「新卒で入社した会社を辞めたい…でも、早期離職したらもう後がないのかな」という悩みを抱えていませんか。
長い就職活動を経て入社した会社を、早期離職するのは勇気のいることです。しかし転職活動が活発化している今、新卒が短期間で離職することは特別珍しいことではありません。正しい知識と情報を持って行動すれば、理想的な形で次のステップに進むことができます。悩みや不安を感じているのなら、第二新卒としての転職を考えてみてはいかがでしょうか。
本記事では第二新卒の定義やよくある早期離職の理由、早期離職のリスクやデメリット、早期離職でも転職を成功させるためのコツについて分かりやすく解説します。
【この記事で分かること】
・早期離職すると、心身の負担が軽減され、自分に合った仕事にキャリアチェンジしやすくなる
・一方で「また辞めるのでは」と思われたり、応募できない企業がでてきたりするリスクもある
・転職に成功するためには、転職エージェントの力を借りつつ明確でポジティブな離職理由を伝えることが大切

目次
早期離職した新卒は「第二新卒」扱いに
新卒の早期離職でよくある理由
早期離職のメリット
早期離職で知っておきたいリスク
早期離職でも転職を成功させるには?
まとめ
早期離職した新卒は「第二新卒」扱いに
新卒が早期離職して転職活動する場合、第二新卒として扱われることが一般的です。ここでは第二新卒の定義や、新卒・既卒との違いについて解説します。
第二新卒とは?
第二新卒という言葉についての明確な定義はありませんが、一般的には学校卒業と同時に就職した企業を短期間で離職し、その後、別の企業に就職した方を指すことが多いです。これから就職する予定の方を、第二新卒と呼ぶこともあります。
ここでいう短期間とは、入社してからおおむね3年以内が一つの目安です。例えば入社後半年たたずに早期離職した場合でも、一度新卒として就職した経験があれば第二新卒と見なされます。
新卒や既卒との違い
第二新卒としばしば混同されやすい言葉に、新卒と既卒があります。
新卒とは、学校卒業と同時に就職した、あるいは就職を予定している人のことです。正社員として雇用されることそのものが初めてであるため、職歴はなく、一度就職した経験のある第二新卒とは区別されます。
一方の既卒とは、学校卒業後一度も正社員として就職していない人のことです。一般的に、卒業後にアルバイトやパートなどで働いている人も既卒に該当します。
新卒の早期離職でよくある理由
新卒が早期離職を考えるきっかけは人それぞれですが、よくある理由として挙げられるのは以下の通りです。
・労働環境や条件への不満
・入社前のイメージとのミスマッチ
・人間関係の悩み
・会社の将来性への不安
・社風とのミスマッチ
以下ではそれぞれの理由について深掘りします。
1.労働環境や条件への不満
「最初に提示されていた勤務条件よりも残業が多い」「給与が思っていたよりも安い」など、労働環境や雇用条件に対する不満は早期離職につながる大きな理由です。休みが少ないことや昇給ペースが遅いことなども、不満につながる要素となります。
中でも時間外労働に感じては、労働基準法により、企業は原則として社員を1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけないという決まりがあります。(※1)
実際の労働時間に対し明らかに残業が多い際は、早期離職を検討する人が多いでしょう。
※1参考:厚生労働省.「労働時間・休日」.(参照2025-9-8)
2.入社前のイメージとのミスマッチ
入社前に思い描いていたイメージと現実との間に大きな乖離があると「こんなはずじゃなかった」「もう辞めたい」と思うきっかけになるようです。
例えば、やりたい仕事と実際に任されている業務内容がかけ離れている、希望する部署に配属されなかったなどが挙げられます。毎日の仕事そのものに不満があると、短期間でもフラストレーションが溜まる理由となります。
3.人間関係の悩み
「同僚とそりが合わない」「上司と相性が悪い」など、職場の人間関係に悩んで早期離職を検討する新卒は少なくありません。
学生時代なら、合わない人を避けることも可能ですが、職場ではそういうわけにもいかず、苦手な人や相性の悪い人とでも協力して仕事しなければなりません。人間関係のストレスはやがて体調不良を引き起こす理由にもなるため、新卒に限らずどの年代にもいえることです。
4.会社の将来性への不安
「会社の業績が良くない」「上司や先輩にやる気や向上心が見られない」など会社の将来性に不安を感じる要素があると、新卒の成長意欲やモチベーションが下がり、離職を考えるようになる可能性があります。
特に業績が芳しくない会社の場合「給与が下がるのではないか」「将来的にリストラされるかも」など待遇や雇用に不安を覚えるようになり、将来性のある会社に転職したいと考える方も多いです。
5.社風とのミスマッチ
会社にはそれぞれ独自の文化や雰囲気がありますが、その社風と相性が良いかどうかには個人差があり、合わない場合は大きなストレスの原因となります。
ある程度は就職活動中の企業研究によって把握できますが、実際の雰囲気は入社してみるまで分からないことが少なくありません。いざ入社してみたら雰囲気に馴染めず、居心地の悪さから早期離職を考える人もいるでしょう。
早期離職のメリット

新卒での早期離職に不安を感じる方は多いと思いますが、実はメリットもあります。新卒の早期離職=ネガティブなものと考えず、良いところに着目してみましょう。
以下に、新卒が早期離職する場合に期待できるメリットをまとめました。
精神的・身体的負担の軽減
「残業が多過ぎる」「パワハラやセクハラを受けている」などの悩みを抱えている場合、早期離職すれば心身への負担を軽減できます。
特に労働条件や勤務環境に問題があり、強い不安感や体調不良といった症状が現れ始めているようであれば、それ以上症状が悪化する前に離職した方が良いでしょう。心身の状態が悪くなると社会復帰が難しくなる可能性もあるため、早めに離職して次のステップに進んだ方が効率的です。
キャリアの選択肢の拡大
早めの離職には、将来的なキャリアの選択肢が増えるというメリットも生まれます。なぜなら、多くの企業は第二新卒の若さや内に秘めたポテンシャル、環境への柔軟性などに大きな期待を寄せており、積極的に採用しているところも多いためです。
第二新卒は豊富なスキルや経験が求められない分、未経験の職種や業種に挑戦しやすいという利点があります。複数の会社を経験することで、一つの会社では得られなかったスキルを身に付けられる可能性があるでしょう。
待遇の改善
現在の職場の賃金や福利厚生、労働環境などに不満がある場合、条件の良い職場に移ることで待遇の改善を期待できます。特に法定労働時間を大幅に超えた残業を強いる企業や、低賃金かつ昇給の見込みがほとんどない企業で働いているケースでは、早期離職・転職によって待遇がアップする可能性があるでしょう。
ただし転職先によっては逆に待遇が悪くなることも考えられるため、事前の企業研究によって実状をチェックしておくことが重要です。
早期離職で知っておきたいリスク

早期離職にはメリットがある一方で、いくつかのリスクもあります。良い面にばかり目を向けて早期離職すると後悔する可能性が高くなるため、以下のようなリスクもあることをしっかり確認しておきましょう。
企業にネガティブな印象を持たれる可能性がある
新卒入社から半年もたたずに離職した場合「採用してもまたすぐに辞めるのでは」「自分のことや就職先について理解していないのでは」といったネガティブな印象を抱かれる可能性があります。
多くの企業はできるだけ長く働いてくれる人材を求めているため、早期離職の前歴があること自体が選考でマイナスに働くケースもあるでしょう。
応募できる求人が限られる
求人募集を行っている会社の中には「◯年以上の経験者募集」「◯◯の実務経験がある方」など、一定の経験がある方に絞って応募しているところもあります。早期離職をするとこういった条件に当てはまらなくなるケースが多いため、選択肢が限られてしまいがちです。
特に人気の求人はライバルも多く、経験者も多く応募している場合があります。第二新卒が選考で勝ち残るには、入念な準備と対策が必要でしょう。
専門的なスキルを習得できない
専門的なスキルは習得するまでに時間がかかるため、早期離職するとスキルが身に付く前に転職するというリスクがあります。
第二新卒向けの求人は未経験・無資格OKのものも多いですが、即戦力を求めている企業の場合はスキルを重視する傾向にあるため、経験豊富な応募者と比べると、評価の差が付いてしまう可能性があるでしょう。
早期離職でも転職を成功させるには?
早期離職にはいくつかのリスクがあると説明しましたが、コツを押さえれば転職を成功させることは十分可能です。ここでは早期離職でも希望通りの転職を実現するために、知っておきたいポイントを2つご紹介します。
明確で前向きな離職理由を伝える
採用面接では、現職を辞める理由について、明確かつポジティブに説明することが大切です。
企業は転職後の早期離職を懸念しているため、離職の理由が曖昧だったりネガティブな理由ばかりだったりすると「ちょっとした理由でまたすぐ辞めるのではないか」などマイナスのイメージを与える要因となります。
離職理由がどんなにネガティブなものだとしても、前職での学びや反省点を踏まえ「正当な評価を受けられる職場で働きたい」「◯◯のスキルを磨きたい」など、挑戦心や成長意欲を伝えるようにしましょう。
なお離職理由が家庭の事情(引っ越しや介護など)やハラスメント、違法な労働環境などやむを得ないものである場合は、率直にそのまま伝えても不利にはなりにくいと考えられます。
転職エージェントを利用する
一般的に転職エージェントでは、キャリアアドバイザーが求職者一人ひとりに合った求人を探してくれます。また自己分析の支援や履歴書・職務経歴書の添削、面接対策、条件交渉など、転職活動全般のサポートをしてくれることも多いです。
求人探しや効果的なアプローチ方法などにおいても、早期離職ならではの転職のコツをプロの視点から指南してもらえば、スムーズに転職活動を進められるでしょう。

まとめ
新卒で早期離職することに不安やネガティブなイメージを持つ方は多いですが、早めの離職は心身の負担軽減やキャリアの可能性拡大、待遇改善などさまざまなメリットがあります。
現在の職場に不満や違和感、ストレスなどを感じているのなら、本記事で紹介したポイントを参考に自己分析を行い、より適した職場への転職を目指してみましょう。もし一人きりの転職活動に不安を感じたら、専門家に相談するのも有効な手段の一つです。
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