営業を辞めたいときに考えるべきことは? 転職のポイントも解説

最終更新日: 2025年10月24日
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Re就活編集部

営業を辞めたいときに考えるべきことは? 転職のポイントも解説

毎月の厳しいノルマや、顧客ヘのクレーム対応などで疲弊し「営業を辞めたい」と感じている方もいるでしょう。その気持ちは決して珍しいものではありません。他の多くの営業職も抱えている悩みです。

この記事を読めば、営業を辞めたいと感じる理由を自分なりに整理し、後悔しないための次の一歩を踏み出せます。勢いで仕事を辞める前に考えるべきことや、営業経験を生かした転職のポイントも網羅しているため、ぜひ最後までお読みください。

目次

「営業辞めたい」と多くの人が感じる9つの理由

勢いで辞めて後悔しないために、まず考えるべき3つのこと

営業経験は武器になる! 未経験職種へ転職する際に知っておきたいこと

営業からの転職活動ロードマップ

営業からの転職事例

退職のタイミングと伝え方のコツ

まとめ

「営業辞めたい」と多くの人が感じる9つの理由

「営業辞めたい」と感じているのは、あなただけではありません。多くの人が営業を辞めたいと感じる背景には、いくつかの理由があります。

自分自身の状況と比べながら、もやもやとした気持ちを言語化してみましょう。

【理由1】厳しいノルマや目標達成へのプレッシャー

1つ目の理由は、営業職の厳しいノルマや目標達成へのプレッシャーからです。

営業職はその特性上、売上や契約件数などのノルマが課せられます。毎月のノルマがきついと、常に数字に追われているようなストレスを感じる方も少なくありません。

また目標未達が続いた際の、上司からの叱責や人事評価の低下、社内での居心地の悪さなどが原因となり、退職を決断する方もいます。

【理由2】顧客との人間関係やクレーム対応

2つ目の理由は、顧客との人間関係やクレーム対応です。

営業職は、顧客とのコミュニケーションが多い職種です。商談がうまくいかなかったり、理不尽な要求やクレームを受けたりすると、精神的に疲弊してしまう方もいます。

また取引先との親睦を深めるため、接待や会食といった業務時間外の付き合いが発生する場合も負担となり、辞めたい理由につながるでしょう。

【理由3】上司や同僚との社内の人間関係

3つ目の理由は、社内の人間関係です。

人間関係の悩みは職種にかかわらず存在しますが、例えば、営業職では体育会系の風土が根強く、上司や同僚との価値観の不一致に悩む方が見られます。

またチームプレーよりも個人プレーが重視される場合、孤立感や疎外感を覚える方も少なくありません。

【理由4】残業の多さや休日出勤

4つ目の理由は、残業の多さや休日出勤です。

営業職の方の中には、事務作業やミーティングに時間を取られ、定時に帰れないことが常態化していると感じる方もいるでしょう。休日に顧客から連絡があり、プライベートの時間が確保できないケースもあるかもしれません。

また休日にリフレッシュできず、心身ともに疲弊しやすいのも、営業を辞めたいと感じる理由の一つです。

【理由5】給与が成果に見合っていない

5つ目の理由は、給与が成果に見合っていないと感じるときです。

インセンティブの計算方法によっては、厳しいノルマを達成しても、成果が給与に反映されにくい場合があります。

また企業によっては、基本給よりもインセンティブの割合が大きく設定されている場合もあります。毎月の営業成績によって、収入が不安定になることへの不安を感じる方もいるでしょう。

【理由6】商品やサービスに自信が持てない

6つ目の理由は、自社の商品やサービスに自信が持てないことです。

販売する商品の中には、本当に顧客にとって価値があるものなのか、確信が持てないものもあるかもしれません。会社の利益を優先し、自分が心から良いと思っていない商品を顧客に勧めることへの罪悪感から、精神的に追い込まれる方もいます。

【理由7】営業という仕事内容への不適合

7つ目の理由は、営業という仕事内容への不適合からです。

人見知りの方や、引っ込み思案な性格の方の場合、営業の仕事にストレスを感じる可能性があります。初対面の人と話したり、顧客に頭を下げたりすることに苦手意識を感じている場合、より自分に合った働き方を求めて、他の職種への転職を検討する方も少なくありません。

【理由8】この先のキャリアへの不安

8つ目の理由は、将来のキャリアへの不安です。

このまま営業を続けても、専門的な知識やスキルが身に付かないのではないかと不安を感じる方もいるでしょう。将来的にキャリアの選択肢が狭まり、他の職種に就けなくなることへの懸念から、20代や30代のうちにキャリアチェンジを検討するケースも見られます。

【理由9】業界や会社の将来性への懸念

9つ目の理由は、業界そのものや会社の将来性への懸念です。

業界の先行きが不透明だったり、会社の業績が悪化していたりすると、将来への不安から転職を考えるのは自然なことです。

勢いで辞めて後悔しないために、まず考えるべき3つのこと

「辞めたい」という一時的な感情で行動すると、仕事を辞めてから後悔するかもしれません。

ここでは、自分が置かれた状況を冷静に分析し、適切な選択をするための思考のフレームワークを3つ紹介します。

【STEP1】「なぜ辞めたいのか」を深掘りする

まずは前章で挙げた9つの理由と比較しながら、「なぜ辞めたいのか」を客観的に分析してみましょう。

例えば、「ノルマが辛い」と感じている場合、「なぜ辛いのか?」をさらに深掘りします。ノルマ達成へのプレッシャーが問題のケースもあれば、目標設定そのものに問題があり、現実的に達成不可能なノルマが課されているケースもあるでしょう。

「辞めたい」という感情が一時的なものなのか、それとも構造的な問題によるものかを見極めることが大切です。

【STEP2】その悩みは今の会社で解決できないか?

営業を辞めたい理由を特定したら、その悩みは今の会社で解決できないかを考えてみましょう。

例えば、上司や同僚との人間関係に悩んでいるのであれば、転勤や部署異動という選択肢もあります。営業職が自分に合わないと感じているのであれば、社内転職制度や社内公募制度などの制度により、社内で職種を変更できるかもしれません。

転職を決断する前に、現職でできることがないかを一度立ち止まって考えることが大切です。

【STEP3】辞めた後のキャリアを想像してみる

それでも転職を検討する場合は、仕事を辞めた後の将来の自分をイメージしてみましょう。

今の会社を辞めてから、どのような仕事がしたいのか、どのように自分の知識やスキルを生かしたいのかを想像することで、転職活動の軸が定まります。

「営業職以外なら何でも良い」という気持ちで転職すると、仕事を辞めてから後悔するかもしれません。転職する前に、将来のキャリアプランを具体的に思い描くことが大切です。

営業経験は武器になる! 未経験職種へ転職する際に知っておきたいこと

営業からの転職は、必ずしも不利ではありません。むしろ営業経験を生かすことで、大きなアドバンテージになる可能性があります。

20代や第二新卒の方であれば、ポテンシャル採用も期待できるでしょう。ここでは、営業職から未経験職種へ転職する際に知っておきたいことを紹介します。

営業経験から得られるポータブルスキル

営業職には、業種や職種が変わっても生かせるポータブルスキルが多くあります。

コミュニケーション力 顧客と円滑にコミュニケーションを取り、信頼関係を築く能力
課題解決能力 取り組むべき課題を設定し、臨機応変に解決する能力
ストレス耐性 業務を進める上での障害やプレッシャーを乗り越える能力
スケジュール管理能力 スケジュール管理や各種調整により、計画を立てて業務を進める能力

 

 

 

このようなスキルは、企画職やマーケティング、コンサルタント、カスタマーサポートなど、さまざまな職種で生かせます。営業活動で培ったスキルをしっかりとアピールすることで、転職活動を有利に進められるでしょう。

【職種別】営業経験の生かし方とアピール方法

ここでは、未経験でも挑戦しやすい人気の転職先を例に挙げ、営業経験の生かし方やアピール方法を解説します。

【事務職・バックオフィス系】への転職

事務職・バックオフィス系への転職なら、課題解決能力やパソコンスキル、社内調整力などをアピールすると良いでしょう。

事務職・バックオフィス系の職種では、円滑なコミュニケーション力や、責任感を持って仕事に取り組む姿勢が求められます。転職活動では「サポート役として会社に貢献したい」という意欲を示すことが大切です。

【企画・マーケティング職】への転職

企画・マーケティング職への転職なら、顧客のニーズを汲み取るコミュニケーション力や、市場のトレンドを読むスキルを生かせます。営業現場でのエピソードも交えながらアピールすると、より説得力が増します。

【ITエンジニア・Web業界】への転職

ITエンジニア・Web業界への転職なら、論理的思考力や課題解決能力をアピールしましょう。

ITエンジニア・Web業界で働くには、プログラミング言語などのITスキルが必要です。自分でプログラミングスクールに通うなど、自発的に学習する姿勢をアピールすることで、未経験の方でも採用につながる可能性があります。

未経験転職を成功させるための注意点

営業からの未経験転職を成功させるには、明確なキャリアプランを持ち、「なぜその職種に就きたいのか」をしっかりと言語化することが大切です。「ノルマがきついから」「残業が多いから」といったネガティブな転職理由は避け、前向きな志望動機を伝えましょう。

未経験での転職では、給与などの待遇が一時的に下がる可能性があります。そのため、最初からすべての条件を完璧に満たすことにこだわらず、将来の成長やキャリアの広がりを重視して企業を選ぶことが大切です。特に、人材育成に力を入れている企業であれば、スキルを身に付けながら新しいキャリアを築いていけるでしょう。

営業からの転職活動ロードマップ

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ここでは、転職を決意してから内定を得て退職するまでの一連の流れを、時系列で分かりやすく解説します。

【STEP1】自己分析とキャリアの方向性決定(~2週間)

まずは転職を決意してから2週間以内を目安に、自己分析を行い、今後のキャリアの方向性を決めましょう。これまでのキャリアを振り返り、自分の強み・弱みや、興味関心のある分野、譲れない条件などを洗い出すことで、転職活動の軸がブレにくくなります。

【STEP2】情報収集・求人探し(~1カ月)

次のステップとして、情報収集や求人探しを行いましょう。複数の転職サイトやエージェントに登録すると、より多くの情報にアクセスできます。

興味のある企業をリストアップしたら、企業研究を行い、事業内容や企業文化、待遇面などについて調べましょう。候補となる企業が転職フェアや合同企業説明会に出展している場合は、担当者の話を直接聞けるチャンスです。

【STEP3】応募書類の作成(~2週間)

情報収集と並行して、応募書類の作成も進めましょう。これまでの営業経験と関連付けながら、自己PRや志望動機、強みとなる知識やスキル、資格などを記載します。

応募書類は使い回すのではなく、転職を希望する企業に合わせて内容をカスタマイズしましょう。

【STEP4】面接(1~2カ月)

応募書類が完成したら、いよいよ面接です。想定される質問への回答を準備した上で、模擬面接などで繰り返し練習しておきましょう。

20代や第二新卒の方の場合は、前職で培った経験やスキルに加えて、ポテンシャルも評価対象です。また社会人としての基本的なマナーもチェックされます。

なお、面接は自分をアピールする場であると同時に、企業を見極める場でもあります。受け身の姿勢にならず、積極的に情報交換を行うと有意義な面接になるでしょう。

【STEP5】内定・退職交渉(~1カ月)

無事に内定が出たら、すぐに承諾せず、労働条件などをしっかりと確認してから承諾しましょう。複数の企業から内定があった場合は、面接時の雰囲気や担当者の印象も考慮し、比較検討してみてください。

内定通知への回答期限の目安は、1週間程度です。入社を承諾した後は、現職の会社に退職の意思を伝え、後任への引き続きを行いましょう。

営業からの転職事例

実際に営業職から未経験で転職し、新天地で活躍している方もいます。

前職でIT系の営業職として働いていたTさんは、仕事で関わる人を通じて、自分もITエンジニアとして活躍したいと思うようになり、在職中に転職活動を始めました。「Re就活」を含めた転職サイトを活用し、インフラエンジニアへの転職を成功させています。

こちらの事例について、詳しくは以下よりお読みいただけます。

一度は諦めたITエンジニア職への転職。挫折を乗り越えてキャリアチェンジに踏み出せた理由と企業選びの秘訣とは?~Tさんの転職実例レポート~ :: Re就活

前職が不動産営業のYさんも、未経験でIT業界にキャリアチェンジしました。離職してからの転職活動だったことに加え、コロナ禍の時期と重なったため、なかなか選考が進まず苦労した時期もありましたが、無事にシステムエンジニアへ転職しています。

こちらの方のレポートは、以下よりお読みいただけます。

残業続き・やりがいなし…負のスパイラルを脱却すべく、未経験からIT業界に転職するまで~Yさんの転職実例レポート

退職のタイミングと伝え方のコツ

ここでは、お世話になった会社とのトラブルを避け、気持ちよく次のステップに進むための円満退社のノウハウを解説します。

退職を伝えるのに適したタイミング

退職を伝えるタイミングの目安は、通常は仕事を辞める1~3カ月前です。

民法上、労働者は少なくとも2週間前までに退職を申し入れれば、いつでも辞められます(※)。ただし、就業規則で「労働者は2カ月前に退職を申し出なければならない」などと規定されている場合もあるため、会社の就業規則を確認しましょう。

円満退職をしたいのであれば、繁忙期やプロジェクトの途中など、会社に不利益を与えるタイミングでの退職は避けると良いでしょう。

なお6月や12月など、ボーナス支給日の月末に退職すると、ボーナスを満額で受け取れるため、金銭面で有利です。

※参考:厚生労働省.「仕事を辞めるとき、辞めさせられるとき」p1.(参照2025-07-08)

上司への伝え方と退職理由の例文

退職を伝える際は、まず直属の上司にアポイントを取り、対面で伝えるのがマナーです。上司から引き止めにあっても、お世話になったことへの感謝をしつつ、退職の意思が固いことを伝えましょう。

退職理由は「一身上の都合」でも問題ありません。ただし、直接尋ねられた場合に備えて、「新しい仕事に挑戦したい」「〇〇業界で自分のスキルを生かしたい」など、ポジティブな退職理由を用意しておくことをおすすめします。

円満退職をしたいのであれば、「ノルマが辛い」「人間関係が合わない」など、会社の不満を言うのは避けましょう。

まとめ

この記事では、「営業を辞めたい」と感じる理由から、後悔しないための考え方、具体的な転職活動の進め方までを解説しました。営業の仕事に不満があっても、勢いで辞めるのではなく、一度立ち止まってキャリアプランを考えてみることが大切です。自己分析や情報収集をしっかりと行うことで、転職活動を有利に進められるでしょう。

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