実は「最近、仕事のやる気が出ない……」と悩んでいる20代の人は多くいます。やる気が出ないのは甘えや怠慢ではなく、誰にでも起こる自然な状態です。
本記事では、仕事のやる気が出ない原因を20代前半と後半に分けて深掘りします。その上で、具体的な対処法からやる気を持って働くためのヒントまで、網羅的にご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
「仕事のやる気が出ない……」という悩みは20代の多くが経験
「仕事を頑張ろうと思えない」「なぜ働いているのか分からない」など、20代を含む多くの人が、「仕事のやる気が出ない……」と悩んでいます。
厚生労働省の「働きやすい・働きがいのある職場づくりに関する調査報告書」では、企業が「人事労務管理を進めていく上で配慮・苦心している点」として「社員のやる気(向上心)を引き出せる制度づくり(モチベーションの維持)が課題である。」という回答が紹介されています(※)。つまり「やる気が出ない」と感じるのはあなただけではなく、働く多くの人が直面している課題なのです。
※引用:厚生労働省.「働きやすい・働きがいのある職場づくりに関する調査報告書」p261.“【従業員のモチベーションの維持・向上】”.(参照2025-07-18)
もちろん、仕事のやる気は仕事内容や労働環境などの外的な要因だけではなく、考え方や体調など内的な要因にも左右されます。常にやる気がある状態を維持するのは、並大抵のことではありません。
「20代でまだ若いのに、仕事でやる気が出ないなんて、自分だけなのでは?」と不安に思わず、キャリアを考える上で自然な過程と捉えましょう。
【年代別】20代で仕事のやる気が出ない原因は?

20代で仕事のやる気が出ない原因は、キャリアステージの異なる「20代前半」と「20代後半」によっても差があります。ここでは、それぞれの世代が抱えやすい悩みを具体的に紹介します。自分の状況と当てはめてみてください。
20代前半にありがちな5つの原因
20代前半で仕事のやる気が出ないと感じる原因は以下の通りです。
・理想と現実にギャップがある
・仕事が面白いと思えない
・成長実感がない
・人間関係に悩みがある
・正当に評価されていないと感じる
それぞれ解説します。
理想と現実にギャップがある
おしゃれなオフィスでの勤務や、挑戦しがいのある業務など、入社前に「理想の仕事のイメージ」を抱いていたら、現実とのギャップに失望することもあるでしょう。華やかに見える仕事も、地道で単調な作業の繰り返しのことは多くあります。そのギャップに耐えられなければ、やる気がなくなってしまうかもしれません。
仕事が面白いと思えない
入社したての20代前半であれば、単純作業や日程調整、雑務などを任されることも多いです。「毎日同じことの繰り返しで刺激がない」「自分の仕事が本当に必要なのか、意義が見出だせない」などと考える人もいるでしょう。結果として、やる気がなくなってしまうことがあります。
成長実感がない
同じ仕事を繰り返して時間が過ぎると、自分がスキルアップしているかが不安になることもあります。新しい仕事を任されれば困難が伴うものの、その分、成長も実感できます。反対に、日々の業務に変化が少なく、学びや達成感を得られない状態が続くと、自分の成長が止まっているように感じてしまうこともあるでしょう。
人間関係に悩みがある
職場の人間関係が悪いと、仕事のやる気が出ない原因となります。上司や先輩とコミュニケーションが取りにくかったり、同僚が仕事に対していい加減だったりすると、頑張ろうと思う気持ちが削がれてしまうでしょう。また社風や職場の雰囲気になじめないときも、ストレスや疎外感から、やる気が低下しやすいです。
正当に評価されていないと感じる
仕事の頑張りが適切に給与や待遇に反映されないと「自分は正当に評価されていないのでは」と感じることがあります。企業によって評価制度はさまざまで、内容が分かりづらいことも少なくありません。そのため、実際には評価されていても、本人がそう実感できずに納得できないケースもあります。努力が正しく認められているかが分からない状態が続くと、不満やモヤモヤが蓄積し、やる気を失う原因にもなりかねません。
20代後半にありがちな5つの原因
20代後半で仕事のやる気が出ないと感じる原因は以下が挙げられます。
・キャリアの停滞感がある
・責任と給与のバランスが取れていない
・将来のキャリアパスが見えない
・同期や周りとの差が開いている
・ライフステージの変化がある
それぞれ解説します。
キャリアの停滞感がある
ある程度の期間会社に勤めれば、自分がいつ昇格できそうなのか、給与はどれくらい増えそうなのかなどを、イメージできるようになります。上司と話せば、現在の会社に勤め続けたときの成長の限界も分かり「このままで良いのだろうか」と漠然と不安を感じることもあります。また毎日同じような業務の繰り返しで仕事がマンネリ化してくると、自分のスキルや能力が伸びていないのではと感じ、将来への不安につながることもあるでしょう。
責任と給与のバランスが取れていない
20代後半になれば、部下ができたり、責任ある仕事を任されたりする場面も増えてきます。やりがいを感じる一方で、給与が思うほど増えないことに不満を感じる人もいるでしょう。責任ばかりが重くなり、現状に見合う給与になっていなければ、次第にやる気がなくなるのも無理はありません。
将来のキャリアパスが見えない
企業や職種によっては、明確なキャリアパスがなく、将来の自分の姿がイメージできないこともあります。またキャリアパスはあるものの、運用体制が整っていなければ、本当に実現可能かどうかを疑問に感じやすいでしょう。現在の会社でのキャリアの道筋が描けないと、これからの働き方や進む方向について不安や迷いが生まれやすいです。
同期や周りとの差が開いている
同期入社の同僚と自分を比較して劣等感を覚えた結果、やる気がなくなることもあります。特に「同僚より仕事ができていない」「昇進のスピードが遅い」などの状況であれば、嫌でも周りと自分との違いを意識しやすいかもしれません。劣等感が強くなれば「頑張っても無駄」とネガティブな思考に偏り、余計にやる気がなくなってしまう人も多いでしょう。
ライフステージの変化がある
20代後半は男女ともに結婚や子の誕生など、ライフステージの変化が起きやすい時期です。特に妊娠・出産を考えたとき、育児休業を取得している前例がないのであれば、子どもが生まれた後も働き続けられるか不安に思うでしょう。どれほど仕事に打ち込んでいても「今の会社は、ライフステージの変化に対応できないかもしれない」と考え、転職を考える人もいます。
「やる気が出ない…」その状態を放置する3つのリスク

仕事のやる気が出ない状態が継続しているときは、注意が必要です。そのまま放置すると仕事のパフォーマンス低下や、キャリアの停滞を招く危険があります。やる気が出ないときは早めに対策をして、気持ちよく仕事ができるように整えましょう。
1. 仕事のパフォーマンスが低下し評価が下がる
やる気がない状態で仕事をすると、業務の質が落ちたり、ミスを繰り返しやすくなったりします。仕事のパフォーマンスが低下した状態を改善できないままだと「仕事に責任感がない」と周囲から思われる可能性があるでしょう。評価の低下によって、さらにモチベーションが落ちる恐れもあります。
2. 心身に不調を来す恐れがある
心身に不調を来す恐れがある点にも、注意が必要です。
特に、ストレスが原因で仕事のやる気が出ない人は、我慢し続けた結果、うつ病などを発症する恐れがあります。また熱心に仕事をした結果、「燃え尽き症候群(バーンアウト)」に陥る人もいます。バーンアウトは「やり切った」という感覚が強くなり、突然やる気が低下する状態です。
これらのような状態を放置すると、プライベートな時間や日常生活にも影響が出やすくなります。
3. スキルアップの機会を逃しキャリアが停滞する
仕事のやる気が出ないと、新しい仕事に挑戦したり、業務に必要な資格を取得したりするなど、成長につながる行動が取りにくくなります。結果として、スキルアップの機会を逃し、キャリアの停滞を招きやすいでしょう。
このような状況を打破できないままだと、気付いたときには「転職市場でアピールできるスキルがない」という状態になっている可能性があります 。

やる気を持って働けると得られる3つのメリット
やる気を持って仕事に取り組めれば、会社で信頼を得られる、プライベートが充実するなど、多くのメリットが生まれます。明るい未来を想像し、仕事のやる気を取り戻すために行動しましょう。
1. スキルアップのスピードが加速する
仕事への意欲が高まれば、自ら積極的に新しい仕事に挑戦し、必要なスキルを得ようと行動できます。能動的な姿勢で知識やスキルを吸収しようとすれば「やらされている」状態よりもスムーズに理解が進むでしょう。仕事に真摯に取り組めば、その分、成長の機会も増えていきます。
2. ポジティブな評価と信頼を得られる
やる気があれば仕事に真剣に取り組めるため、業務の質も高くなりやすいです。また熱心に仕事をする姿勢は周囲にも伝播しやすく、社内でポジティブな評価を得やすくなります。周囲から信頼を得られれば、よりやりがいのある仕事を任せてもらえ、昇進や昇給にもつながるなど、好循環が生まれます。
3. プライベートも充実する
平日であれば、一日の大半の時間を仕事に費やしています。その仕事のストレスが減り楽しいものになれば、プライベートな時間に業務の悩みを持ち込むことが少なくなります。プライベートを楽しむ心の余裕も生まれ、日常生活を充実させやすくなるでしょう。
仕事のやる気が出ないときにすぐ試せる対処法

仕事のやる気が出ないときにすぐ試せる対処法をいくつか紹介します。前半では考え方・行動を変えることで現状を打破する方法、後半では環境を変える方法や重要性を紹介します。ぜひ試してみてください。
完璧を目指さない
完璧主義の人は0か100か、両極端な思考になりやすく、自分の希望をかなえられないとやる気を失いがちです。完璧を目指すのは大切ではあるものの、仕事に支障を来しているようなら、自分に対するプレッシャーを減らすのがおすすめです。目標を意識して下げ、完璧であることよりも、自分のペースや成長を大切にするよう、考えを切り替えましょう。
小さな成功体験を積む意識を持つ
やる気が出ないときは、小さな目標を立てて達成し、成功体験を積むよう意識するのもおすすめです。例えば「溜まっていたメールをすべて整理する」「1ページ分の資料を読み込んで要点をまとめる」など、短時間でも達成感を得られるタスクでかまいません。目の前のことに集中して行動すると、少しずつやる気も湧いてきやすくなります。
有給休暇などを使い心身を休める
やる気が起きないなら無理をせず、思い切って仕事から完全に離れることも大切です。有給休暇を活用し、家でゆっくりしたり、旅行に行ったりして、心と体をリフレッシュさせましょう。やらなければならない仕事があるなら、終わった後においしいものを食べたり、映画を見たりなど、小さなご褒美を用意しても良いでしょう。
信頼できる人に相談する
やる気のなさや業務のストレスは、一人で抱え込まずに、人と話をするだけでも楽になることがあります。信頼できる上司や同僚、友人がいるなら、時間を取ってもらい、相談してみましょう。
なお「最近はお風呂に入るのも面倒……」と感じるような状態が続く場合は、無理をせず、心療内科など専門の医療機関に相談してみるのもよいかもしれません。
キャリアのプロに相談する
キャリアパスやライフイベントと仕事の両立などの悩みがあり、やる気を失っているのであれば、キャリアのプロに相談するのもおすすめです。転職エージェントのキャリアアドバイザーからは、客観的に、現状をより良くするためのアドバイスを受けられます。
現在の会社や仕事に対し、不満や疑問があり転職を考えているのであれば、転職エージェントに相談してみましょう 。

どうしてもやる気が出ないなら環境を変えるのも選択肢の一つ
考え方を変える、心身を休めるなどのセルフケアでもやる気が回復しない場合は、職場の環境が原因かもしれません。社風が合わない、頑張りが適切に評価されない、キャリアパスが不透明などの問題は、個人で解決するのが難しいです。
解決ができない問題が原因でやる気が低下しているのであれば、環境を変えた方が良いケースもあります。特に、20代はポテンシャル採用で未経験の職種にもチャレンジしやすいです。
自分の希望の仕事や働き方を明確にした上で転職すれば、より情熱を持って仕事に打ち込める可能性も高いでしょう。能力があるのに現在の環境が原因で生かし切れていないのであれば、転職は「逃げ」や「甘え」ではなく、前向きな選択肢となります。
まとめ
20代で仕事のやる気が出ず悩んでいるなら、それは自分のキャリアと真剣に向き合っている大切なサインです。考え方を変える、環境を一新するなど、本記事で紹介した対処法を参考に、ぜひ自分に合った方法を見つけて、一歩を踏み出してください。
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