第二新卒として応募企業の採用面接に臨んでいる方の多くは「面接では何を聞かれるのだろう」「うまく答えられなかったらどうしよう」などの不安を抱えているのではないでしょうか。確かに、第二新卒と新卒では採用面接で尋ねられることに違いはありますが、質問のパターンはある程度決まっているため、しっかり準備しておけば過度に不安を抱える必要はありません。
本記事では第二新卒として転職を目指している方向けに、面接で評価されるポイントや、よく出される質問の意図と回答例文、具体的な面接対策の流れについて解説します。
目次
面接官は何を見ている? 第二新卒の面接で評価される3つのポイント
【頻出質問10選】質問の意図と回答例文を徹底解説
第二新卒の面接対策5ステップ
まとめ
面接官は何を見ている? 第二新卒の面接で評価される3つのポイント
採用面接の質問対策を考える前に、まず面接官が第二新卒に何を求めているのかをきちんと理解しましょう。
新卒や中途採用とは異なる第二新卒ならではの評価ポイントは、主に以下の3つです。
ポイント1:ポテンシャルと成長意欲
社会人経験の浅い第二新卒は、スキルや実績よりもポテンシャルの高さや成長意欲が重視される傾向にあります。短い社会人経験から何を学んだか、失敗したときにどう立て直したか、転職後はどのようなキャリアを描いているか、などの質問への答えを通じて、学習意欲や向上心、伸びしろの有無をチェックされます。
ポイント2:定着性と自社へのマッチ度
第二新卒は早期離職の経験があるため、面接官は自社に長く定着してくれそうかを重視しています。そのため、前職を辞めた理由や、自社でその問題が解決できそうかどうかを質問し、定着性をチェックしています。
さらに、仕事への価値観や人柄、自社の社風とのマッチ度など、定着性に影響をもたらす要因についても見られていると思った方が良いでしょう。
ポイント3:基本的なビジネススキルと人柄
第二新卒は一度社会に出て働いた経験があるため、基本的なビジネススキルやマナー(言葉遣いや態度など)は身に付いていて当たり前と見なされます。面接時の受け答えはもちろん、服装や髪型といった身だしなみもチェックの対象となるので、第一印象を良くするためにも、事前に整えて臨みましょう。
また業界や職種に関係なく必要となるポータブルスキル(コミュニケーション能力や論理的思考力など)をどれだけ備えているかも、重視されることが多いです。
【頻出質問10選】質問の意図と回答例文を徹底解説

ここからは、実際に第二新卒の面接でよく聞かれる質問を10個ピックアップしてご紹介します。
質問1「自己紹介をお願いします」
自己紹介については、「◯◯と申します。本日はお時間をいただき、ありがとうございます」からスタートし、応募企業で生かせる経験やスキルを中心に簡潔にまとめましょう。経歴の羅列ではなく、入社後の活躍につながるポイントを意識することが大切です。
【OK回答例】
◯◯大学卒業後、××にて◯年間、バックオフィス業務に従事し、ペーパーレス化やワークフローの自動化を企画・導入するなどDX推進を担当しました。前職での経験を生かし、御社の事務体制強化と生産性の高い運営に寄与したいと考えています。
【NG回答例】
私は◯◯大学を卒業後、◯年にわたって××で事務職に従事しました。一カ月の研修を経てワークフローを学んだ後、一人で資料作成や管理に携わってきたため、基本的な事務スキルは備わっています。
質問2「あなたの強みと弱みを教えてください(自己PR)」
自己分析がきちんとできているか、客観的に自分を評価できているかを見極めるための質問です。強みは具体的なエピソードを交えて伝え、弱みは過度に卑下しないよう注意しつつ、改善に向けて努力をしていることを伝えましょう。
【OK回答例】
私の強みは論理的思考能力を備えている点です。前職では客観的かつ具体的なデータを取引先に提示して説得力を持たせたことで、信頼を築いた実績があります。一方で、データ収集に時間をかけるあまり、実行が遅くなる面があるため、あらかじめスケジュールを立てて迅速な行動を心掛けています。
【NG回答例】
私の強みは、データなどに基づいた論理的思考能力を備えていることです。一方、弱みはデータ収集に時間をかけ過ぎるところだと思います。
質問3「当社を志望した理由は何ですか?」
この質問は、その企業への入社意欲や理解度を測るためのものです。企業側は、なぜ自社である必要があるのかを知りたがっています。そのため、入念な企業研究を行った上で、事業内容や経営方針、理念に共感したことや、自身との適性のマッチ度を伝えましょう。
【OK回答例】
私は学生時代に培った語学力を生かせる仕事に就きたいと思っていましたが、前職では実現できませんでした。御社は世界各地に支社を有し、グローバルな業務展開を行っているため、自分の語学スキルを生かせると感じました。TOEICでは850点を獲得し、日常会話も得意なので、実務においても戦力になれると自負しています。
【NG回答例】
私は前職で海外との取引を積極的に行う営業職を志望していましたが、事務職に配属され、異動もかないませんでした。御社は海外支社も多く、未経験でも営業になれると知り、応募しました。
質問4「なぜ前職を辞めようと思ったのですか?(転職理由)」
早期離職リスクやストレス耐性のチェックを目的とした質問です。ネガティブな理由でもポジティブなものに置き換えて回答しましょう。
【OK回答例】
前職では営業職に従事しており、お客さまの悩みや要望を直接聞ける機会に恵まれ、コミュニケーション力やヒアリング力を養いました。営業の仕事を続けていきたいと考えていましたが、事業縮小に伴い総務への異動を打診されたため、営業としてのキャリアをさらに積んでいくことのできる御社を志望いたしました。
【NG回答例】
私は営業の仕事を続けていきたいと考えていました。しかし、前職では業績悪化によって総務への異動を打診されました。総務は私のやりたい仕事ではないと思ったため、転職を決意しました。
質問5「入社後、どのような仕事で貢献したいですか?」
入社後にどのような形で企業に貢献してくれるのかを知るための質問です。これまでの経験や自身のスキル、エピソードなどを基に、具体的な活躍のイメージを示すことが大切です。一方で、意欲のみを語ったり、実現不可能なプランを提示したりするのは避けましょう。
【OK回答例】
エンジニアとしては未経験であるため、まずは基本的な業務を覚えることに注力しつつ、自身でプログラムの学習を続けていきたいです。将来的には前職で培ったヒアリング力や論理的思考力を生かし、顧客のニーズに適したシステム開発に着手する形で御社に貢献したいと考えています。
【NG回答例】
エンジニアは未経験ですが、与えられた仕事は何でも取り組む意欲があります。一年後には一通りの知識とスキルを身に付け、プロジェクトのチームリーダーとして活躍したいです。
質問6「今後のキャリアプランを教えてください」
長期的なキャリアプランの有無を確認して、定着性や成長意欲をチェックするのが目的です。企業研究をしっかり行って事業内容やキャリアパスを理解した上で、実現可能なプランを提示しましょう。
【OK回答例】
自分の分析力や提案力を生かし、消費者の潜在ニーズを捉えた新規サービスの企画を実現したいと考えています。入社後は市場調査やユーザーヒアリングを重ねて分析力を磨き、3〜5年後にはチームの中核として、自ら立案した企画を事業化まで推進できる人材を目指します。
【NG回答例】
まずは仕事に慣れることが第一だと思うので、2年目までに基本的な仕事をこなせるようになりたいです。その後、現場で経験を積みながら少しずつキャリアを考えていこうと思っています。
質問7「学生時代の就職活動と比べて、企業選びの軸は変わりましたか?」
自己分析力と、短い社会経験で何を学んだかを知るための質問です。前職での学びや経験を踏まえ、企業選びの軸がどのように変化したかを伝えることが大切です。前職を全否定する回答や、以前と変わっていないという回答は避けましょう。
【OK回答例】
学生の頃は、自分のコミュニケーション能力を生かした職に従事したいという、漠然とした思いを軸に営業に力を入れている企業を探していました。しかし、実務経験を通じて適切な評価制度の重要性を学び、創意工夫やアイデアによる企業への貢献度が、目に見える形で評価される体制が整っているかどうかが軸になりました。
【NG回答例】
自分のコミュニケーション能力を生かした職に就きたいという思いは学生の頃から変わっていません。ただし、前職は年功序列型で適切な評価を得られなかったため、転職を考えました。
質問8「仕事で失敗した経験と、そこから学んだことは何ですか?」
仕事で失敗したときのストレス耐性や、問題解決力を知るための質問です。客観的に失敗を認めつつ、原因究明と問題解決に向けてどのような行動を取ったかを具体的に説明しましょう。
【OK回答例】
私は前職でミスをしたとき、ぎりぎりまで自分で何とかしようとした結果、報連相が遅れ、企業や取引先に大きな迷惑をかけたことがあります。その経験から、今後はミスの初期段階で報連相をしっかり行い、被害拡大を未然に防ぐことの重要性を学びました。
【NG回答例】
私は前職でミスをしたとき、多忙な上司や先輩に迷惑をかけたくないという思いから報連相が遅れたことがあります。最終的には周囲の人に助けてもらいましたが、ある程度自力で解決できた点は経験につながっていると自負しています。
質問9「他社の選考状況について教えてください」
自社への志望度の高さや、選考スピードの優先順位を把握するための質問です。他社に応募していること自体はマイナス評価になりませんし、後から発覚したときの心証が悪くなるため、正直に伝えた方が良いでしょう。その際、面接している企業の志望度が高いことをアピールするのがおすすめです。
【OK回答例】
現在、御社の他に同じ半導体メーカーの企業の選考を2社受けています。その中でも御社の社風や企業理念に深く共感しているため、第一志望とさせていただいています。
【NG回答例】
(実際には複数受けているが)御社の他に、特に選考は進んでおりません。
質問10「最後に何か質問はありますか?」
入社意欲の高さや、コミュニケーション力の確認、社風や事業内容への理解度などをチェックするための質問です。入社した後をイメージしながら、知りたい情報をリストアップしておくと良いでしょう。
なお、特にないと回答する、わざわざ質問するまでもないことを聞く、待遇面だけを質問するのは避けましょう。
【OK回答例】
御社に貢献するために、今からどのような知識やスキルを身に付ければ良いでしょうか?
【NG回答例】
御社では年間何日の有給休暇を取得できますか?
第二新卒の面接対策5ステップ

採用面接を成功させるには、よく聞かれる質問への回答を考えるだけでなく、企業研究や自己分析、想定問答集の作成など、さまざまな準備を行う必要があります。
ここでは第二新卒の面接対策を5つのステップに分けて説明します。
Step1:企業研究と自己分析を徹底的に行う
企業研究と自己分析は、相手からの質問に回答するための土台となる部分です。その企業の経営方針や理念、強み、企業文化、社風などを正しく理解した上で、自分の経験や価値観との接点や、共感・理解できる要素などを見つけましょう。
第二新卒は早期離職の経験があるため、なぜ短期間で転職を考えたのか、短い社会経験で何を学んだのかなどを明確にし、そこから企業との接点を見出してみるのがおすすめです。
Step2:想定問答集を作成し、回答を言語化する
想定問答集とは、予想される質問と回答をセットで記したものです。想定される質問に対する回答を話し言葉で書き、模擬面接や本番面接で活用すれば、さまざまな質問をされてもスムーズに回答できます。
また回答を言語化する作業は、自分の考えを可視化し、整理するのに役立ちます。
Step3:模擬面接で声に出して話す練習をする
模擬面接とは、本番の面接を想定して行う一連の流れです。ただ質問と回答のやり取りをするだけでなく、入室から退室までの流れを疑似体験することで、当日の緊張感の緩和やスムーズな対応を期待できます。
また実際に声に出して練習すると、声の大きさや話すスピードが適切かどうかもチェックできます。
Step4:身だしなみや持ち物など、基本的なマナーを確認する
前述の通り、企業は基本的なビジネスマナーが備わっているかどうかも重視しています。服装や髪型などの身だしなみは念入りに整えましょう。特に清潔感はあるか、ビジネスでのTPOをわきまえているか、全身のバランスは整っているかなどは重要なポイントであるため、家族や友人にチェックしてもらうのがおすすめです。
また採用面接当日に必要なもの(履歴書や職務経歴書、筆記用具など)のリストを作成し、前日までに準備を万端にしておくことが大切です。
Step5:逆質問を複数(3~5個)用意しておく
前述した通り、企業側から「最後に何か質問はありますか?」と尋ねられることがあります。最終面接の場合は、逆質問を3~5個用意しておくと良いでしょう。一次面接や二次面接の場合も、2〜3個程度の逆質問を用意しておくのがおすすめです。
逆質問は、自分が働く上で知っておきたいことを確認できる貴重な時間です。仕事の進め方や求められる役割、成長の機会など、働くイメージを深めるための内容を尋ねると良いでしょう。
まとめ
第二新卒の面接では、早期離職のリスクや定着性、自社への入社意欲の高さなどを知るための質問が頻発される傾向にあります。中には前職を辞めた理由など、はっきりとは回答しにくい質問をされることもありますが、事前にどのような質問が、どのような意図で出されるのかを知っていれば対策できます。
「質問に対する適切な回答が思い浮かばない」「自分の強みや弱みが把握できない」といった悩みがある場合は、第二新卒の転職に強い転職エージェントに相談し、プロからのアドバイスを受けましょう。
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