自分が人から得た分は、後輩にお返しする ― 尼神インター 渚さん(第3回)

最終更新日: 2019年11月25日
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中村千晶

自分が人から得た分は、後輩にお返しする ― 尼神インター 渚さん(第3回)

あまこういんたー・なぎさ◆1984年、兵庫県尼崎市生まれ。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。高校卒業後、大工として働き、2007年に23歳でNSC大阪に入学。同年9月に神戸市生まれの誠子(せいこ)さんと「尼神インター」を結成する。卒業後、NSC30期生として活動し、渚さんがツッコミ、誠子さんがボケ&ネタを担当。単独では大工の経験を生かし、住宅リフォーム番組などでも活躍している。8月28日、新宿文化センター大ホールでの「東京よしもと若手~ネタの祭典SP~」に出演予定。

 

――昨年は住宅リフォーム番組「大改造!!劇的ビフォーアフターSPECIAL」の出演でも注目されましたね。作業現場での段取りといい、“男前”なキャラがウケています。

 ははは。あの番組は反響が大きくて、うれしいんです。もともと好きだった大工と芸人という二つで仕事ができる、って最高じゃないですか。一緒にやらせていただいている魔裟斗(まさと)さんに「なんでそういうビスの打ち方するねん!」とかバシバシ言っているので、魔裟斗ファンから「こき使うな!」とお叱りがくることもありますが(笑)、でも大工に関しては自分が先輩だという立ち位置でやらせてもらってます。

――新卒者の3割が3年以内に会社を辞める時代です。渚さんは若手を見て、どう感じますか?

 芸人は「やりたい」という強い意志を持っている人が多いです。売れない時代は厳しいですけどね。お笑いは若い女性ファンが多いので、特に女芸人は男の芸人さんよりファンがつきにくいんです。でもその苦労があるから「もっと仕事をもらえるようにがんばりたい!」となる。何より「楽しんでやれるかどうか」が一番ですね。それが目標に向かって、がんばれるかを決めると思います。

 でも「楽しい」だけで仕事をするのは無理です。人間関係の悩みがあったりするのは、どこの世界でも同じ。本当にやりたいことがあるなら、がまんするしかない。それでも辞めてしまう人は、それ以上につらいことがあったんだと思います。辞めることは悪いことじゃない。その経験を生かして、新しいことを見つければいいと思います。

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撮影:岸本 絢

――渚さんも、仕事に悩むことがあるんですか?

 テレビってものすごく制約があるんです。何げない言葉が「なんで?」というくらい批判されたりする。ある番組で年上の方に私がタメ口で話したんです。相手の方も普通に答えてくださったし、視聴者から苦情があったわけでもないのに、制作会社のエライ人が「こいつは、なんでこんなにガラが悪いんだ!」と怒って、その番組に呼ばれなくなりました(笑)。まあ、その人にまた呼んでもらえれるように仕事をがんばればいいか、と思っていますが。

――自分を曲げたくない?

 というか“作ったキャラ”ではしょせん、もたないんですよ。芸人は自分の持ってるものをどれだけ出せるか、という作業なんです。相手に「お前!」というのも番組によってはNGになる。「やりすぎたかな」と思えば「お前」を「おっさん」に変えたりもします。でも自分のキャラはこれだし、やっていることは変わらない。自分のままを出すだけです。相手がいやな気持ちにならないように、そこは読んでいます。やっぱり人間対人間なんで。

 

――最後に、Re就活読者にメッセージをお願いします。

 私はいつも「自分もやってもらったから、人にお返しする」という感覚です。“プラスマイナスの方式”というか、自分が人から得たものは、後輩やほかの人に得た分だけ返す。それは幸せの配分で、そうしておけば悪いことは起きない。自分だけがやってもらうだけでは、人は生きていけないですから。あとは楽しんでやること。それだけです。

(おわり)

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