転職面接での自己紹介は、第一印象を決める大切なものです。それだけに「どのように自己紹介したら好印象なんだろう?」「失敗したら不採用になってしまうかも」と不安に思っている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、面接官に好印象を抱いてもらえる自己紹介の基本的な構成や、パターン別の例文、好印象を与えるためのポイントをまとめました。
ぜひ参考にしてください。
【この記事で分かること】
・採用面接の自己紹介は、アイスブレイクの他、応募者の人柄や経歴、熱意の有無を確かめる意図がある
・自己紹介は1~2分を目安とし、必要な項目を簡潔に分かりやすく伝えるのがポイント
・嘘やネガティブな意見はNG。前向きな姿勢を心掛けて自己紹介文を作成する

目次
面接官が自己紹介を求める理由は?
転職面接の自己紹介で伝えるべき基本項目
転職面接の自己紹介で好印象を与える伝え方のポイント
転職面接でよくある失敗例
自己紹介のOK例・NG例
まとめ
面接官が自己紹介を求める理由は?

面接官が応募者に自己紹介を求める理由は大きく分けて4つあります。
・アイスブレイクのため
・人柄やコミュニケーション能力を確認するため
・経歴を把握し、その後の質問に生かすため
・熱意があるかどうかを判断するため
それぞれの理由を詳しく見ていきましょう。
アイスブレイクのため
アイスブレイクとは、緊張しがちな場を和ませるために行うコミュニケーション方法です。
ほとんどの応募者は、採用面接の本番を迎えて緊張しています。そこで面接官は自己紹介を挟むことで場の緊張を和らげ、リラックスして面接に臨めるよう配慮しているわけです。
また緊張がほぐれれば応募者の素顔が出やすくなるため「本来の人柄や能力を知りたい」という思いから自己紹介をお願いするケースも多いようです。
人柄やコミュニケーション能力を確認するため
面接官は自己紹介を通じて、応募者の人柄やコミュニケーション能力の有無を確認したいと思っています。そこで自己紹介の内容はもちろん、話し方や言葉遣いの丁寧さ、これまでの経験や実績、質問への理解度などをチェックしています。
自己紹介は短時間で終わりますが、第一印象を決定づける重要な場面であり、その後のやり取りにも影響を与えるため、しっかりと準備をしていきましょう。
経歴を把握し、その後の質問に生かすため
自己紹介には、応募者の全体像やこれまでの職務経歴の概略を把握し、その後の質問につなげようとする目的もあります。
面接官は採用面接を通して、応募者が「自社とマッチしているか」「自社で活躍する意欲がどのくらいあるか」などを確認する必要があります。履歴書や職務経歴書だけでは伝わらない仕事への向き合い方や価値観などを確認する目的で、自己紹介で触れられた内容について質問を行うことがあるのです。
例えば、自己紹介で説明されたスキルや経歴などをベースに「前職では◯◯に従事されていたようですが、なぜ未経験の業種に挑戦しようと考えたのですか?」という流れで志望動機や転職理由を尋ねます。
熱意があるかどうかを判断するため
自己紹介するときの話し方や表情などから「どうしても入社したい」という熱意がどのくらいあるかをチェックするという意図もあります。
熱意は態度に表れやすいため、元気よくはきはきと話すのはもちろん、自己紹介の内容も事前にきちんと用意し、準備万端で臨んでいるという姿勢を示すようにしましょう。
面接がスタートした時点で、面接官による応募者のチェックは始まっています。応募先企業に合わせて、自己紹介の内容をしっかり準備しておきましょう。
転職面接の自己紹介で伝えるべき基本項目
転職面接の自己紹介では、自分の経歴や人柄、熱意などを伝えるために、5つの項目について話しましょう。
・氏名とあいさつ
・前職/現職での業務期間・内容
・応募企業で生かせる実績やスキル
・志望理由
・結びの言葉
具体的にどのような内容を話せばよいのか、チェックしていきましょう。
氏名とあいさつ
まずは面接の機会を設けてくださったことへの感謝を述べてから、氏名をフルネームで伝えます。
最初に感謝の気持ちを伝えると、基本的なビジネスマナーを身に付けていることへのアピールにもなり、一石二鳥です。
具体的な例としては「本日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます。◯◯と申します」と、明るくはきはきとした口調で切り出しましょう。
前職/現職での業務期間・内容
これまでどのような企業で、どのくらいの期間、どういった職務に携わってきたのかを簡潔に説明します。例えば「◯◯株式会社の営業部に所属し、入社してから2年間にわたって新規顧客の開拓を担当してきました」などと伝えます。
難しい専門用語は使わず、誰でも分かりやすい言葉を使うのがポイントです。転職回数が多くて全ての業務を説明しきれない場合は、直近で勤めていた会社名や業務内容、役職を伝えるとよいでしょう。
応募企業で生かせる実績やスキル
これまで習得してきたスキルや実績のうち、応募企業で生かせるものを具体的なエピソードを交えて伝えましょう。
なお、ここで話した内容は後の質問で深掘りされる可能性が高いため、この時点で詳しく説明する必要はありません。積極的にアピールしたいポイントのみをピックアップすれば、分かりやすく簡潔にまとめられます。
実績がない場合は、転職後にスキルや知識を学んで成長する意欲があることや、周りの人と協力して仕事をするチームワークを重視している点などをアピールするとよいでしょう。
志望理由
応募企業を志望した理由や、入社への意気込みを簡単に説明します。実績やスキルと同じく、志望動機は改めて質問される可能性が高いため、ここではシンプルにまとめることを意識しましょう。
前職で学んだスキルや知識を踏まえて説明すると説得力が増しますが、未経験の業種・職種にチャレンジする場合は、コミュニケーション能力や問題解決力などのどこでも活用できるスキルをアピールするのがおすすめです。
結びの言葉
自己紹介が終わったら「本日はどうぞよろしくお願いいたします」という結びの言葉で締めくくりましょう。結びの言葉がないと面接官は自己紹介が終わったのかどうか判断しにくいためです。
基本のビジネスマナーをわきまえている人としてプラスの印象も与えられるでしょう。
転職面接の自己紹介で好印象を与える伝え方のポイント
自己紹介で面接官に好印象を与えられるよう、面接では以下3つのポイントを意識しましょう。
・簡潔にまとめることを意識する
・話し方や態度に気を配る
・ネガティブな話をしない
それぞれどのような点に気を付ければよいか、詳しく説明します。
簡潔にまとめることを意識する
自己紹介のポイントは、簡潔に分かりやすくまとめることです。あまり長々と話すと要点が伝わりにくくなり「質問の意図が分かっていない」「情報を整理する能力が低い」といったネガティブな印象を持たれてしまう可能性があります。
そのため、自己紹介の内容を考えるときは基本的に1~2分で収めることを意識しましょう。
ただし、企業によっては「3分程度で」と具体的な時間を指定してくるところもあります。その場合、あまり短いとボリューム不足になるため、2分強~3分程度のやや長めのバージョンも用意しておくと安心です。
話し方や態度に気を配る
採用面接では話す内容だけではなく、話し方や態度にも気を配ることが大切です。
ただし、緊張や不安が強くなると、声が小さくなったり早口になったりしてしまう…という方もいるでしょう。そのような方は、日頃から明るく大きな声で、ゆっくりと話す練習をしておくのがおすすめです。
必要以上に声を出すと印象を悪くする可能性があるため、面接官との距離を踏まえながら、声のボリュームを微調整しましょう。
表情は口角を少しだけ上げて自然な笑顔をキープすると、明るい印象になります。
また立っているときも座っているときも背筋はきちんと伸ばすことを意識すると、自信のある態度をアピールできます。
ネガティブな話をしない
転職する理由が前職への不満だったとしても、ネガティブな話をするのはNGです。
愚痴や不満ばかり話すと「他責思考が強い人だな」と見なされ、早期離職を懸念されてしまうかもしれません。
苦労したエピソードを盛り込むときは「大変だった」「辛かった」のみで終わらせず、そこから学んだことや、工夫して改善に取り組んだ経験などを話すとポジティブなイメージを持ってもらえるでしょう。

転職面接でよくある失敗例

転職面接では、緊張や準備不足などから、以下のような失敗をしてしまうことも少なくありません。
・話が長過ぎたり短過ぎたりする
・質問と回答がずれてしまう
・業務に関係のない話をしてしまう
ここでは本番で失敗しないために、失敗例から学びたいポイントをまとめました。
話が長過ぎたり短過ぎたりする
自己紹介が長過ぎたり、短過ぎたりすると「質問の意味が分かっていないのでは?」とマイナスの評価をされてしまう可能性があります。
「自分をアピールしたいと意気込んだら話が長くなってしまった」という失敗はよくあることですが、面接官が求めているのはあくまで自己紹介であるため、自己PRや志望動機まで詳しく説明する必要はありません。
かといって、あいさつや氏名、経歴のみの短い自己紹介をすると「やる気がなさそう」「きちんと準備してきていない」と見なされる場合があります。そのため、自己紹介は長過ぎず短過ぎず、1分程度でまとめられるよう練習しておくのがおすすめです。
質問と回答がずれてしまう
「自己紹介を求められているのに、いつの間にか志望動機や自己PRを語ってしまった…」といった、質問と回答がずれてしまうケースは少なくありません。
自己紹介では経歴や応募企業で生かせる実績・スキルなどを簡潔に説明するため、志望動機や自己PRと混同してしまうのはよくあることです。
しかし、自己紹介は自分の大まかな人柄を知ってもらうものであり、目的が大きく異なります。なぜ自己紹介を行うのかをしっかり理解した上で、要点のみを簡潔に伝えるよう意識しましょう。
ただし自己紹介の文章を丸暗記していると、質問と回答にズレが生じやすくなります。丸暗記するのではなく、要点をキーワードとして押さえておくスタイルを採用した方が、その場の雰囲気や面接官の反応などに合わせて臨機応変に対応できるでしょう。
業務に関係のない話をしてしまう
スキルや実績の証明として過去のエピソードを話す際、趣味や学生時代の経験、プライベートな話に脱線してしまうケースは、よくある失敗の一つでしょう。
面接官から聞かれてもいないのに業務に関係のない話をすると「質問の意図が分かっていない」「情報が整理できていない」と思われてしまう可能性があります。
また無関係な話が長引くと、伝えたいことを伝えられずに終わってしまったり、働く意欲や準備不足を疑われたりする可能性があるため、エピソードに盛り込むときは要点を絞り込んで話しましょう。
自己紹介のOK例・NG例
自己紹介の内容やケースを8つのパターンに分け、それぞれOK例とNG例をまとめました。
1.一般的な自己紹介
2.自己PRを交えた自己紹介
3.志望動機を交えた自己紹介
4.未経験・異業種への転職の場合
5.第二新卒の場合
6.転職回数が多い場合
7.ブランクがある場合
8.アルバイトから正社員を目指す場合
自分の状況に合わせて、ぜひ参考にしてみてください。
1.一般的な自己紹介
基本の自己紹介では、以下の内容を整理して伝えましょう。
・あいさつ
・氏名
・職務内容
・実績
・簡単な志望理由
・結び
OK例は以下の通りです。
【OK例】
本日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます。◯◯と申します。
これまで◯◯株式会社の営業部に所属し、入社後2年間にわたって法人の新規顧客開拓に携わってきました。その中でよりお客さまと近い立場から製品やサービスを提案したいと思い、御社を志望しました。営業職として培ったコミュニケーション力やヒアリング力で、御社の業務に貢献できると考えています。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
前職での経験や実績を、具体的な数字を交えて説明することで、短くとも説得力のある内容にまとめています。
基本の自己紹介のNG例は、以下の通りです。
【NG例1】
本日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます。◯◯と申します。
大学では◯◯を専攻し、××の研究に取り組んできました。人と話すことが好きなので、学生時代には飲食店のアルバイトを長期間こなしてきた経験があります。特にカフェでのアルバイトでは、常連の方とも仲良くなり、店長から接客態度を褒められて時給を上げてもらった経験もあります。
元々コミュニケーション能力に自信があり、卒業後は◯◯株式会社の営業部に就職しましたが、時間外労働が多かったため、ワークライフバランスの取りやすい御社で長く働きたいと考え志望いたしました。
私は人と接することを得意としているのはもちろん、何事も最後まで諦めず、粘り強くやり遂げようとする意識を持っているところが強みです。接客業で培ったコミュニケーション能力と、持ち前の根気強さを発揮し、御社に入社した際は一日も早く会社の戦力となり、活躍したいと思っています。
本日はどうぞよろしくお願いします。
【NG例2】
◯◯と申します。
前職では◯◯株式会社にいました。経験やスキルはありませんが、新しい環境に挑戦したいと思って志望しました。
自己PRや志望理由が長過ぎたり、反対に名前や会社名しか伝えなかったりするのはNGです。自己PRや志望動機は後に質問されるため、この段階ではとにかく要点のみを簡潔にまとめることを意識しましょう。またあいさつや実績を省いた短過ぎる自己紹介も、相手に熱意が伝わりにくいためNGとなります。
2.自己PRを交えた自己紹介
自己紹介は基本的に自己PRとは分けて考えますが、大きな成果を残した実績を最初に伝えてインパクトを残したいという方は、次のような例に沿って自己紹介文を考えるとよいでしょう。
【OK例】
本日はどうぞよろしくお願いいたします。本日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます。◯◯と申します。
これまで◯◯株式会社の営業部に所属し、入社後2年間にわたって法人の新規顧客開拓に携わってきました。1年目は苦戦しましたが、上司や先輩に相談し、2年目には前年比140%の営業成績を達成した実績があります。御社でも周囲の方からアドバイスをいただきながら、一日も早く会社に貢献したいと考えています。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
学生時代や前職の具体的なエピソードを盛り込みながら、これまで成し遂げたことや努力した経験などをアピールすると、転職後に活躍する姿をイメージしてもらいやすくなるでしょう。
【NG例】
本日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます。◯◯と申します。
これまで◯◯株式会社の営業部に所属し、入社後2年間にわたって法人の新規顧客開拓に携わってきました。1年目はなかなか成約が取れませんでしたが、持ち前の積極性を生かした結果、徐々に成績を上げることができました。御社でも自主的に仕事に取り組み、貢献していきたいと考えています。
どうぞよろしくお願いいたします。
NG例は、何に対してどのような取り組みを行ったのかが明確にされていないため、説得力に欠けます。インパクトのある自己紹介にするには、数字を使って具体的に説明することが大切です。
3.志望動機を交えた自己紹介
自己PRと同じく、志望動機も自己紹介とは別に考えておく必要がありますが、最初に「この会社に入りたい」「貢献したい」といった熱意を伝えたい方は、以下のような自己紹介文にしてみましょう。
【OK例】
本日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます。◯◯と申します。
私は◯◯株式会社の営業部に所属し、入社後2年間にわたって主に外資系法人の新規顧客開拓に携わってきました。その過程で、海外ならではの営業手法に興味を抱くようになり、グローバルな営業に携わる機会の多い御社に魅力を感じました。ゆくゆくは御社の販路拡大に貢献したいと考えています。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
自分の経験や働く上で重視することと、応募企業ならではの魅力や特徴を照らし合わせて「御社だからこそ働きたい」という意欲をアピールすることが大切です。
【NG例】
本日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます。◯◯と申します。
私は◯◯株式会社の営業部で、入社後2年間にわたって新規顧客開拓に携わってきましたが、残業が多く、プライベートな時間を取れない点に悩みを抱えていました。御社は時間外労働が少なく、福利厚生も充実していると伺ったため、志望しました。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
他社にもよく当てはまるような理由では「自社ではなくてもよいのではないか」と思われる可能性が高いです。
また待遇面は誰しも重視したいところですが、自己紹介であからさまに伝えると「業務内容や企業文化を理解していない」と見なされるリスクがあるため、避けた方がよいでしょう。
4.未経験・異業種への転職の場合
未経験・異業種へ転職する意気込みを交えた自己紹介にする場合は、以下のような自己紹介になります。
【OK例】
本日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます。◯◯と申します。
私は◯◯株式会社の経理部に所属し、請求業務や経費精算業務などに携わってきました。その過程で御社の会計システムを利用し、使い勝手の良いUIや機能に感銘を受け、自分も開発する側になりたいと思い志望いたしました。
開発の経験はありませんが、経理業務全般のスキルやコミュニケーション力は、顧客のニーズの把握に役立つと考えています。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
これまで得た経験などをベースに、なぜ未経験・異業種にチャレンジしようと思ったのかを説明すると説得力が増します。また未経験であっても汎用性の高いスキルを持っていることをアピールすれば、会社に貢献できるという点を強調できるでしょう。
【NG例】
本日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます。◯◯と申します。
学生の頃から数字に強かったことや、高校時代に所属していた陸上部で地道にコツコツ努力を積み重ねる長距離走を得意としていた点から、大学卒業後は◯◯株式会社で経理部に属していました。御社の業種は未経験ですが、持ち前の根気強さを発揮して会社に貢献したいと考えています。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
業務に直接関係のない趣味や学生時代のエピソードを盛り込むと、何を伝えたいのか分からなくなってしまいます。また「根気があれば何とかなる」といった精神論や熱意だけの内容では説得力に欠けるため、要注意です。
5.第二新卒の場合
第二新卒の方が自己紹介で経歴を伝える際は、以下のような内容がおすすめです。
【OK例】
本日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます。◯◯と申します。
私は◯◯株式会社で営業部に所属し、1年半にわたって新規顧客の開拓に携わってきました。その中で、お客さまの潜在的なニーズをくみ取る力や、お悩みを解消する問題解決力を養いました。
御社は海外への販路拡大も積極的に行っていると伺い、自分の能力を生かして会社に貢献できると考えています。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
第二新卒の場合、前職を早期離職したことについて納得のいく説明をするのがポイントです。また長く働く意欲を見せるために、成長意欲や将来のビジョンを提示すると好印象を持ってもらえるでしょう。
【NG例】
本日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます。◯◯と申します。
私は◯◯株式会社で営業部に所属し、1年半にわたって新規顧客の開拓に携わってきました。営業としての実績は少ないですが、学生時代には飲食店で長くアルバイトをしてきた経験があります。
また大学のゼミ活動でもフィールドワークを通してさまざまな人と関わり合い、親睦を深めてきました。大変なこともありましたが、それ以上に楽しい経験という印象が強く、コミュニケーションを取る仕事が適職と感じています。
御社でもその能力を生かし、チームの一員として活躍したいと考えています。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
NG例では学生時代の話が中心となっています。学生時代の経験が社会で役立つことも多いですが、より直近のエピソードや、社会人経験を踏まえたエピソードにしたほうが、より説得力の高いアピールになるでしょう。
6.転職回数が多い場合
転職した回数が多い場合は、以下の例に沿って自己紹介文を考えてみましょう。
【OK例】
本日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます。◯◯と申します。
大学卒業後は食品業界の営業として経験を積み、現在は製造業の営業として3年間勤務しています。さまざまな業界で営業を担当してきた経験から、環境が変わっても臨機応変に対応できる柔軟性に自信があります。
御社は新事業の販路拡大や後進の指導に力を入れていると伺い、自分の経験を生かして会社に貢献できると考えました。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
転職回数が多い場合、一番長く勤めた職場や、直近で働いていた職場にスポットを当て、そこで得たスキル・経験をアピールしましょう。応募企業でも活用できる能力を強調し、即戦力になれる実力があることを示せば、面接官にインパクトを与えられます。
【NG例】
本日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます。◯◯と申します。
大学卒業後は◯◯株式会社で食品業界の営業職に就職しました。その後、△△株式会社で法人営業を1年担当し、株式会社□□では営業事務に携わりました。現在は調理器メーカーの営業として3年間勤務しています。さまざまな会社で働いてきた経験や多様性を生かし、御社で一日も早く活躍したいと考えています。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
「全ての職歴を説明した方が経験の豊富さをアピールできるのでは?」と思うかもしれませんが、内容が冗長になると、かえって伝えたいことの焦点がぼやける原因となるため注意しましょう。
7.ブランクがある場合
ブランクを経て転職の面接を受ける方は、空白期間中に何をしていたかを簡潔に説明しましょう。
【回答例】
本日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます。◯◯と申します。
大学卒業後は◯◯株式会社の経理部に所属し、請求業務などを2年間担当していました。しかし、自分に合う仕事ではないと感じて現在は退職しております。その後自分を見つめ直した結果、人と接する仕事にやりがいを感じることに気付きました。退職後はスキルアップのために、○○の資格を取得いたしました。
御社に入社後は、さらに学びを深めながら、会社の成長や発展の一助になりたいと考えています。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
職歴にブランクがある場合は、空白期間中に何をしていたかを簡潔に説明しましょう。正直に答えにくいかもしれませんが、取り繕った説明では後の質問で食い違いが発生する可能性があるため、ありのままを伝えた上で働く意欲を見せることが大切です。
なおブランクの理由が育児や介護、病気であればそのまま伝え、現在は問題なく仕事に専念できることをアピールしましょう。
【NG例】
本日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます。◯◯と申します。
大学卒業後は◯◯株式会社の経理部に所属し、請求業務などを担当していましたが、人間関係で悩んでしまい、退職することになりました。その後、人と接することに抵抗を感じしばらく家で過ごしていましたが、これ以上ブランクが空くのはよくないと思い、ブランク可の求人を出していた御社を志望しました。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
退職理由やブランクがある理由が周囲の影響によるものであると伝えると、他責思考が強いと見なされ、印象が悪くなってしまいます。
自分のせいではないというのが正直なところではあるかもしれませんが、働く意欲や再スタートへの前向きな気持ちが伝わりにくくなるため、新たな一歩を踏み出したいというポジティブな姿勢を見せた方がよいでしょう。
8.アルバイトから正社員を目指す場合
アルバイトの経験を生かして正社員へ転職する方は、次のような自己紹介となります。
【OK例】
本日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます。◯◯と申します。
大学を卒業後、現在まで飲食業界で3年間アルバイトをし、接客やマネジメント補助などの役割を担ってきました。アルバイト経験で培ったコミュニケーション力や協調性、マネジメント力を生かし、新規顧客開拓に力を入れている御社の販路拡大に貢献したいと考えています。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
アルバイトから正社員を目指す方は、アルバイトの経歴を羅列するのではなく、その経験を通じてどのようなスキル・能力を身に付けてきたのか、それを正社員としてどういう形で生かせるのかを具体的に説明すると効果的です。
【NG例】
本日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます。◯◯と申します。
大学を卒業後、就職活動をしましたがなかなか自分に合った仕事を見つけられなかったため、これまでの3年間、飲食業界でアルバイトをしておりました。
ただ、このままアルバイトとして年齢を重ねていくことに不安を感じたため、未経験可の求人を出していた御社で正社員として働きたいと思い、志望しました。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
アルバイトの業務内容が曖昧で主体性が感じられなかったり、正社員への転職を目指した理由が漠然としていたりすると、面接官から「成長意欲が乏しい」「正社員ならどこでもいいのでは」と思われる可能性があります。
「アルバイトでアピールできることはない」と感じていても、キャリアの棚卸しをすれば強みやスキルが見つかるため、今一度自分の経歴を振り返ってみましょう。
まとめ
転職の採用面接の自己紹介は、応募者をリラックスさせると同時に「人柄やコミュニケーション能力を把握したい」「熱意を知りたい」といった意図があります。企業目線で相手の知りたい項目や内容を簡潔にまとめることが大切です。
自己紹介は基本的に面接の最初に行うため、緊張した状態できちんと伝えられるのかと不安に感じる方も多いでしょう。しかし前もって準備をしておけば自信が付き、転職活動を有利に進めるチャンスにもなります。
今回ご紹介した自己紹介のポイントを参考に、自分の状況に合った魅力的なアピールを行えるよう、準備を進めましょう。
「自己紹介への不安が大きい」「どういう内容にすればいいか自分では思いつかない」という悩みがある方は、転職専門サイトでプロの力を借りるのがおすすめです。
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