエンジニアやコンサルタントは専門性の高い職業ですが、特別な資格は必要ないため、必要なスキルさえ磨けば未経験でも入社可能です。
業界や職種を問わず役立つスキルを磨く
業界や職種に関係なく役立つ「ポータブルスキル」を磨けば、未経験であっても戦力になると判断され、高年収の職業で採用されやすくなります。特にビジネスで重宝されるポータブルスキルには以下のようなものがあります。
・コミュニケーション能力
・課題解決力
・チームワーク
・リーダーシップ
・論理的思考力
・柔軟性
・実行力
これらの能力を持っている人は現場で即戦力として活躍しやすく、歩合制やインセンティブ制度を導入している企業で成果を挙げれば高年収を狙えるでしょう。
「強みになるポータブルスキルがない…」という方も諦める必要はありません。研修やセミナーに参加したり、書籍やインターネットなどで習得方法を調べたりすれば、これらのスキルを養うことは十分に可能です。
語学力を鍛える
現代ビジネスはグローバル化が進んでいるため、英語をはじめとする語学力を身に付けていると市場価値がぐんと高くなります。特に外資系企業やIT業界、航空業界などでは外国語を使用するシーンが多いので、語学力のある人材は重宝されます。
語学力はテキストや参考書を用いた独学の他、英会話教室に通う、オンラインレッスンを受けるなどの方法で習得できるため、自分に合った方法を選びましょう。「忙しくて勉強の時間が取れない」という方は、手軽に使える英語学習アプリなどを使ってすき間時間で学習してみても良いかもしれません。
なお、TOEICやIELTSなどの試験を受けて自分の語学力を可視化しておけば、履歴書でアピールできるようになります。
まとめ
一般的に高収入といわれる職業は、高い専門性や大きな責任を伴うケースがほとんどです。ただし、未経験であっても必要なスキルを身に付け、歩合制やインセンティブ制度がある企業に入社すれば、若いうちから高年収を目指すこともできます。
近年では、未経験・無資格でも好待遇で採用したいと考えている企業も増えてきているため、専門的な知識やスキル、語学力などを磨きながら、高収入を目指せる企業にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
Re就活エージェントでは、キャリアアップを目指す方の求人探しから応募書類の作成、面接対策まで全面的にサポートしています。未経験から挑戦できる求人の紹介や、転職のプロへのキャリア相談も行えるため、まずは無料の会員登録を行い、自分の可能性を広げる第一歩にしてみてください。
