近年は産業や事業規模を問わず、未経験歓迎の求人が増えてきています。未経験の業界・職種にチャレンジしたい方にとっては朗報ですが、一方で「本当にスキルなしでも転職できるの?」「未経験者歓迎の求人は仕事内容がきついのかも……」と不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、20代・スキルなしでも転職できる企業があるのかどうかを検証するとともに、20代の選考で企業が見ているスキル、スキルに自信のない人が希望のキャリアを歩むためのコツや転職活動での注意点をまとめました。スキル不足で転職に不安を感じている20代の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
「20代・スキルなし」でも転職できる!
20代の選考で企業が見ている3つのスキル
スキルに自信がない20代が希望のキャリアを歩むためのコツ
スキルに自信がない20代が転職に失敗しないための注意点
スキルのない20代でも希望の職場に転職できる
「20代・スキルなし」でも転職できる!
転職活動では経験者が優遇されるというイメージが強く、「20代でも特別なスキルを持っていないと転職活動で不利になるのでは?」と思われがちです。確かにスキルがあることは大きな強みになりますが、一方で、20代の未経験者であっても、希望する業界・職種に転職することは十分可能です。
その理由を2つのポイントに分けて説明します。
柔軟性があり伸びしろがある
20代は社会経験が少ない代わりに、前職の企業文化に染まっていないという特徴があります。柔軟性や吸収力、ポテンシャルが期待できるため、教育・指導によっては将来有望な人材になる可能性が高いと見なされます。企業はできるだけ長く自社で活躍してくれる人材を求めているため、未経験でスキルなしでも、伸びしろがあれば採用してもらえる確率は高いでしょう。
実際、20代向けの求人には「未経験者歓迎」としているものも多く、若さと将来性があれば、現状はスキルがなくても問題ないと考えている企業が多いことがうかがえます。
7割に迫る企業がポテンシャルを重視して採用している
前項で「未経験者歓迎」の求人が多いと説明しましたが、その事実はアンケート結果にも現れています。
株式会社学情が企業・団体の人事担当者を対象に実施したアンケート調査の結果によると、特に採用したい年齢は20代(26~29歳)と回答した企業は全体の45.2%に上りました。また25歳以下と回答した企業も19.1%と高い割合を占めており、若い世代を積極的に採用したいと考えている企業が多いことが分かります。

なお、同調査では20代を対象にしたキャリア採用について「社会人経験を問わない」「社会人経験は求めたいが、業界・職種の経験は問わない」の回答をした企業も全体の約7割を占めており、スキルや経験の有無よりも、若さやポテンシャルを重視している傾向にあるようです。

※参考:PR TIMES.「キャリア採用で「特に20代を採用したい」と回答した企業が6割を超える。20代を対象にしたキャリア採用では、7割に迫る企業が「ポテンシャル」を重視した採用を実施」.(2024-06-03)
20代の選考で企業が見ている3つのスキル

企業が採用選考で見るポイントは、応募者の年齢によって異なります。20代の選考で企業がよく見ているスキルは以下3つです。
・ポータブルスキル
・ヒューマンスキル
・テクニカルスキル
3つのスキルについて詳しく説明します。
ポータブルスキル
ポータブルスキルとは、業種や職種といった垣根をまたいで活用できる能力のことです。例えば、パソコンスキルや語学力、目標達成思考、マルチタスク能力などは、どの業種・職種でも重宝される能力であり、汎用性の高いポータブルスキルと見なされます。高いポータブルスキルを有している人ほど、どの会社でも活躍できる市場価値の高い人材として、優先的に採用されやすくなります。
なお、転職活動でポータブルスキルをアピールする場合は、これまで自分が主体的に取った行動や仕事に対する工夫などについて、具体的なエピソードを交えて伝えるのが良いでしょう。
ヒューマンスキル
ヒューマンスキルとは、他者と円滑なコミュニケーションを取り、良好な人間関係を築くスキルです。ビジネスを円滑に進め、より良い結果を出すためには、顧客や取引先の悩み・要望を丁寧に聞き取り、本当に求めていることを正確に把握する力や、社内外のさまざまな人と協力してプロジェクトを進める力が求められます。
ヒューマンスキルが高い人は、まさにこのようなビジネス上でのコミュニケーションが非常に上手です。そのため、どのような業界や職種、部門であってもその能力を生かして活躍できる可能性を秘めており、採用選考においても特に重視される傾向にあります。
ヒューマンスキルをアピールする場合は、これまで上司や同僚、顧客から褒められたり、喜ばれたりしたエピソードを挙げ、その際にどういったスキル・能力を活用したのかを、簡潔かつ分かりやすく説明することが大切です。
テクニカルスキル
テクニカルスキルとは、業務を円滑に遂行するために必要な知識や技術のことで、業務遂行能力とも呼ばれています。テクニカルスキルの内容は職種によって異なりますが、代表的な例として商品知識や市場の理解力、マーケティングスキル、分析力、ビジネスマナー、マネジメントスキルなどが挙げられます。入社してすぐ活躍できるような即戦力を求めている企業は、このテクニカルスキルを重視する傾向にあるようです。
テクニカルスキルをアピールしたいのなら、キャリアの棚卸しや自己分析で自分の強みや特技、資格などを洗い出した上で、応募する求人で生かせる能力・スキルを探しましょう。
自分のテクニカルスキルが分からないという場合は、現職の上司や同僚、あるいは転職エージェントのキャリアアドバイザーから客観的に分析してもらうのも有効な手段の一つです。

スキルに自信がない20代が希望のキャリアを歩むためのコツ
自分のスキルに自信を持てない場合、応募書類の書き方や面接対策でも「何をアピールすればいいか分からない」と悩んでしまいがちです。そのような場合は、以下に挙げる4つの行動を実践し、自分の強みやアピールポイントを見つけてみましょう。
転職する目的を固める
スキルに自信が持てない場合、その企業に転職してどのように働きたいのか、将来どうなりたいのか、などのビジョンを提示し、働く意欲をアピールする必要があります。そうすることで、人事担当に「現状はスキルがなくても、育成枠として期待できそう」と感じてもらいやすくなるためです。そのためには、転職する目的をしっかり固め、「なぜその企業に転職したいと思ったのか」「どういうキャリアプランを描いているのか」を筋道立てて説明すると良いでしょう。
例えば「専門スキルを磨くために応募した」という場合は「なぜそのスキルを習得したいと思ったのか」「そのスキルを身に付けてどうなりたいのか」といった理由やビジョンも交えてアピールしましょう。
転職は、ご自身の希望のキャリアや働き方を実現するための手段の一つです。その転職で何を達成したいのか、という具体的な目的を定めるには、いくつかの視点があります。例えば、現職への不満をきっかけに「次はこんな働き方をしたい」という希望を見つけ出す方法や、思い描くキャリアプランから「そのために今、何が必要か」という目的を設定する方法などです。また結婚や出産、育児といったライフステージの変化が間近な方は、ワークライフバランスを重視した働き方を実現することを転職の軸にすると、目的がより明確になるはずです。
自己分析を行い強みを把握する
「スキルがない」と思っている人でも、自己分析を行えば、自分でも気付いていなかった強みや適性が見つかることがあります。また結果的に、企業に対していかに自分が会社に貢献できる人材であるかをアピールできるようにもなるでしょう。
自己分析のやり方としては、自己分析ツールや自己分析シートを使用する方法や、あるいはキャリアアドバイザーから客観的な分析を行ってもらう方法があります。また自己分析と併せて、これまでのキャリアの棚卸しも行いましょう。今までの経験や実績を振り返れば、自分がどのようなスキル・能力を発揮してきたかを見つめ直すきっかけになります。
自己分析とキャリアの棚卸しの結果を基に、転職しようと思った理由と、その企業を選んだ理由に一貫性があるかどうかを、きちんと整理することが大切です。
ポテンシャルや仕事への熱意をアピールする
特に20代前半の方は、スキルや資格よりも将来性や伸びしろが重視される傾向にあります。アピールできるスキルが足りないと感じているのなら「応募先の企業にどれだけ転職したいと思っているか」「入社後、どのような形で会社に貢献したいと考えているか」などを分かりやすく伝え、仕事への熱意を示してみましょう。しっかり自己分析や企業研究を行った上で、論理的に企業とのマッチングの高さや適性をアピールするのがポイントです。
また面接では話す内容だけではなく、見た目や表情、しぐさ、声の大きさといった視覚・聴覚情報も重視されます。声が小さかったり、猫背でいたりすると自信がなさそうに見られるため、背筋を真っすぐに伸ばし、明るい表情ではきはきと話すことを心掛けましょう。
さらに、尋ねられたことに回答するだけではなく、採用担当者に対して逆質問を行えば、「自社に興味を持ってくれている」「本当に入社したいんだな」と好印象を抱いてもらいやすくなります。
前職で培った自身の強みや経験をアピールする
前職で経験したエピソードを改めて振り返ってみると、これまで気付かなかった自身の強みやスキルが見つかる場合があります。こうした強みやスキルは、同業他社へ転職する場合はもちろん、未経験の異業種に転職する場合でもアピールポイントになります。
特にコミュニケーション能力や論理的思考能力、マネジメント能力などは、業界や職種を問わず必要とされる汎用性の高いスキルであるため、前職でこれらの能力をアピールできるエピソードがあれば積極的に志望動機や自己PRに盛り込みましょう。前職で培った強みや経験は、キャリアの棚卸しや自己分析を行うことによって洗い出すことが可能です。
なお、キャリアの棚卸しをする際は、思い浮かんだエピソードをノートなどに全て書き出してみましょう。この時点ではエピソードの取捨選択は行わず、なるべく多くの経験を書き出していくのがポイントです。数が多いほど、これまで見えなかった強みや特技を発見できる確率が高くなります。
「自分一人では客観的な強みが分からない」「書き出した経験をどうアピールに繋げればいいか分からない」と感じることもあるかもしれません。そんなときは、プロの視点であなたの強みを一緒に見つけ出してくれる、Re就活のエージェントに相談してみるのも良いでしょう。

スキルに自信がない20代が転職に失敗しないための注意点

ここでは、スキルに自身のない20代が「転職に失敗してしまった」と感じないために、ぜひ押さえておきたい3つの重要な注意点をご紹介します。
やみくもに応募をしない
「さまざまなところに応募すれば、どこかには引っかかるはず」という気持ちで、やみくもにエントリーするのはNGです。自身の強みと企業のニーズが合致しなければ、結局のところ採用を見送られる可能性が高いためです。
また応募書類は一つ作れば応募する企業全てに使い回せるというものではありません。企業に合わせて一社ずつアレンジしなければならないため、エントリー数が多くなればなるほど書類作成にかなりの時間を取られることになります。
転職活動は数を打てば当たるというものではないため、自身の希望やニーズをきちんと整理した上で、条件に合う企業に応募しましょう。
なんとなくで資格の勉強をしない
会社によっては、特定の資格を取得することで転職活動が有利になったり、入社後に手当が支給されたりする場合があります。しかし、資格を取得するためにはある程度の時間とコスト、努力が必要です。資格取得までにあまり長い時間をかけると、転職のタイミングを逃してしまい、キャリアの形成に遅れが生じる原因になります。
資格はあるに越したことはありませんが、必須要件ではなければ、資格がないからといって必ずしも不採用になるわけではないため、資格取得に時間や労力を費やすのなら、応募書類の作成や面接対策に注力した方が良いです。
求人には無資格・未経験歓迎の求人も多数あるため、「なんとなく有利になりそうだから」といった理由で、転職前に資格の勉強をするのは控えましょう。
相談するときはキャリアのプロに
仕事の悩みや日頃の愚痴は、気心の知れた家族や友人に聞いてもらうと気持ちが楽になるでしょう。ただし、いざ転職活動のこととなると、身近な人がいつも的確なアドバイスや具体的なサポートをしてくれるとは限りません。 なぜなら、あなたのことをよく知っていても、必ずしも転職市場の最新情報や専門的な知識に詳しいわけではないからです。
現在の転職市場の状況や、特定の業界・職種の情報を踏まえたアドバイスやサポートを求めるのなら、転職に関する知識・経験豊富なキャリアのプロに相談した方が良いでしょう。具体的には転職エージェントを利用し、プロのキャリアアドバイザーの力を借りながら、自己分析や求人探し、書類作成、面接対策などを行うのがおすすめです。
転職エージェントは複数ありますが、中には「Re就活エージェント」のように20代や第二新卒に特化したサービスもあるため、「初めての転職で不安」「何から始めればいいか分からない」などの悩みや不安がある場合は、自身の状況に適した転職エージェントサービスを利用してみましょう。
スキルのない20代でも希望の職場に転職できる
社会人経験が浅く、特定のスキルや検定も所有していない場合、「転職で不利になるのでは?」と不安になりがちです。しかし、若い20代は経験よりも、柔軟性や伸びしろ、ポテンシャルが評価される傾向にあるため、経験やスキルがなくても希望の職場に転職することは可能です。
ただし、転職活動を成功させるには、自己分析やキャリアの棚卸しなどを徹底し、自身の強みや経験を積極的にアピールするなどの工夫を取り入れる必要があります。「自分の強みを見つけられない」「どのような職場が合うのか分からない」という場合は、転職エージェントを利用し、キャリアのプロから支援を受けることを検討してみましょう。
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