「第二新卒の転職は厳しい」という噂をWebサイト上などで目にして、不安を感じている第二新卒の方もいるのではないでしょうか。
確かに第二新卒には、転職でネックになる部分もあります。しかし、企業が第二新卒ならではの特徴や強みに魅力を感じているのも事実です。これからご紹介するポイントを意識することで、自分らしい強みを生かした転職の可能性が広がっていきます。
本記事では、第二新卒の転職に不安を感じている方へ向けて、転職が厳しいといわれる背景や、企業が第二新卒に期待していることを解説します。さらに、自分らしいキャリアの軸を見つける方法や、スムーズに転職活動を進めるためのコツ、今の職場で希望をかなえるための選択肢もご紹介。記事の内容を参考に、自分に合った転職活動の進め方を見つけてみてください。
目次
第二新卒の転職活動が厳しいといわれる3つの理由
企業が第二新卒に期待する3つの強み
転職活動成功の鍵は「転職活動の軸」
【5ステップ】企業に響く「転職活動の軸」の作り方
【例文あり】「転職活動の軸」を生かした転職理由の伝え方
第二新卒の転職活動をスムーズに進める5つのポイント
まだ辞めないという選択肢も|現職で希望をかなえる3つの方法
第二新卒の転職活動で押さえておきたい心構え
まとめ
第二新卒の転職活動が厳しいといわれる3つの理由
第二新卒の転職は「厳しい」と耳にすることが多いですが、その背景を理解すると、どう備えるべきかが見えてきます。ここでは、転職活動が厳しいといわれる主な理由を3つに分けて整理しました。
・短期離職への懸念を持たれやすい
・中途ほどのスキルが期待できない
・同じ第二新卒のライバルが多い
短期離職への懸念を持たれやすい
第二新卒は短期離職した経歴がある分、採用担当者に「またすぐに辞めてしまうのでは?」と懸念を持たれやすい傾向にあります。そのため、転職活動のハードルが高いと考える方も多いようです。
中途ほどのスキルが期待できない
第二新卒は社会人経験が短いため、ベテランの中途採用者ほどのスキルや実績を期待できません。企業の即戦力として活躍するまでには教育コストや時間がかかるため、企業から敬遠されるのではないかと考えられがちです。
同じ第二新卒のライバルが多い
近年は第二新卒の採用市場が活発化しており、選択肢が増加している反面、ライバルも増えています。競争率が高くなれば採用確率は低下するため、転職活動のハードルも高くなっているようです。
企業が第二新卒に期待する3つの強み
企業が第二新卒を採用する背景には、若手ならではの柔軟性や成長性への期待があります。ここでは、企業が第二新卒にどのような強みを求めているのかを3つに分けて解説します。自分の強みをどうアピールすれば良いかを考えるヒントにもなるので、ぜひチェックしてみてください。
社会人としての基礎スキル
第二新卒は社会経験のない新卒に比べると、基本的なビジネスマナーやパソコンスキルなど、社会人としての基礎スキルを備えています。
そのため、教育にかかるコストや手間を省けるところが大きな魅力として捉えられているようです。
若さとポテンシャル
まだ特定の会社の文化や社風に染まっていない第二新卒は、新しい職場に順応しやすく、高いポテンシャルを期待できます。
また若さ故の柔軟性や体力も企業にとって魅力的な要素です。
現実的な職業観
第二新卒は一度社会に出た経験を基に、よりリアリティのある視点で仕事を選ぶ傾向にあります。
そのため、仕事へのミスマッチや理想と現実の乖離に悩むリスクが少なく、長く定着してくれることを期待する企業も多いようです。
転職活動成功の鍵は「転職活動の軸」

第二新卒の転職を成功させるためには「自分はどんなキャリアを描きたいのか」という軸を持つことが大切です。軸がはっきりしていれば、求人選びや面接での受け答えに迷いが少なくなり、納得感のある転職につながります。ここでは、転職活動の軸がなぜ重要なのかを3つの視点から解説します。
企業選びに一貫性が出る
自分が大切にしたい価値観や、働く上で外せない条件を明確にしておくことで、応募する企業の基準がはっきりします。結果として、妥協して企業を選ぶことが減り、入社後のミスマッチも防ぎやすくなります。
説得力のあるアピールができる
転職活動の軸があれば、数ある企業の中から、なぜその企業を選んだのかを自分なりの言葉で語れるようになり、志望動機に説得力を持たせられます。
自信を持って転職活動を進められる
転職活動の軸を定めて自分の価値観や希望する条件を明確にできれば、周囲の意見や世間の噂などに惑わされず、自信を持って転職活動を進められるようになるでしょう。
【5ステップ】企業に響く「転職活動の軸」の作り方
転職活動の軸がしっかりしていれば、書類選考や面接での自己PRに説得力が増し、企業に自分の思いがより伝わりやすくなります。ここでは、その軸を作るための具体的な手順を5つのステップに分けて解説します。
・Step1:自己分析
・Step2:価値観の明確化
・Step3:企業研究
・Step4:言語化
・Step5:第三者への壁打ち
Step1:自己分析
学生時代やアルバイト、前職での経験やエピソードを振り返って、自分の好きなことや得意なこと、やりがいを感じたことなどをノートに書き出してみましょう。過去の自分の行動や気持ちを再確認すると、自分の価値観や優先順位がはっきりして、自分なりの転職活動の軸が見えやすくなります。
Step2:価値観の明確化
仕事において譲れない条件と、できれば実現したいけれど妥協できる条件を仕分けし、各々に優先順位を付けていきましょう。
例えばキャリアアップを重視したいのなら、勤務地や入社直後の待遇はある程度妥協する、などです。仕分けをすると、自分の価値観や重視する要素がより明確になり、企業選びの指針になります。
Step3:企業研究
次に、興味がある業界や企業を研究し、自己分析の結果や譲れない条件と照らし合わせてみましょう。
両者で合致するポイントが見つかったら、情報をより深掘りし「なぜその企業を志望するのか」「どのような点に共感したのか」を整理します。企業研究はコーポレートサイトや会社案内の他、Web上の口コミサイトや、SNSなどを参考にすると良いでしょう。
Step4:言語化
自己分析と企業研究の結果を結び付け、一つのストーリーとして言語化します。
例えば「前職での営業経験を生かし、顧客目線の製品を開発してきた実績のある会社に転職したい」「前職の事務でITによる業務効率化を行った経験からエンジニアに興味を持ち、未経験者への門戸を開いている企業への転職を決意した」など、一貫性のある物語を作ることが大切です。
Step5:第三者への壁打ち
言語化した内容を友人や転職エージェントに向けて話してみて、客観的なフィードバックを得ましょう。
フィードバックの内容を基に、志望動機や自己PRをブラッシュアップすれば、より効果的な転職活動の軸を作れます。また第三者を交えて模擬面接を行えば、基本的なマナーや声の大きさ、話し方やスピードなども確認できるため、一石二鳥です。
20代向けのサポートが充実している「Re就活エージェント」なら、キャリアの棚卸しから面接対策まで、専任アドバイザーが伴走してくれます。客観的なアドバイスを受けながら進めることで、自信を持って転職活動に臨めるようになるでしょう。

【例文あり】「転職活動の軸」を生かした転職理由の伝え方

作成した転職活動の軸を基に、ネガティブな退職理由をポジティブな転職理由に変換する作業を行います。
他責になったり、愚痴で終わったりしないよう、前向きな姿勢や向上心をアピールする内容に置き換えるのがポイントです。
以下では具体的な例文を紹介します。
【例文1】
前職では事務職に従事しており、業務の効率化や営業部のサポートを行う仕事に携わっていました。その過程でDX化に興味を持ち、提案したところ、予算の問題で難しいと言われ、実現が叶いませんでした。
御社が取り組むDXプロジェクトの中でも、〇〇(具体的な施策や事業)に強く共感しています。前職で得た業務改善の知見と、独学で磨いたITスキルを組み合わせ、業務効率化や顧客満足度の向上に貢献したいと考えています。
【例文2】
私は前職で営業職に就いており、日頃から開発部と連携し、お客さまの声を製品改善に反映する取り組みに携わっていました。特に〇〇(具体的なエピソード:例/〇〇製品の改良提案が採用され、売上〇%増に貢献)という経験を通じて、お客さまの課題を自身のアイデアで解決することへのやりがいを感じ、企画開発職への転職を考えるようになりました。
営業で培ったヒアリング力と課題解決力を生かし、御社が進める〇〇(応募先の具体的な事業や方針)に貢献したいと考えています。特に、〇〇分野での新規プロジェクトに関わり、お客さまの声を形にする役割を担いたいと思っています。
第二新卒の転職活動をスムーズに進める5つのポイント
第二新卒の転職活動では、限られた時間の中で情報収集から面接対策まで同時並行で進める必要があります。だからこそ、事前に押さえるべきポイントを知っておくことが大切です。ここでは、転職活動を効率よく、かつ納得のいく形で進めるための5つのポイントをご紹介します。
【ポイント1】自己分析を徹底的に行う
【ポイント2】早めに行動を開始し、スケジュールを管理する
【ポイント3】応募書類の質を高める
【ポイント4】面接対策を怠らない
【ポイント5】転職エージェントを賢く活用する
【ポイント1】自己分析を徹底的に行う
自分の強み・弱みとなる要素や、自分が重視する価値観を正確に理解することは転職活動の基本です。
自己分析に使えるフレームワークを複数活用し、多角的な自己分析を徹底して行うようにしましょう。フレームワークの例としては、思考プロセスを見える化できる「マインドマップ」、強み・弱み・機会・脅威の4つの要素を分析して現状を把握する「SWOT分析」などが挙げられます。
質問に答えていくだけで自分の適性をチェックできる診断ツールなどを活用するのもおすすめです。Re就活では「適職診断テスト」を提供しています。いくつかの質問に答えるだけで、あなたの強みや適性が分かります。まずは気軽にお試しください。

【ポイント2】早めに行動を開始し、スケジュールを管理する
転職したい時期から逆算してスケジュールを立て、早めに行動を開始しましょう。期間を定めて行動しなければ活動が間延びし、いたずらに時間が経ってしまう可能性があります。
なお、在職中の方は特別な事情(ストレスによる心身の消耗など)がない限り、働きながら活動を進めるのがおすすめです。収入を失うと転職活動に焦りが生じ、企業選びで妥協してしまう可能性があるため、仕事と転職活動の両立を心掛けましょう。
【ポイント3】応募書類の質を高める
履歴書や職務経歴書には、前職で何を学んだのか、どのように感じたか、どのような成果を上げたのか、などを具体的に記載することが大切です。短い社会経験の中でも学びがあったことを伝えれば、成長意欲や向上心のある人材と評価してもらいやすくなります。
なお、志望動機や自己PRはどの企業にも当てはまるような内容だと説得力に欠けるため、応募企業の理念や経営方針、業務内容、社風などに合わせて工夫しましょう。
【ポイント4】面接対策を怠らない
前職を辞めた理由については、たとえネガティブな原因であっても、ポジティブな内容に置き換えることが大切です。
例えば「給与が低い」なら「適正な評価制度を導入しているところで働きたい」。「残業が多い」なら「ワークライフバランスの取れた職場で働いてスキルアップに努めたい」など、学習意欲や成長意欲をアピールできるような内容にするのがポイントです。退職理由以外にも、よく聞かれる質問への回答を事前にまとめておくと、落ち着いて本番に臨めます。
【ポイント5】転職エージェントを賢く活用する
第二新卒の転職活動に強い転職エージェントを利用し、プロに自己分析やキャリアの棚卸し、求人紹介、書類添削、面接対策などをサポートしてもらいましょう。一般に公開されていない非公開求人も多数取り扱っているため、自分に合った求人をより多く見つけられる可能性があります。
特に働きながら転職活動を進める方は時間的な制約が大きいため、プロの力を借りて二人三脚で進めていった方が、情報収集や書類作成、面接準備の負担を減らし、余裕を持って転職活動に取り組めます。

まだ辞めないという選択肢も|現職で希望をかなえる3つの方法
ここまで第二新卒の転職活動について説明してきましたが、現職に留まりながら希望を叶えるというのも選択肢の一つです。
ここでは現職で悩みの解決や目標の達成を実現するために実践したい方法を、3つご紹介します。
【方法1】部署異動を希望する
「仕事にやりがいを感じない」「人間関係に悩んでいる」などの場合は、部署異動を希望するのも選択肢の一つです。部署が変われば業務内容や人間関係も大きく変わるため、問題が解決する可能性があります。
まずは上司や人事部に相談するか、あるいは社内公募制度(特定の部署に異動する人材を募集する制度)を活用するなどして、問題解決に努めてみましょう。
【方法2】スキルアップのための目標を設定する
仕事へのやりがいを感じない場合は、特定の資格やスキルを取得するなど、スキルアップのための目標を設定するのがおすすめです。明確な目標があればモチベーションが高まり、日々の生活に刺激やメリハリを感じられるようになります。
習得した資格やスキルが社内での評価やインセンティブの対象になったり、将来の転職で有利な材料になったりすれば、一石二鳥です。
【方法3】副業などで新たな経験を積む
勤め先が許可しているのなら、副業などで新たな経験を積むのも方法の一つです。興味のある分野での副業はモチベーションの向上につながりますし、本業では得られない新たなスキルや人脈を獲得すれば、今後のキャリアの選択肢を拡げられます。
さらに副業で収入が増えれば、将来転職活動を行う際の資金も準備できるでしょう。ただし、副業は禁止としている企業もあるので、就業規則を確認してください。
第二新卒の転職活動で押さえておきたい心構え

転職活動は情報収集や選考対策だけでなく、取り組む姿勢や考え方も結果を大きく左右します。
最後に、第二新卒が転職活動を進める上で意識しておきたい心構えを2つに絞ってご紹介します。
新卒の転職活動とは違うことを理解する
第二新卒の転職活動では、ポテンシャルの他に、社会人経験で培った知識や学び、そこから得たスキルなども選考の対象になります。学生時代に行う新卒の転職活動とは違うため、社会を経験した一人のビジネスパーソンとして応募企業と向き合う姿勢を意識しましょう。
学生気分が抜けないまま転職活動に臨むと「社会で何も学んで来なかった」などのマイナスイメージを持たれる原因となるため、意識を切り替えて臨みましょう。
他人と比較せず、自分のペースを守る
第二新卒で転職活動を行っていると、同期の活躍やSNSの情報が目に入ることも多いと思いますが、周囲の影響で自分のペースを乱されないようにしましょう。
転職活動に対する思いや価値観は人それぞれ異なるため、他人の行動や意見を参考にして転職活動しても、自分に合った企業が見つかるとは限らないからです。
一般論や周囲の行動に惑わされることなく、徹底した自己分析を基に作り上げた転職活動の軸を信じて活動すれば、どの企業に就職しても納得のいく結果になるでしょう。
まとめ
第二新卒は社会人としての基礎スキルや若さ、ポテンシャルなどを評価されるため、転職活動の軸を基に活動を進めれば、自分にぴったりの企業への就職は決して難しくありません。自己分析や企業研究を徹底し、しっかりとした転職活動の軸を作った上で転職活動に臨みましょう。
ただし、働きながら転職活動をするのは体力的にも時間的にも厳しくなりがちです。そのようなときは、第二新卒の転職に強い転職活動サービスの利用がおすすめです。
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