社会人経験を数年積んだ第二新卒の皆さんの中には「コンサル(コンサルティング)業界に転職してみたい」と考えている方もいるかもしれません。しかしコンサルには高い専門性やスキルが求められるイメージがあり、転職のハードルが高いと感じる方もいるでしょう。
本記事では、第二新卒でコンサルを目指したいと考えている方に向けて、コンサル業界の採用事情や求められる素質、そして転職を成功させるためのポイントを詳しく解説します。この記事を読んで、コンサルへの道筋を具体的にイメージしてみてください。
目次
【結論】第二新卒でコンサルへの転職は可能!
コンサルが第二新卒を採用したいと考える理由
第二新卒でコンサルを目指す人が多いのはなぜ?
コンサルの「ポテンシャル採用」の2つの種類
第二新卒からコンサルタントへの転職の難易度は高い?
コンサルに求められるマインドやスキル
まとめ
【結論】第二新卒でコンサルへの転職は可能!
まず結論からお伝えすると、第二新卒でコンサルへ転職することは十分可能です。
「コンサルは難関大学卒のエリートしかなれないのではないか」「実務経験がないと難しいのではないか」といったイメージがあるかもしれませんが、近年、第二新卒の採用に力を入れるコンサルファーム(コンサルティング会社)が増加しています。
もちろん簡単な道ではありませんが、正しい知識と準備をもって臨めば、第二新卒からコンサルタントとしてのキャリアをスタートさせるチャンスは十分にあります。次の章からは、その理由や具体的なポイントについて詳しく見ていきましょう。
コンサルが第二新卒を採用したいと考える理由

なぜ、多くのコンサルファームが第二新卒の採用に積極的なのでしょうか? その背景には、いくつかの理由があります。コンサル業界が第二新卒に注目する主な理由を3つ解説します。
業界の成長に社員数が追い付いていない
コンサル業界は、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進やグローバル化、サステナビリティへの対応など、社会の変化に伴って需要が拡大し、成長を続けています。しかし、その業界の成長スピードに対して、コンサルタントの数が不足していると感じているファームは少なくありません。
プロジェクトの多様化や増加に対応するため、常に新しい戦力となる人材が求められています。また、優秀な新卒学生を獲得するための競争は激化しており、計画通りに新卒を採用できないケースもあります。
こうした状況から、第二新卒の持つポテンシャルや柔軟な思考力、吸収力に期待し、採用ターゲットとして注目するファームが増えているのです。第二新卒は、社会人としての基礎がありながらも、特定の企業文化に染まりきっていないため、新しい環境に適応しやすいと考えられています。
基礎的なビジネススキルを有している
第二新卒は、短期間であっても社会人経験がある点が大きな強みです。新卒とは異なり、以下のような基礎的なビジネススキルやマインドセットを既に身に付けていると期待されています。
・適切な言葉遣いや身だしなみなどのビジネスマナー
・指示待ちではなく、主体的に仕事に取り組む姿勢
・報告・連絡・相談(報連相)の重要性の理解
・納期や時間を守る意識
・基本的なパソコンスキル(メール作成、資料作成、表計算など)
これらの基礎が身についていることで、新卒と比較して教育にかかるコストや時間を抑えられるというメリットがあります。企業としては、早期に戦力として活躍してくれることを期待できるため、第二新卒の採用に積極的になるのです。
即戦力となり得る
コンサルティング業務は多岐にわたり、特定の業界知識や専門スキルが求められる場面も多くあります。もし第二新卒の方が、前職で以下のような経験やスキルを培っている場合、それは大きなアドバンテージとなります。
例えば、金融、製造、IT、医療といった特定の業界に関する深い知識や、プログラミング、データ分析、語学力(特に英語)、会計知識(簿記など)、マーケティングといった専門スキル、あるいは経営企画、事業開発、ITシステム導入、M&A関連業務などの具体的な業務経験です。
これらの経験やスキルを持つ第二新卒は、特定のプロジェクトにおいて即戦力に近い活躍が期待されます。そのため、ポテンシャルだけではなく、これまでの経験を評価されて採用に至るケースも少なくありません。
ご自身がこれまでに培ってきた経験が、コンサル業界でどのように生かせるのか、そしてどの企業がそれを求めているのかを知りたいなら、転職サイトへの登録がおすすめです。20代・第二新卒に特化した「Re就活」なら、あなたの市場価値を正しく評価してくれる企業を見つけやすいでしょう。

第二新卒でコンサルを目指す人が多いのはなぜ?
一方で、第二新卒の側から見ても、コンサル業界は魅力的な選択肢として人気が高まっています。なぜ多くの第二新卒がコンサルを目指すのでしょうか? その主な理由を4つご紹介します。
さまざまな業界で通用するスキルを身に付けられる
コンサルタントの仕事を通じて得られるスキルは、特定の業界や企業に限定されず、どこでも通用する汎用性の高いものが多いのが特徴です。例えば、複雑な課題を分析し本質を見抜いて解決策を導き出す「論理的思考力・問題解決能力」や、クライアントやチームメンバーと円滑に意思疎通を図り自身の考えを分かりやすく伝える「コミュニケーション能力・プレゼンテーション能力」が磨かれます。
また多様な業界や企業の課題に取り組む中で得られるビジネス全般に関する「幅広い知識・視野」、そして複数のタスクを管理し計画通りにプロジェクトを推進する「プロジェクトマネジメント能力」も身に付けることができるでしょう。
これらのスキルは、将来的にどのようなキャリアに進むとしても役立つスキルです。若いうちにこれらのスキルを集中的に鍛えられる環境は、自身の市場価値を高めたいと考える第二新卒にとって大きな魅力となっています。
研修で基礎知識を身に付けられる
多くのコンサルファームでは、未経験者や第二新卒向けの充実した研修制度を用意しています。入社後の研修を通じて、コンサルティングの基礎知識、業界知識、思考法(フレームワーク)、資料作成スキルなどを体系的に学ぶことができます。
また配属後もOJT(On-the-Job Training)形式で先輩コンサルタントから直接指導を受けられたり、メンター制度によってキャリア相談に乗ってもらえたりと、継続的なサポート体制が整っているケースが多いです。未経験からでもコンサルタントとしてのキャリアをスタートできる環境があることも、人気の理由の一つです。
速いスピードで成長しやすい
コンサル業界は、圧倒的なスピードで成長できる環境であるといわれています。
その理由は、まず、クライアントが抱える複雑で困難な課題に若いうちから向き合うことで、実践的な経験を短期間で積める点にあります。
また上司や先輩から日々の業務に対して具体的かつ的確なフィードバックを受ける機会が多く、高速で改善サイクルを回せる文化も成長を後押しします。
さらに、担当するプロジェクトや業界が変わるたびに新しい知識や情報のインプットが求められるため、常に学び続ける姿勢が自然と身につきます。
加えて、年齢や経験に関わらず実力次第で責任ある仕事を任されることが多く、主体性やリーダーシップも早期に養われるでしょう。
厳しい環境ではありますが、その分、他の業界では得られないような速いスピードでの自己成長を実感できるでしょう。
年収を上げられる
一般的に、コンサル業界は他の業界と比較して給与水準が高い傾向にあります。これは、第二新卒であっても同様です。
例えば、大手総合コンサルファームのアクセンチュアでは、第二新卒(アナリスト職)の年収は430万円とされています(※)。また外資系戦略コンサルファームなどでは、初年度から500万円以上の年収提示があるケースも珍しくありません。
多くのファームでは実力主義・成果主義の評価制度を採用しており、成果を出せば年齢に関係なく昇給や昇進が可能です。コンサルタント、マネージャーと役職が上がるにつれて年収も大幅にアップし、20代で年収1,000万円を超えることも夢ではありません。高い報酬を得られることも、コンサルを目指す大きな動機の一つとなっています。
※参考:Openwork.「【第二新卒】ビジネスコンサルタント/ソリューション・エンジニア」.(参照 2025-05-02)
コンサルの「ポテンシャル採用」の2つの種類

第二新卒のコンサル採用では、「ポテンシャル採用」という言葉をよく耳にします。これは、現時点でのスキルや経験よりも、将来性や伸びしろを重視する採用方法のことですが、実は大きく分けて2つのタイプがあります。
業界・業種未経験可の採用
業界・業種未経験可の採用は、コンサルティングの実務経験がない第二新卒を広く対象とした採用枠です。多くの場合、「第二新卒採用」「ポテンシャル採用」といった名称で募集されています。
このタイプの採用で重視されるのは、特定の業界知識や専門スキルよりも、論理的思考力、問題解決能力、コミュニケーション能力、学習意欲、地頭の良さといった、コンサルタントとしての素養です。学歴フィルターが存在するファームもありますが、人物面やポテンシャルが評価されれば、多様なバックグラウンドを持つ人材に門戸が開かれています。
入社後の研修制度が充実しており、コンサルタントとしての基礎をゼロから学べる環境が整っていることが多いのも特徴です。まずはコンサル業界に飛び込んでみたい、という方にとっては最適な選択肢といえるでしょう。
特定の経験が必須の採用
もう一つは、特定の業界や職種における実務経験を持つ第二新卒を対象とした採用枠です。「条件付きポテンシャル採用」とも呼ばれます。
この場合、コンサルティング経験は問われませんが、以下のような特定の経験やスキルが応募条件として設定されます。
・システム開発(要件定義、設計、開発、テスト等)の経験、特定のプログラミング言語スキル
・銀行、証券、保険会社などでの実務経験
・公認会計士資格、簿記2級程度の知識、経理・財務経験
・その他特定業界(製造、製薬、エネルギーなど)での実務経験、マーケティング経験、人事経験など
このタイプの採用では、前職で培った専門知識やスキルを活かして、特定の領域で早期に活躍することが期待されます。そのため、選考では具体的な経験や実績について詳しく問われることになります。自身の経験を活かして専門性の高いコンサルタントを目指したい方に向いているといえます。
第二新卒からコンサルタントへの転職の難易度は高い?
ここまで見てきたように、第二新卒がコンサルへ転職する道は開かれています。しかし、その難易度は決して低くはありません。
コンサル業界は依然として人気が高く、特に知名度の高い大手ファームには、優秀な人材からの応募が集中します。第二新卒向けの採用枠は増加傾向にあるとはいえ、限られたポストを多くの候補者で争うことになるため、選考を通過するのは容易ではありません。
またコンサルタントの仕事は知的なハードワークであり、高いレベルの思考力やストレス耐性が求められます。選考過程では、ケース面接(特定の課題に対する解決策を考える面接)やフェルミ推定(捉えどころのない数値を論理的に概算する問題)などを通じて、候補者のポテンシャルや適性が厳しく評価されます。
さらに、求められるのは業務知識やスキルだけではなく、次章で解説するようなコンサルタントとしてのマインドセットやポータブルスキルです。これらを面接などの場で効果的にアピールできるかどうかが、合否を分ける鍵となります。
コンサルに求められるマインドやスキル
では、第二新卒からコンサルへの転職を成功させるためには、どのような素養や能力が求められるのでしょうか? ここでは、特に重要とされる4つのマインドやスキルについて解説します。
課題解決能力・論理的思考力
コンサルタントのコアスキルともいえるのが、物事を筋道立てて考え、複雑な問題を解決に導く力です。これには、表面的な事象にとらわれず問題の本質を見抜く「課題発見力」や、情報を整理・構造化して全体像を把握する「分析力」、限られた情報から仮説を立て検証を繰り返す「仮説思考力」、そしてデータや事実に基づき客観的に判断する「論理的思考力(ロジカルシンキング)」といった能力が含まれます。
コンサルタントには、これらの能力を駆使して、クライアントが納得できる解決策を導き出すことが求められます。ケース面接などで特に試される能力です。
当事者意識
コンサルタントは、クライアント企業の課題解決を支援する仕事ですが、決して「他人事」として捉えてはいけません。クライアントの課題を自分の課題であるかのように捉え、責任感を持って主体的に取り組む「当事者意識」が不可欠です。
・プロジェクトの成功にコミットし、最後までやり遂げる粘り強さ
・指示待ちではなく、自ら課題を見つけ、改善提案を行う積極性
・クライアントの立場や状況を深く理解し、真摯に向き合う姿勢
このような当事者意識を持つことで、クライアントからの信頼を得られ、より質の高いコンサルティングを提供することができます。
コミュニケーションスキル
コンサルタントは、クライアント企業の経営層から現場担当者、そしてプロジェクトチームのメンバーまで、多様な立場の人々と円滑にコミュニケーションを図る必要があります。具体的には、以下のような力が求められます。
・相手の話を注意深く聞き、意図や背景を正確に理解する傾聴力
・自分の考えや分析結果を、論理的かつ分かりやすく伝える説明力・プレゼンテーション能力
・議論を整理し、合意形成を促進するファシリテーション能力
・相手の懐に入り込み、信頼関係を築く人間関係構築力
これらの高度なコミュニケーションスキルは、情報収集、課題分析、解決策の提案、実行支援といった、コンサルティングのあらゆるプロセスにおいて求められます。
吸収力
コンサルタントは、常に新しい知識や情報を学び続ける必要があります。
担当する業界やテーマは多岐にわたり、昨日までの常識が通用しないことも少なくありません。そのため、未知の分野に対しても臆することなく、素早く知識やスキルを吸収していく力が非常に重要です。
具体的には、新しい情報や環境に対する好奇心と学習意欲を持ち、多様な業界知識や専門用語を積極的に学ぶ姿勢が大切です。また、上司や先輩からのフィードバックを素直に受け止め自身の成長につなげる謙虚さや、変化に柔軟に対応し学び続けることができる継続力も求められます。「知らないことは恥ずかしいことではない、学ばないことが問題だ」というマインドセットを持ち、常にアンテナを張ってインプットを続ける姿勢が求められます。
まとめ
結論として、第二新卒からコンサルへの転職は十分に可能です。コンサル業界は成長に伴い人材を求めており、第二新卒のポテンシャルや基礎的なビジネススキルに期待が寄せられています。コンサルタントとして働くことで、汎用性の高いスキルを習得し、速いスピードで成長できる、高い年収を目指せるなどのメリットがあります。
ただし、転職の難易度は高く、成功のためには明確な目標設定、自己分析、業界・企業研究、そしてコンサルタントに求められるマインドやスキルの習得が不可欠です。
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