「20代後半の転職は厳しい」と耳にして、不安を抱えている女性は少なくありません。結婚や出産を意識している場合、キャリアをどう築くべきか迷う方もいるでしょう。
しかし20代後半はこれまでの経験を武器にしつつ、新たなキャリアに挑戦できる重要な転換期です。市場での需要も高く、スキルや実績、入社意欲をアピールできれば、転職できる可能性は十分にあります。
そこで本記事では、20代後半女性の転職が「厳しい」といわれる理由や、企業が採用時に重視するポイント、成功につなげるための具体的なコツなどを解説します。自信を持って次の一歩を踏み出せるよう、ぜひ参考になさってください。
【この記事で分かること】
・20代後半女性の転職入職率は増加傾向にあり、決して「厳しい」わけではない
・企業は20代後半女性に、即戦力や長期的に働く姿勢、コミュニケーション能力などを求めている
・まずは転職目的を明確にし、今後のライフスタイルを見据えて応募する求人を選ぶ必要がある

目次
20代後半女性の転職が「厳しい」といわれる理由
20代後半女性の転職活動状況
企業が20代後半女性の採用で重視しているポイント5選
20代後半女性の転職を成功させるための5つのコツ
20代後半女性におすすめの仕事
まとめ
20代後半女性の転職が「厳しい」といわれる理由
「20代後半の女性の転職は厳しい」といわれる背景には、結婚や出産などのライフイベントへの懸念や、応募する求人の競争率が関わっています。
以下で詳しく見ていきましょう。
結婚や出産などのライフイベントへの懸念がある
女性の場合、20代後半は結婚や出産などのライフイベントが想定される年代です。
結婚・出産が転職で不利になるわけではありません。しかし、企業によっては「長く働いてくれるのだろうか」「早期退職するのではないか」と懸念されることがあります。
競争率が高い
女性の応募が多い事務職や営業アシスタントなどの求人の競争率が高い点も、要因の一つです。
例えば令和6年12月の全産業の有効求人倍率は1.25倍でした(※1)。それに対して同じ時期の事務従事者の有効求人倍率は0.46倍となっています。事務職や営業アシスタントの仕事に就くのは狭き門であることが分かるでしょう(※2)。
未経験で転職する場合は、スキルや資格がないと選考に通過するのが難しくなります。
※1参考:厚生労働省.「一般職業紹介状況(令和6年12月分及び令和6年分)について」.“ポイント”.(2025-01-31)
※2参考:厚生労働省.「一般職業紹介状況(令和6年12月分及び令和6年分)について」.“全国計”.“事務従事者”.(2025-01-31)
20代後半女性の転職活動状況

20代後半女性の転職は厳しいといわれがちですが、そうとは限りません。
厚生労働省の調査によると、令和5年の25~29歳の女性(一般労働者)の転職入職率は14.5%でした(※1)。令和4年の転職入職率は11.6%であることから、20代後半の女性の転職は増加傾向にあると分かります(※2)。
近年は人手不足が進んでおり、20代後半女性の転職市場での価値は今後も高まると予想されます。これまでのキャリアを振り返り、スキルや経験をアピールできれば、20代後半での転職は十分に可能です。
※1参考:厚生労働省.「-令和5年雇用動向調査結果の概況-」.“3 転職入職者の状況”.“(1)年齢階級別転職入職率”.(2024-08-27)
※2参考:厚生労働省.「-令和4年雇用動向調査結果の概況-」.“3 転職入職者の状況”.“(1)年齢階級別転職入職率”.(2023-08-22)
企業が20代後半女性の採用で重視しているポイント5選
企業が20代後半の女性の採用に当たり重視しているポイントは、以下の5つです。
・長期的な勤務意欲があるか
・即戦力となるか
・コミュニケーション能力があるか
・適応能力があるか
・成長意欲があるか
採用企業が見るポイントには男女で大きな差はなく、ライフイベントを迎える懸念以外はフラットな目線で見られることが基本です。では、以下で一つずつ解説していきます。
長期的な勤務意欲があるか
企業は20代後半女性を採用する際、長期的な勤務意欲があるかどうかを重視しています。
前述の通り、20代後半は結婚や出産などのライフイベントが想定される年代です。企業は人材採用・育成にコストと時間をかけているため、長期的に働ける人材を求めています。
面接では「ライフスタイルが変化した後でも腰を据えて長く働きたい」と意思を示すことが重要です。
即戦力となるか
入社後すぐに即戦力として活躍できるのかどうかも、企業が重視するポイントです。
20代後半は男女を問わず即戦力であることが期待されるため、これまでの職務経験や培ったスキルが選考で問われやすくなります。例えば実務経験やその分野の専門性、パソコンスキルなど、どのようなスキルを持っている人材なのかを見ています。
これまでのキャリアで残した売り上げや業務改善事例などの数字で示せる実績を提出すると、即戦力として評価されやすいでしょう。
ただし20代であれば、未経験でもポテンシャルを評価して採用する企業も少なくありません。20代は若さと柔軟性があるため、高い入社意欲を伝えれば、新しい知識を吸収して成長できる人材として採用される場合があります。
コミュニケーション能力があるか
コミュニケーション能力があるかどうかも、採用担当者が重視するポイントの一つです。全ての年代の人に当てはまりますが、業務を円滑に進めるためには、相手との信頼関係を築くことが重要です。
ここでいうコミュニケーション能力とは、人と会話する力だけではなく、報告・連絡・相談がきちんとできるのか、チームで協調性を持って働けるかどうかも含まれます。
社内外で良好な関係を築ける人材は周囲から信頼されやすく、その姿勢が組織全体の成果にもつながるため、高く評価される可能性があります。
適応能力があるか
企業は、自社の業務や職場環境にどれだけ早く適応できるのかも評価の対象としています。新しい業務に早く順応できる柔軟性や対応力がある人材は、成果や実績を出しやすいと考えられるためです。
20代後半は組織の中でも若手に当たり、一定の経験を持ちながらも成長の余地が大きい年代のため、環境への適応力を示せば選考で有利に働く場合があります。
また適応能力が高い人材は入社後のミスマッチが起こりにくく、早期退職につながりにくい傾向があります。
成長意欲があるか
企業は20代後半女性に対し、長く働けるかどうかだけではなく、成長意欲があるかどうかも見ています。現状に留まらず、新しい知識やスキルを積極的に吸収しようとする姿勢がある人材は、将来的に大きな戦力になると期待されるためです。
特に未経験職種への転職の場合、今ある経験やスキルを成長のためにどう生かすのかという点は、大きな評価ポイントになります。面接では、入社後どのように学び続けるのか、将来的にどのようなポジションに就きたいのかを伝えることが大切です。
20代後半女性の転職を成功させるための5つのコツ

20代後半女性の転職を成功させるには、以下の5つのコツを押さえましょう。
・転職目的を明確にする
・自身の経験・スキルを掘り下げる
・ライフイベントを見据えて企業を選ぶ
・徹底した企業研究を行う
・転職エージェントを積極的に活用する
以下で一つずつ解説します。
転職目的を明確にする
求人に応募する前に、まずは転職する目的を明確にしましょう。目的が明確になっていないと求人選びに一貫性がなくなり、入社後にミスマッチが起こる可能性が高まるためです。
転職目的を考える際は、最初に転職を考えたきっかけや現職での不満を書き出し、言語化してみましょう。その際は「〇〇が嫌だったから」と感情に任せるのではなく、今後のキャリアをどう築きたいかを念頭に置いて言語化しましょう。
現状や自分のキャリアの立ち位置を見つめ直せば、転職先に求める条件や理想の働き方がより具体的に見えてきます。
自身の経験・スキルを掘り下げる
これまでのキャリアを振り返り、自身の経験やスキルを掘り下げましょう。
20代後半の転職では、男女問わず即戦力であることを求められます。事前に経験やスキルを掘り下げ、自分の強みをアピールできるようになれば、採用担当者に即戦力だと評価されやすくなるでしょう。
特に売り上げや業務改善事例などの数字で伝えられる実績は、成果が一目で分かるため具体性があります。結果として採用率アップにつながる可能性が高いです。
またコミュニケーション能力や資料作成能力など、どの業種にも通用するポータブルスキルを整理しておくと、汎用性のある強みとしてアピールできます。
未経験職種への転職を考える場合は、掘り下げた経験やスキルを新しい分野にどう応用できるのかを説明することで、将来性を評価してもらいやすくなります。
ライフイベントを見据えて企業を選ぶ
20代後半女性は、結婚や出産などのライフイベントを見据えて企業を選びましょう。
ライフイベントを見据えずに企業を選ぶと、環境が変わったときに仕事と家庭の両立が難しくなる可能性があります。復帰を希望しても、すでにポジションが埋まっていて、復帰が難しくなることも考えられます。
育休・産休の取得率や出産後の復帰率が高い企業であれば、ライフステージが変わっても働き続けられる可能性が高いです。
またリモートワークや時短勤務、フレックスタイム制度など柔軟な働き方を導入しているかどうかも、家庭との両立を考える上で重要なポイントです。
さらに、女性管理職の割合や平均勤続年数といったデータを確認することで、長期的にキャリアを築ける職場かどうかを見極めやすくなります。
徹底した企業研究を行う
転職活動では、年齢を問わず徹底した企業研究を行うことが大切です。応募先企業の企業理念や事業内容などを確認しておけば、選考で「その企業が良いと思った理由」を伝えやすくなります。
例えば事務職の選考で「長く働けそうだから応募した」と答えると、採用担当者に「どこでもよいのでは」と受け取られるかもしれません。
一方、企業研究を徹底的に行った上で「御社の〇〇という理念に共感して志望した」と伝えれば、志望動機に説得力が生まれ、評価につながりやすくなります。
企業研究を進める際は、Webサイトやプレスリリースはもちろん、実際に働いている社員の口コミで社内の実態を調査するのもおすすめです。
転職エージェントを積極的に活用する
転職エージェントを積極的に活用するのも、20代後半女性の転職を成功させるためのポイントです。
20代後半は、ライフイベントや今後のキャリア形成との兼ね合いで悩みが生じやすい年代です。特に初めての転職の場合、どのように準備を進めればよいか分からないと悩む女性も少なくありません。
転職エージェントは、希望条件に合った求人を紹介してくれるだけではなく、どの職種や業界に適性があるのか、プロ目線でアドバイスをしてくれます。結果として転職市場での自分の価値を把握でき、具体的な希望条件や給与水準を決めやすくなります。
また応募書類の添削や面接練習、企業との交渉などもしてくれるため、採用率を高めながら効率的に転職活動を進められるでしょう。
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20代後半女性におすすめの仕事
20代後半で転職を考えている女性の方に向けて、将来性や働きやすさの観点からおすすめの仕事を5つ紹介します。
・営業職
・事務職
・介護職
・IT系技術職
・Webマーケティング職
自分の強みや理想のライフスタイルに合わせて、気になる仕事を探してみてください。
営業職
営業職は、コミュニケーション能力が重視される職業です。専門的なスキルを必要としない分、未経験でも前職で培った社会人スキルがあれば転職しやすい傾向があります。
特にITや人材系の営業は業界の将来性が見込めるため、20代後半でも活躍のチャンスが広がっています。
取引先や顧客との商談、見込み顧客のフォローアップなどがメインなので、提案力や課題解決力、コミュニケーション能力が身に付くのがメリットです。このようなスキルはどの業種にも通用し、今後のキャリアでプラスの要素として働くでしょう。
再び転職を行う際も、営業職で培ったノウハウを強みとしてアピールすれば、異業種に転職できる可能性が高まります。
事務職
事務職は、安定した働き方を望んでいる20代後半女性におすすめな職種です。日によって大きく業務が変わるケースは少なく、残業も比較的少ないため、ワークライフバランスを取りやすい傾向があります。
女性に人気の職種で競争率は高いですが、パソコンスキルや正確性、マルチタスク能力をアピールできれば、採用される確率も高まるでしょう。
ただし、医療事務や法律事務、貿易事務などは専門性が求められます。特定分野の事務職を目指す際は応募条件を確認し、必要に応じて資格取得やスキル習得を進めておくことが大切です。
介護職
人をサポートすることにやりがいを感じる人は、介護職がおすすめです。介護職は、少子高齢化が進む日本において不可欠な仕事であり、多くの企業が人材確保に力を入れています。
介護業界では20代は若手と見なされるため、未経験でもポテンシャルの評価により採用されるケースも少なくありません。
介護全般の知識を問う「介護職員初任者研修」や、医療的ケアに必要な「介護福祉士実務者研修」を取得すれば、給与が上がる可能性があります。
IT系技術職
将来性のある分野で活躍したい20代後半女性は、IT系技術職も選択肢に入れてみてください。
近年はさまざまな業界でデジタル化が進んでおり、IT技術職の需要は増加傾向にあります。リモートワークやフレックスタイム制などを取り入れている企業も多く、場所・時間問わず働きたい方にもおすすめです。
ただし、IT系技術職は専門的なスキルや実務経験がない場合、不採用となる可能性があります。そのため、プログラミングスクールで知識を身に付け、自分でアプリ開発をするなど、高い学習意欲を示す必要があります。
Webマーケティング職
Webマーケティング職は、SNS運用やWeb広告運用などに興味がある20代後半女性におすすめです。入社当初は広告運用のアシスタントからスタートし、段階的に第一線で活躍するマーケターを目指します。
リモートワークで柔軟な働き方をしたい方や、独立志向がある方にも向いています。
まとめ
20代後半はこれまでの経験を基にキャリアを見直し、新たな一歩を踏み出す絶好の機会です。まずは転職目的の設定や企業研究、キャリアの棚卸しを行い、自分がアピールできる強みやエピソードを整理する必要があります。
本記事で解説したポイントを参考に、自信を持って転職活動に臨み、理想のキャリアへの第一歩を踏み出しましょう。
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