近年注目されている「第二新卒」。でも、実際いつまでを指すのか、どのような点で注目されているのかが分からないと思っている方もいるでしょう。このコラムでは、第二新卒の定義や、第二新卒を採用する上で企業が感じている魅力や懸念点、第二新卒での転職を成功させるポイントについてご紹介します。
目次
第二新卒っていつまでの人を指す?
第二新卒での転職は厳しい?
第二新卒で転職するメリット
第二新卒で転職するデメリット
第二新卒の転職理由5選
第二新卒での転職がうまくいく人の特徴
第二新卒の転職で失敗する主な要因
企業が第二新卒に感じている魅力と懸念点
第二新卒での転職を成功に導く5つのポイント
第二新卒っていつまでの人を指す?
「第二新卒」という言葉に明確な定義があるわけではなく、「〇歳までが第二新卒」と一概に年齢で決められているものでもありません。ただ、一般的には「新卒で入社してから3年以内の若手社会人」を指すことが多いです。
第二新卒での転職は厳しい?
第二新卒は、一般的な新卒とは区別されるため、「転職は難しいのではないか?」と考える人もいるかもしれません。
しかし、第二新卒は前職で基本的なビジネスマナーを習得していることが多く、年齢も20代と若いことから、企業にとっては育成の手間やコストがかからないポテンシャルのある人材だと見なされる傾向にあります。未経験の業界や職種に対してもスムーズな順応を期待できるため、企業の中にはあえて第二新卒を積極的に採用しているところもあります。
以上の点から、第二新卒は新卒に比べて不利ではなく、上手にアプローチすれば、有利に転職活動を進められるといえるでしょう。実際、前職で培ったスキルを生かして転職し、年収アップを実現した人もいます。
第二新卒で転職するメリット
前述したように、第二新卒には新卒や30代以降の中途採用者とはまた違った面でポジティブな要素が複数あり、有利な条件で転職を進められる場合があります。
第二新卒で転職する主なメリットは以下の3つです。
第二新卒は転職市場での需要が高い
第二新卒は、転職市場での需要が高まっています。現代日本は少子高齢化に伴う労働生産人口の減少から、産業を問わず慢性的な人手不足が深刻な問題です。実際に、人手不足に悩む企業は増加傾向にあり、優秀かつ即戦力となる人材の確保は企業の大きな課題となっています。
そこで近年注目されているのが第二新卒の採用です。第二新卒は既に一定の社会人経験を有しており、入社後の基本的なマナー研修を省略できるケースも多いです。基本的なビジネスマナーを持つ人材は現場でも活躍しやすく、企業にとっては育成にかかるコストと手間をかけずに、足りない人手を補えるという一石二鳥の効果を期待できます。
特に新卒採用で十分な人手を確保できなかった企業にとっては、第二新卒は補完的な人材として転職市場で重宝される傾向にあります。
未経験職への転職も可能
第二新卒は、未経験職への転職が可能なことも多いです。第二新卒の大半は25歳前後であり、若く、伸びしろやポテンシャルがある人材と見なされます。また前職での勤務年数が少ない分、特定の企業の社風に染まっていない状態です。
以上の点から、第二新卒は企業側から「新しい環境への柔軟性が高い人材」と見なされ、これまで経験したことのない業界や業種でも採用してもらいやすい傾向にあります。
さらに、一度他の業種を経験すると、自分の社会人としての適性やスキルを把握できるようになるでしょう。「このような仕事にチャレンジしてみたい」「この業種に適性がある」と分析した上で未経験職に挑めるため、企業とのミスマッチが起こりにくくなる利点もあります。
即戦力となることは期待されていない
第二新卒は、即戦力となることは期待されていない傾向にあります。一般的な新卒よりも社会人経験はありますが、勤務経験はまだまだ浅いためです。仕事について一から教える姿勢の企業も多いため、未経験の業種・職種に転職したとしても、過度なプレッシャーがかかることはあまりないでしょう。
第二新卒で転職するデメリット
第二新卒で転職するとさまざまなメリットがある一方、デメリットも存在します。良い面だけに目を向けていると後悔する可能性があるため、デメリットもきちんと把握しておきましょう。
基本的なビジネスマナーが求められる
第二新卒はある程度の社会人経験があることを前提として採用されるため、入社した時点で基本的なビジネスマナーを習得していることが求められます。
基本的なビジネスマナーの例は以下の通りです。
・電話対応ができる>・基本的なあいさつ・言葉遣いができる
・電話対応ができる
・メールの正しい書き方を知っている
・名刺交換の作法を知っている
・社会人としての身だしなみを意識している
・報・連・相ができる
これらはビジネスパーソンの基本的なマナーであるため、第二新卒として入社した場合、新卒ほど手厚い教育・指導の機会は期待できない傾向にあります。もしビジネスマナーに不安がある場合は、転職活動を始める前に自分でスキルやマナーを習得しておきましょう。
入社してもすぐ辞めてしまうのではないかと懸念される
企業側は自社でできるだけ長く活躍してくれる人材を求めており、早期離職は大きなリスクです。
実際に面接では、なぜ前職を辞めたのか、そして長期的に働く意欲があるかといった質問をされる可能性が高いため、辞めた理由や働く意欲について論理的に説明する準備を整えておきましょう。
転職理由や志望動機が曖昧なままだと、早期離職のリスクが高いと判断され、採用を見送られる可能性があります。
第二新卒の転職理由5選

第二新卒が「転職したい」と思う理由はさまざまですが、多くの人は仕事内容や待遇、人間関係などに不満を感じているようです。また将来を考えて、ステップアップや職種の変更を目指す方も多い傾向にあります。
ここでは第二新卒が転職を考える主な理由を5つピックアップしてご紹介します。
やりがいのある仕事がしたい
「やりがいのある仕事がしたい」という理由で転職する人は多いです。
新卒で入社したものの、実際に働いてみると「思っていたのと違った」と感じ、やりがいを感じられないケースも少なくありません。仕事に対してやりがいを感じられないと、モチベーションや業務効率の低下につながり、思ったような成果や業績を上げられない可能性があります。
入社してすぐに見切りを付けるのは早計ですが、半年、一年と経過しても強い違和感を覚えたり、どうしても興味を持てなかったりした場合は、やりがいを求めて転職するのも方法の一つです。その場合、次の転職先を探す前に入念な自己分析を行い、改めて自分の適性やスキルを洗い出した上で、興味・関心のある業種や職種を検討することをおすすめします。
給料・年収を上げたい
給料や年収、昇給までのスピードに不満を感じ、転職を決意するケースも考えられます。
新卒で入社するときは、多くの人が待遇よりも仕事の内容や社風を重視しがちです。しかし、入社後に仕事に慣れてくると、給料の少なさゆえに生活面の不安を感じる人も多いでしょう。特に住居費や物価の高い首都圏で1人暮らしを始めた人や、奨学金の返済がある人は経済的な負担が大きいため、給料や年収アップを目指して転職を検討するケースもあります。
近年は従来の年功序列型の待遇ではなく、実績やスキルを評価して報酬に反映するスタイルの企業も増えてきました。「どんどん成果を上げて若いうちから高い報酬を得たい」と考えている方は、成果に応じて給与がアップするような評価制度のある会社に目を向けてみるのも良いでしょう。
前職の人間関係が悪かった
前職の人間関係も、転職を考える理由の一つです。上司との相性が悪い、先輩との関係がぎくしゃくしているなど、人間関係に何らかの不満があると「辞めたい」「転職したい」と思う人が多いようです。
中にはいじめやパワハラ、孤立など深刻な事例もありますが、単純に「職場の雰囲気になじめない」「価値観・社風が合わない」などの理由で居心地の悪さを感じるケースも少なくありません。特に職場の風通しが悪いケースや、人間関係について相談しにくい雰囲気がある会社は状況を変えることが難しく、環境を変えたいと考えるきっかけになるようです。
人間関係に起因するストレスは、場合によっては心身に不調を来す原因になるため、問題が長引きそうな場合は我慢せずに転職を検討するのも選択肢の一つです。
市場価値を高め、ステップアップしたい
現職でこれ以上のスキルアップ、キャリアアップが難しいと感じた場合、自身の市場価値を高め、ステップアップするために転職を考える人もいます。
特に評価制度が曖昧な会社や、年功序列型の待遇を採用している企業では、若手社員は正当に評価されにくく、今後のキャリア形成に不安を感じやすくなります。若いうちは新しい環境への柔軟性も高いため、現在の会社の評価制度に不満がある場合や、自身のスキルや強みを生かせる場所で働きたいと感じる場合は、転職するのも良いでしょう。
職種を変えたい
新卒として入社した会社で働いてみた結果、本当にやりたい仕事に気付き、職種を変えるパターンはめずらしくありません。
例えば、営業として入社したけれど企画の仕事に興味を持ったケースや、事務職として採用されたもののエンジニア職に憧れるようになったケースなどが考えられます。これは、入社後に培った社会人経験を基に自己理解が進み、自分の適性や興味・関心の対象が明確になるからです。
第二新卒での転職がうまくいく人の特徴
第二新卒での転職がうまくいく人には、いくつか共通する特徴があります。転職に成功する人の共通点を参考に、これから行うべきことや、見直すべきポイントのチェックが大切です。
ここでは第二新卒での転職がうまくいく人の主な特徴を3つご紹介します。
働いて気付いた自身の適性や興味を踏まえてキャリア選択をしている
第二新卒の転職に成功した人の多くは、前職で働いて気付いた自身の適性や興味を踏まえて、キャリア選択や転職を行っています。
新卒時は企業の規模や知名度などを基準に応募先を決めがちなため、実際に働き始めてから自分の適性や興味・関心を抱く対象に気付くことがあります。
前職での失敗を踏まえつつ、自分の適性に合っている会社や興味を持てる仕事を探した人は、面接などで説得力のある志望動機や自己PRを伝えられるため、転職活動で有利です。
明確な転職後のビジョンがある
企業はできるだけ長く活躍できる人材を求めているため、明確な転職後のビジョンがある人は高い評価を得られます。
「現職に不満があるからとりあえず環境を変えたい」といった後ろ向きな理由ではなく、「転職先で◯年後には新商品の開発に携わりたい」「将来は◯◯の資格を取得し、その道のプロフェッショナルとして成長したい」など、具体的なビジョンを掲げている人は、その職場で実際に働いて活躍している姿をイメージしやすく、面接でも好印象を与えられるでしょう。
譲れない条件を明確にしている
転職活動を行うに当たって、譲れない条件を明確にしている人は職探しの軸がぶれにくく、理想の職場を探しやすい傾向にあります。
譲れない条件は人によって異なるため、まずは自己分析を行い、職場に求める要素をリストアップするのがおすすめです。例えば、自宅から近い場所が良い、残業が少ないところが良い、社風を重視したい、キャリア支援制度があるところを選びたいなどです。
全ての条件を満たすところを探すのが難しい場合は、譲れない条件に優先順位を付け、候補先を絞り込んでいくと探しやすくなります。
第二新卒の転職で失敗する主な要因
「何度も採用面接を受けているけど失敗してばかり…」という人は、転職活動の仕方を間違えているかもしれません。やみくもに応募するのではなく、一度立ち止まって、転職活動がうまくいかない理由についてじっくり考え、対策を練ってみましょう。
ここでは第二新卒の転職で失敗する主な要因を2つご紹介します。
応募先企業が求める要件を満たせていない
ポテンシャル採用に力を入れている会社であっても、実際には基本的なビジネスマナーやスキル、業界に関する知識は求められるため、面接を受ける際はあらかじめ企業研究を行ったり、職種に関する理解を深めたりしておくことが大切です。
企業研究では、特にどのような人材を求めているのかをリサーチし、自身の強みや特性にマッチしているかどうかを精査することが大切です。
早期離職の理由を説明できない
第二新卒の転職活動では、前職を退職した理由を尋ねられることが多いです。早期離職の理由を明確に説明できなかったり、後ろ向きな理由をそのまま伝えてしまうと、採用される確率が低下します。なぜなら、転職先でも同じような問題が発生した場合、再び早期離職するリスクが高いと見なされる可能性があるためです。
たとえ離職原因が人間関係や社風にあったとしても、職場になじめなかった、何となく合わないと感じた、などの曖昧な表現は避け、例えば前職の給料に不満がある場合は、単に「給料が安かったから」ではなく、「より明確な評価制度が整っている環境で働きたいと思った」と表現してみるのがポイントです。
企業が第二新卒に感じている魅力と懸念点

社会人経験が短いため、アピールできる実績やスキルが少ない第二新卒での転職は難易度が高いと思っている人もいるでしょう。ですが、第二新卒の魅力をしっかりとアピールし、企業が採用する上で感じている懸念点を払拭することで、納得できる企業への内定につながります。なので、この章では企業が第二新卒に対して感じている魅力と懸念点を見ていきましょう。
第二新卒に感じている魅力
基本的に企業は第二新卒を「ビジネスマナーの基礎を備えたポテンシャルの高い人材」として捉えています。そのため、新卒の採用人数に到達しなかった際にその代わりにもなり得る存在であったり、新卒よりも教育コストがかからなかったりするなどの理由から、第二新卒を求める傾向が多くなってきています。
選考中に評価するポイントについても、「実績」や「スキル」ではなく、今後どれだけのびしろがあるかなど「ポテンシャル」という観点を重視している企業が多いです。なので、企業への志望度や仕事に熱意を持って取り組めること、社会人の基本となる「言葉遣い」や「振る舞い」などが身についていることもアピールできるポイントとなります。
第二新卒に感じている懸念点
それは、ずばり、「採用してもまた辞めてしまうのでは」という点です。また、採用コスト面や教育コスト面を考えると、人事担当者としては自分の会社で長期間働いてほしいと思っているので、「退職を繰り返さないか」という点が重要になります。この懸念点を払拭するためには、短期間で退職することになった理由を言語化し、前職での反省点を生かして今後どのように改善し頑張っていこうと思っているのかなどを伝えられるようにしておきましょう。
第二新卒での転職を成功に導く5つのポイント
第二新卒での転職活動を納得いくものにするために、転職を進める上で知っておくべき5つのポイントをご紹介します。
1.転職の目的をはっきりさせる
第二新卒に限ったことではありませんが、転職の目的を明確にすることが重要になります。転職したい理由や、転職してかなえたいことを事前に考えておくと、次はどのような企業で働きたいかも見えてくるようになります。転職後のミスマッチを防ぐことにつながるので、しっかりと考えておきましょう。
2.入社希望時期から逆算して転職活動を行う
一般的に転職活動は内定までに1〜3カ月かかるといわれています。なので、転職したい時期から逆算して始めてみましょう。また、求人数は1月~3月や7月~9月に増える傾向があるので、幅広い選択肢の中から企業を選びたいときは、この時期から転職活動を始めてみるのも良いでしょう。
■1月~3月に求人数が増える理由
・新しい期が始まる4月に向けて、新卒と同じくらいポテンシャルがある第二新卒に組織の活性化を求める企業が増えるから。
■7月~9月に求人数が増える理由
・夏のボーナスをもらった後に退職者が増えるから。
・秋の人事異動に合わせて人材を募集する企業が増えるから。
焦って新しい就職先を決めないためにも、入社したい時期を決め、そこに間に合うように計画的に転職活動を進めていきましょう。
3.転職先の譲れない条件を決めておく
どのような職場なら満足できるのか、企業を選ぶ際の判断基準を明確にしておきましょう。ここを把握できていないと、自分の行きたい企業を探すのが難しくなります。転職先の企業に求めることの整理から始めてみましょう。
4.職務経歴書や履歴書などの準備を念入りにしておく
書類選考を通過しないと面接に進めないので、書類選考で必要になる「職務経歴書や履歴書」の準備をしておくことが大事になります。企業によって求める人物像は異なるので、そこを押さえて企業にアピールできるかがポイントです。
スキルや実績が求められることは少ないといっても、その分熱量やポテンシャルがあることをアピールしなければなりません。企業が求めている素質があることを伝えるためにも、業界研究や企業研究を通して、企業理解を深めておきましょう。企業のニーズを捉えた上でアピールができれば、その企業への志望度も併せて伝えることができます。提出書類を基に面接が進められるので、ここでの準備が面接対策にもつながります。
5.自分に合う転職情報サイトを選ぶ
第二新卒向けの転職情報サイトを使ってみるのもおすすめです。第二新卒に特化していない転職情報サイトでは、スキルや実績で応募者を制限する、応募条件が高い求人もあるでしょう。その中から、自分に合う企業を探すのは、時には労力も時間もかかってしまいます。なので、第二新卒の入社を歓迎している企業が多数掲載されている転職情報サイトを活用することで、企業探しを効率的に進めることができるでしょう。
少子高齢化の影響もあり、企業が新卒を採用するハードルが高くなっている上に、景気回復の兆しから採用市場は売り手市場となっているため、新卒と同じくらいポテンシャルがある第二新卒の需要は高まっています。第二新卒での転職を成功させるには、企業が第二新卒に感じている懸念点を払拭し、自分の志望度を伝えることが重要になります。自己分析や業界・企業分析が鍵となるので、転職をしてかなえたいことや、企業を選ぶ上で譲れないことなどを明確にするところから始めてみましょう。それを基に企業探しを行ってみてください。あなたの転職が成功することを願っています!
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