「転職って何回までOKなのかな?」「選考で不利になったらどうしよう…」など、転職活動を考えたとき、回数が多いと不安になりますよね。
実は転職回数が多いからといって、一概に不利になるわけではありません。転職により身に付けた経験やスキルがあれば、伝え方次第で転職回数を強みに変えられます。
本記事では、年代別の平均的な転職回数や、転職回数が多くても採用担当者に評価されるための具体的な対策を紹介します。
【この記事で分かること】
・転職回数が何回から多いと思われるのかは、年代により異なる。平均よりも多いと、採用担当者からネガティブな印象を持たれる可能性はある
・転職回数が不利になるとは限らない。成果やスキル、成長、挑戦の意識をアピールすれば、転職回数の多さを長所にできることがある
・転職回数が多くても採用されるためのコツはある。もし一人で転職活動を進めるのが難しければ、転職エージェントを頼るのも有効

目次
【年代別】転職回数は何回から「多い」と思われる?
転職回数が多いと不利になる?採用担当者が懸念する3つのポイント
転職回数が多くても不利にならない3つのケース
転職回数が多くても採用されるための4つのコツ
まとめ
【年代別】転職回数は何回から「多い」と思われる?
転職回数が何回から「多い」と思われるのかは、業界や企業の雇用形態によっても異なります。ここでは令和2年に行われた雇用構造の実態調査を基に、一般的な指標といえるラインを紹介します。
20代
全転職者のうち20歳~24歳での転職回数は、1回の人が7割弱です。25歳~29歳では5割弱となり、複数回転職をした人の数が増えていますが、それでも3回以上となるのは3割弱です。そのため、3回以上転職経験があると、平均に比べて多いと判断されやすいでしょう。
転職理由は、業務や仕事への適性がないと感じたり、キャリアアップを目指したりといった内容が多い傾向にあります。
30代
全転職者のうち30歳~34歳での転職回数の傾向は1回、2回、3回に分散されています。一方、35歳~39歳になると転職回数は1回の人が減り、2回、3回の人がボリュームゾーンです。
30代は20代と比べると転職回数が多くなりやすいものの、4回以上転職経験があると、平均に比べて多いと判断されることがあるでしょう。とはいえ4回の人も14.8%存在し、この年代になって初めて10%を越えてきています。
なお30代の転職は専門性の向上や管理職への昇進、ライフスタイルの変化が理由となるケースが多いです。
40代以上
全転職者のうち40歳~44歳での転職は、3回経験している人が多いです。45歳~49歳も、同じく3回がピークです。また40代前半、40代後半のどちらを見ても、転職回数が5回までの人が全体の7割〜8割を占めています。
こういった状況を考えると、40代以上の場合は、5回~6回以上転職経験があると平均と比べて多いと判断されやすいです。
40代以上では、キャリアも中盤から後半に差し掛かるため、今後の働き方を見据えた転職をする人が増えてくるのでしょう。
※参考:政府統計の総合窓口e-Stat. 「雇用の構造に関する実態調査 転職者実態調査 / 令和2年 報告書 統計表 個人調査」.(参照 2025-10-02)
転職回数が多いと不利になる?採用担当者が懸念する3つのポイント
転職回数が多いと、採用担当者は以下の3つの点を懸念する可能性があります。
・定着性への不安
・スキルや経験の不足
・人柄や忍耐力、協調性の問題
それぞれ解説します。
定着性への不安
転職回数が多いと、採用担当者は「採用してもまたすぐに辞めてしまうのではないか」と捉えるかもしれません。
人材を採用し実際に戦力として働けるようになるまでには、金銭的にも時間的にも多くのコストが必要です。これらのコストを抑えるためにも、企業はできるだけ長く働いてくれる人材を求めているのが一般的です。
特に1社当たりの在籍が1年未満など、極端に短い期間での退職が複数回続いていると、採用担当者に「定着しにくい人材」と思われる可能性が高まります。
スキルや経験の不足
転職回数が多いと「年齢に応じたスキルや経験が不足しているかもしれない」と心配する採用担当者もいます。
特に職種を頻繁に変えていたり、短期間での離職が多かったりすると、必要なスキルの不足を懸念されやすいです。また「仕事が合わなかった」などの曖昧な理由で頻繁に職を変えていると、社会人経験や実務経験などの積み重ねがないと判断される可能性もあります。
適応力・忍耐力への懸念
転職回数が極端に多い場合や、短期離職を繰り返している場合、新しい環境に馴染んでもらえるか、上司や同僚とうまく関係構築できそうか採用担当者が懸念する可能性も否めません。
あるいは、仕事に対する考え方が甘く、熱意に欠けるのではないかという見方をされてしまうこともあり得ます。
いずれの場合も、転職回数が多いこと自体が不利に働くわけではなく、その背景・理由が重要です。
転職回数が多くても不利にならない3つのケース

転職回数が多くても以下の3つのどれかが当てはまるケースでは、不利にならない可能性が高いです。
・キャリアに一貫性がある
・成果やスキルで回数をカバーできる
・転職理由が「成長」や「挑戦」である
それぞれ解説します。
キャリアに一貫性がある
キャリアに一貫性や軸があると、仮に転職回数が多くても戦略的なキャリア形成の一貫だと捉えられやすいです。
例えばITエンジニアの場合、運用・保守などの下流工程職から、システム全体の設計を担う上流工程職への転職を目指すのであれば、継続的に学び成長する姿勢がある人物だと採用担当者に思ってもらえる可能性が高いでしょう。
職務経歴書では、これまで職場でどのように仕事と向き合っていたかを細かく明記し、仕事への姿勢の一貫性をアピールしましょう。これにより転職回数が多かったとしても、採用担当者には真摯に仕事と向き合う魅力的な人材として映りやすくなります。
成果やスキルで回数をカバーできる
圧倒的な成果やスキルは、転職回数の多さをカバーする大きなポイントです。
例えば「前年比売上を130%に伸ばした」「業務改善でコストを20%削減した」などの数値化された成果があれば、即戦力として採用担当者から有望視されやすいでしょう。
また特定の業界で必須のスキルを持っている人材も有利です。不動産業界であれば「宅地建物取引士」のように、特定の資格がなければ担えない仕事もあります。
自分の持つ能力やスキルを具体的にアピールできれば、転職回数の多さは経験の豊富さと多様な環境への適用性を示していることになり、プラスに働く可能性が十分にあります。
転職理由が成長や目的のための「挑戦」である
成長意欲や目的意識など、転職理由が自身の可能性を広げるための挑戦である場合も、採用担当者から前向きに評価されることがあるでしょう。
転職先を選んだ理由を「ノウハウを吸収し専門的なスキルを身に付けるため」などと明確にアピールできれば、それを魅力に感じる採用担当者もいるはずです。成長意欲が高い候補者に対し、入社後も学び続けて業務に貢献してくれるだろうと評価します。
ただし成長や挑戦が理由の転職は、採用担当者が定着性を懸念する場合もあります。熱意を伝えるためには、挑戦したい理由と併せて、長く働きたいと考えていることを明確に伝えるとよいです。将来どうなりたいのかというイメージまで伝えることができれば、企業側の不安を払拭でき、採用時の認識の不一致を防げるはずです。

転職回数が多くても採用されるための4つのコツ

自身の転職回数の多さが採用結果に影響するのではないかと気になっている方は、以下4つのコツを意識的に取り入れてみましょう。
・転職理由をポジティブなストーリーとして説明する
・獲得したスキルや経験、具体的な実績を強調する
・応募先企業に自身のキャリアをどう生かせるのかを明言する
・転職エージェントを積極的に活用する
それぞれ解説します。
転職理由をポジティブなストーリーとして説明する
転職理由とは、退職を考えた理由を踏まえて、次の職場では何をしたいのか、将来的にどうなりたいのかを明らかにするビジョンのようなものです。
人間関係や労働環境への不満など、ネガティブな理由から転職を検討している場合は特に、退職理由を単に説明するだけに留まらず、転職後のビジョンを説明し、前向きな理由で転職を決意したことを伝えるとよいでしょう。
採用担当者の多くは転職回数そのものよりも、転職の理由を気にしているケースが多いです。事実であっても、前職の不平や不満をそのまま伝えると、好印象を持ってもらいにくくなります。
例えば現在の職場では成長できないと感じ、転職を決めた場合などは「責任のある立場に挑戦するため」「専門性を身に付けるため」などと伝えると良いでしょう。人間関係が原因の転職であれば「仲間と共に目標を達成したいから」などと説明するのがおすすめです。
獲得したスキルや経験、具体的な実績を強調する
複数回の転職経験を通してどのようなスキルや経験が積めたのかを棚卸ししておき、面接の際に具体的に伝えることも大切です。例えば営業職であれば「前職では顧客が懸念する点を資料で丁寧に説明し、信頼を得たことで交渉難易度の高い案件を獲得した」などと説明しましょう。
これまでに獲得した経験やスキルを具体的に伝え、転職で成長していることや、明確なキャリアステップを踏んでいることをアピールできるとよいです。
応募先企業に自身のキャリアをどう生かせるのかを明言する
スキルや経験を伝えた後は、それらを新しい環境の中で「このように生かします」とはっきりと伝えましょう。実際の業務のどの部分にどのような変化が生まれるかを伝えられれば、企業研究をしっかり行った上で応募していることのアピールにもなります。
また転職先で定年まで勤めたいと思っているなら、短期・中期・長期などと段階的なビジョンを伝えるのも良いでしょう。
さらに、熱意を伝えるのであれば「今回の転職を最後にしたい」などと明言し、長く働きたい気持ちが強いことを伝えるのも一つの手です。
転職エージェントを積極的に活用する
転職回数が多い人は「転職エージェント」を積極的に活用しましょう。企業に直接応募をした場合、転職回数が多いと書類選考の時点で落ちてしまう場合もあります。一方、転職エージェントを介して企業に連絡できれば、エージェントによるアピールによって書類審査に通過する可能性が高まるはずです。
多くの転職エージェントでは、キャリアプランの相談や、履歴書・職務経歴書の作成支援、面接対策など、幅広いサポートを行っています。転職で何を実現したいか明確にした上で、応募先企業に対し自身のキャリアをどうアピールすれば効果的か、アドバイスを受けられるでしょう。
20代など年代に特化したサービスや、未経験可の求人に強いエージェントもあるため、キャリアの浅い段階での転職活動にもおすすめです。
まとめ
転職回数が多いからといって、採用面接が不利になるとは限りません。重要なのは、これまでの経験をどのように生かし貢献できるのか、採用担当者に伝わるようにアピールすることです。そのためには、経験やスキルなどこれまでの仕事で得た強みを整理し、言語化することが大切です。
もし自分一人で振り返るのが難しい場合は、プロの力を借りるのも一つの方法です。
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