第二新卒での転職理由はどう答える? 具体例やポイントを解説

最終更新日: 2025年10月24日
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Re就活編集部

第二新卒での転職理由はどう答える? 具体例やポイントを解説

第二新卒として転職を考え始めた方の中には「面接で転職理由を聞かれたら、どう答えれば良いのだろう……」などの悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。確かに第二新卒の面接では転職理由を細かく尋ねられることが多いですが、ポイントさえ押さえれば相手にネガティブな印象を与えることなく、積極的に自分をアピールすることができます。

本記事では面接官が転職理由を尋ねる理由や、転職理由を考える際に押さえておきたいコツ、ネガティブな理由をポジティブに置き換える方法、転職理由を伝えるときのポイントやNGパターンをまとめました。

目次

面接官はなぜ転職理由を聞く? 質問に隠された2つの意図

「退職理由」と「転職理由」はセットで考える

【4ステップで完成】面接官を納得させる転職理由の考え方

【例文10選】ネガティブな理由をポジティブに変換する伝え方

回答の質を上げる! 転職理由を伝える際の3つのポイント

転職理由を伝える際のNGパターン

まとめ

面接官はなぜ転職理由を聞く? 質問に隠された2つの意図

採用面接で適切な答えを返すには、なぜ面接官が転職理由を聞くのか、その意図を把握する必要があります。

ここでは面接官が本当に知りたいと考えているポイントを3つご紹介します。

意図1:人柄や価値観が自社とマッチするかを知りたい

企業は自社になじみ、長く活躍してくれる人材を求めているため、応募者の人柄や価値観が自社とマッチしているかどうかを知りたいと思っています。どのようなことに不満を感じるのか、次の職場には何を求めているのか、などの質問から得られる回答を基に、自社の社風や企業文化に適した人材であるかどうかを見極めようとしています。また前職の退職理由を聞いた上で、それは自社で解決できる問題なのか、それとも個人の気の持ちようで解決できることなのかを慎重に判断し、できるだけ長く働いてくれる人材かどうかを確認しています。

意図3:仕事への意欲や今後のキャリアプランを把握したい

前職を辞めた理由について、他責ではなく自身のやりがいや将来的なキャリアを考えた末の、前向きな理由であるかどうかを確認する意図があります。やりがいや将来のキャリアプランは、仕事へのモチベーションや入社後の成長意欲につながる重要な要素であるため、入社後にどうなりたいか、将来のビジョンは何か、などの質問を行ってくるケースが多いようです。

「退職理由」と「転職理由」はセットで考える

転職理由を考える際は、よく混同しがちな退職理由との違いを理解するとともに、2つをセットで考えるのがポイントです。

ここでは両者の違いをまとめました。

「退職理由」は過去の事実(ネガティブでも可)

退職理由とは、前職を辞めるに至ったきっかけや原因です。人間関係や待遇の悪さ、労働環境の問題などネガティブな要素であるケースがほとんどですが、ここでは取り繕わず、事実として整理することが大切です。

「上司と合わなかった」「業務量が過多だった」など、率直な内容であっても構いません。まずは事実を正確に把握することで、次にどのような環境を求めるのかが明確になります。

「転職理由」は未来への希望(ポジティブ)

転職理由とは、前述した退職理由を基に、次の職場で何をしたいのか、将来的にどうなりたいのかを明らかにするビジョンのようなものです。採用面接では退職理由を説明するだけに留まらず、セットで転職理由を説明し、前向きな理由で転職を決意したことのアピールが大切です。

転職理由を聞かれた際は、退職理由2割:転職で実現したいこと8割の構成で回答すると良いでしょう。

ネガティブな退職理由をポジティブな転職理由に変換するフレームワーク

ネガティブな退職理由をそのまま伝えると他責と見なされるリスクがあるため、ポジティブな転職理由に変換しましょう。具体的には、以下のような流れで考えてみるのがおすすめです。

待遇に不満がある(退職理由)

→どうすれば解決できるのか?
→自分のスキルや成果を正当に評価してくれる職場で働けば良い
→成果主義の御社で自分のスキルを生かしたい(転職理由)

この変換プロセスは転職活動の核になるべき重要な自己分析の一つであるため、転職活動を始める前にぜひ実践してみてください。

【4ステップで完成】面接官を納得させる転職理由の考え方

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ここからは、実際にゼロから転職理由を構築する際の流れを説明します。

Step1:退職理由(事実)を正直に書き出す

まずは、退職理由を事実として客観的かつ正直に書き出す作業から始めましょう。

誰かに見せるわけではないため、包み隠さず本音を全て書き出すのがおすすめです。この時点ではポジティブな内容に置き換える必要はなく、不満や愚痴のような内容でかまいません。自分が悩んでいる内容や本当に求めているものの把握が目的であるため、思いついたことをノートなどに羅列していきましょう。

Step2:退職理由から「本当に実現したいこと(Will)」を抽出する

Step1で書き出した退職理由を基に、どのような状態・環境なら不満が解消されるのかを深掘りしていきます。例えば将来のキャリアに不安を感じた場合、以下のような流れで退職理由を段階的に掘り下げていけば、やりたいこと・実現したいこと(Will)が明確になるでしょう。

将来のキャリアに不安を感じる(退職理由)

→なぜ不安に思ったのか?
→年功序列型でいくら実績を重ねても若いうちに重要なポストに就けない
→年齢に関係なく、スキルや実績を評価してくれる企業に勤めたい

Step3:実現したいことと「応募企業との接点」を見つける

転職の軸が定まったら、応募企業を研究し、経営理念や事業内容、社風などと照らし合わせて応募企業と自分の接点を探しましょう。

接点があれば、「自分のWillはこの企業でしか実現できない」という理由になり、志望理由に説得力を持たせられます。接点がなかった場合は、その企業と自分のやりたいことが合わない証拠であるため、応募先を見直した方が良いかもしれません。

Step4:貢献意欲を加えて、一貫性のあるストーリーにまとめる

企業は転職希望者の志望動機だけを評価して採用するわけではありません。転職活動の面接においては「自社で活躍してくれそうか」という点が重視されるため、自分の希望を語るだけではなく「自分の経験やスキルを生かせば、この企業の成長・発展に貢献できる」という点をアピールする必要があります。

貢献意欲をアピールするには、退職理由(過去)→転職の軸(現在)→入社後の貢献(未来)が一本の線でつながる整合性のあるストーリーを生み出す必要があります。特に現在と未来の流れが不自然だと「採用しても活躍してくれないのでは?」と思われる可能性があるため、企業研究を徹底して、相手が求める人材像を理解した上で、入社後にその企業で活躍している姿をイメージしてもらえるような物語を作ることが大切です。

【例文10選】ネガティブな理由をポジティブに変換する伝え方

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ステップは理解できても、なかなか自分で転職理由を組み立てるのは難しいかもしれません。ネガティブな退職理由をポジティブな転職の軸に変換して伝える方法を、ケース別に10個まとめましたので、ぜひ参考にしてください。

理由1:「人間関係が悪かった」場合の回答例文

人間関係の悩みは多くの人が抱えるものですが、そのまま伝えるとネガティブな印象を与えることがあります。表現を柔らかくした上で「より柔軟な体制でチームの生産性向上に貢献したい」など未来につながるポジティブな表現を心掛けましょう。

理由2:「給与・待遇に不満があった」場合の回答例文

待遇面への不満は転職の真っ当な理由になりますが、「給与が良ければどこでもよい」と受け取られないよう注意する必要があります。成果に見合った評価を受けたい、実力主義の環境に身を置きたいなど、向上心や成長意欲を前面に出すと好印象につながるでしょう。

理由3:「残業・休日出勤が多かった」場合の回答例文

過重労働は十分な転職理由になり得ますが、そのまま伝えるよりも「ワークライフバランスを整えて自己研さんの時間を作りたい」「より長期的に働ける環境を希望している」といった表現に言い換えた方がポジティブな印象を与えられます。

理由4:「仕事内容が合わなかった・単調だった」場合の回答例文

「仕事が合わない」「単調でやりがいを感じない」といった理由は主観的なものと受け取られる可能性があるため、より慎重な表現を心掛けてください。前職に対するネガティブな表現は避け、「お客さま目線の製品開発に力を入れている御社への入社を志望しました」などと、あくまで成長意欲や向上心を追求した結果の転職であることをアピールしましょう。

理由5:「やりたい仕事ができなかった」場合の回答例文

採用面接でやりたい仕事を伝えたにもかかわらず、希望の部署に配属されないケースは珍しくありません。しかし、あまりにも直接的な表現を使うと「他責思考である」と見なされる可能性があります。事実は客観的に伝えつつ、「どうしてもその仕事に就きたかった」「御社なら実現できると思った」といった働く意欲を前面に出すようにしましょう。

理由6:「社風が合わなかった」場合の回答例文

「社風が合わない」という表現は抽象的な印象を与えます。「目標達成を優先するあまり、顧客満足度がおろそかになる場合も少なくありませんでした」といったように、具体的にどこがどう合わないと思ったのか、自分の価値観とのずれを論理的に説明しましょう。その上で、応募企業の社風と自分の価値観が合致したことを伝えれば、説得力のある転職理由になるはずです。

理由7:「会社の将来性に不安を感じた」場合の回答例文

会社の業績や経営方針に不安を感じて転職を考えるケースは少なくありません。そのようなときは、安定よりも成長を求める姿勢をアピールした方が好印象です。「新たなニーズの開拓に挑戦していける環境」などと応募企業の将来性に期待していることを伝えつつ「御社と共に成長していく」という意欲を見せると良いでしょう。

理由8:「スキルアップ・成長できる環境ではなかった」場合の回答例文

成長意欲や向上心はポジティブな転職理由と見なされます。ただ「成長したい」と言うのではなく、「御社に入社後は現場での経験を積みながら専門性を深め、新たな価値創出に貢献できる人材へと成長していきたい」など、具体的なキャリアプランや前職での自己研さんの実績を例に挙げると説得力が増すでしょう。

理由9:「正当な評価をされなかった」場合の回答例文

「実績が反映されなかった」などダイレクトに本音を伝えるとネガティブな印象を与えるため「正当な評価を受けられる場所で働きたい」などの表現に置き換えましょう。応募企業の評価制度に対する共感や、前職での実績・取り組みのエピソードを盛り込むと効果的です。

理由10:「他に興味のある分野ができた」場合の回答例文

実際に社会に出た後に、他に興味のある分野が見つかるケースは珍しくありません。異職種に興味を持ち、転職を目指すときは「営業の経験から、クライアントが抱く課題の根本的な解決をサポートしたいという意欲が湧いた」などと、なぜその分野に興味を持ったのかを明確に伝えましょう。さらに、ステップアップであることや、応募企業で実現したいビジョンなどもアピールする必要があります。

回答の質を上げる! 転職理由を伝える際の3つのポイント

ここからは、面接の場で転職理由を伝える際に、評価につなげるためのポイントを3つご紹介します。

ポイント1:PREP法で簡潔かつ論理的に話す

PREP法とは、結論(Point)→理由(Reason)→具体例(Example)→結論(Point)の順で話す手法です。例えば以下のような流れが考えられます。

・結論:私は、より専門性の高いスキルを身に付けるために転職を考えています。

・理由:現職では幅広い業務を任される一方で、特定分野に深く携わる機会が少なく、自分の強みを十分に伸ばせていないと感じています。

・具体例:現在担当しているマーケティング業務では企画から分析まで幅広く関わっていますが、データ解析や戦略設計といった高度な業務は外部委託が多く、自ら実践できる場が限られていました。

・結論:御社のように社内で一貫して専門業務を行う環境であれば、より深い知識と経験を積み、スキルを高められると考えています。

情報を整理しながら話せるため、面接官に分かりやすく転職理由を伝えられます。1分程度で簡潔に話せるよう、あらかじめ要点をまとめておくと良いでしょう。

ポイント2:他責にせず、当事者意識を示す

前職の企業や上司に問題があったという表現は他責と見なされ、マイナス評価の対象です。たとえその企業や上司に問題があったとしても「自分にも問題があった」と客観的な反省点を述べ、改善に取り組んでいる姿勢を示しましょう。

ポイント3:自信を持ってハキハキと話す

前職を早期離職した理由など、自分にとってネガティブな質問をされても、自信を持ってハキハキと話すことを意識しましょう。うつむいたり、ぼそぼそと話したりすると自信がないと見なされるリスクがあるため、要注意です。

転職理由を伝える際のNGパターン

転職理由を伝える際に、避けるべきNGパターンがあります。4つご紹介するので、当てはまっていないかを確認しておきましょう。

注意点1:前職の悪口や不満で終始してしまう

前述の通り、前職の不満や批判だけを口にすると、他責の印象を与えやすく、マイナス評価につながる恐れがあります。

退職理由は正直に話しつつ、問題解決に向けてどのような行動を取ったかを、分かりやすく伝えましょう。

注意点2:志望動機と矛盾している

退職理由と転職理由の間に矛盾が生じると、「現職が嫌で辞めたいだけ」と見なされるリスクがあります。退職理由→転職の軸→未来のビジョンを無理なくつなげられれば、一貫性をアピールできるでしょう。

注意点3:どの企業にも当てはまる内容になっている

企業はより熱意のある人材を求めているため、どの企業にも当てはまるような転職理由は避けましょう。自分が重視する点と、その企業ならではの理念や社風、業務内容などの共通点を見つけ「だから御社を選んだ」という結論に持ち込みましょう。

注意点4:「学ばせてもらいたい」という受け身の姿勢が強い

社会経験の浅い第二新卒だからといって、教えてもらうのを前提とした受け身の姿勢は望ましくありません。企業は学校ではなく、現場で学んだ知識やスキルを生かして貢献することが求められる場所だからです。学習意欲だけではなく、それを実践で活用する主体的な姿勢も見せましょう。

まとめ

第二新卒が転職する際は、早期離職や企業とのミスマッチなどの懸念点を払拭できるような転職理由を考えることが大切です。ネガティブな退職理由からポジティブな転職理由を見出し、自分が求めているものが応募企業にあるのだとしっかりアピールしましょう。

「退職理由をポジティブな内容に置き換えられない」「応募企業との共通点を見つけられない」など転職理由作りで悩んだときは、転職のプロである転職エージェントを利用するのがおすすめです。

株式会社学情の「Re就活エージェント」は、20代や第二新卒の転職に精通しているプロのキャリアアドバイザーが、マンツーマンで面談を実施。一人ひとりの経歴や転職で実現したいこと、人柄、志向性などをヒアリングした上で、説得力のある転職理由作りをサポートします。一人きりでの転職活動に不安を抱えている方は、ぜひRe就活エージェントにご相談ください。

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