現在の仕事に悩んだり、転職に焦ったりしている人の中には、そもそも「転職したいけれど、“やりたいこと”ってよく分からない…」という段階で立ち止まっているケースも多いでしょう。
実は転職では「やりたいこと」が明確でなくても問題はありません。得手不得手や価値観といった別の軸で仕事を探せば、希望を叶える転職は十分可能です。
本記事では、転職時にやりたいことが見つけられない原因や自分に合う仕事を見つける具体的な方法を解説します。後半では年代別の転職活動のポイントにも触れているので、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。
【この記事で分かること】
・「転職したいけどやりたいことがない」と、悩む人も焦る必要はない。やりたいことがなくても転職活動は十分可能
・やりたいことが見つからない原因は、自己分析や企業分析の不足が多い。プロの力を借りてこれらの分析を進める方法
・やりたい仕事を探すときは、条件に優先順位を付けるのがポイント。譲れる条件を明確にすると会社選びの幅が広がる
目次
転職で「やりたい仕事」がなくても焦らないで
転職で「やりたいことがない」と感じる4つの原因
やりたいことがない状態から抜け出そう!自分に合う仕事の見つけ方3ステップ
【年代別】やりたいことがないときの転職活動のポイント
やりたいことを探す上で注意すべきポイント
まとめ
転職で「やりたい仕事」がなくても焦らないで
転職活動を始めると、「やりたい仕事がはっきりしていないとダメなのでは?」と不安になる方が多いものです。ですが、実際には「どうしてもやりたいことがある」という人は少数派で、大多数の人は「やりたいことが分からない」「何から考えればいいのか分からない」といった悩みを抱えています。
さらに注意したいのは「やりたい仕事」 = 「得意な仕事」とは限らないという点です。どんなに憧れの仕事に就いても、必ずしも能力や適性がマッチするとは限りません。続けていく中でストレスになることもあるでしょう。
そのため、転職では「やりたいこと」を無理に見つけようと焦るよりも、自分が積み重ねてきた経験やスキルをどう生かせるか、どんな環境なら力を発揮できるかを考えるのが現実的です。「やりたいこと探し」にとらわれ過ぎず、得意なことや大切にしたい働き方の軸に目を向けることで、自分らしいキャリアを築いていけるでしょう。
転職で「やりたいことがない」と感じる4つの原因

転職で「やりたいことがない」と感じる原因は以下の通りです。
1.自己分析が不足している
2.業界や職種に関する知識が不足している
3.立派なキャリアプランにこだわっている
4.福利厚生などを重視しがちになっている
それぞれ解説します。
1.自己分析が不足している
「やりたいこと」が見つからない大きな原因の一つが“あなた自身”に対する理解不足です。自分の長所・短所は何か、得意なこと・不得意なことは何か、仕事ではどのような価値観で業務に当たっているのか、人からどのようなことで褒められたことがあるかなど、自己分析では、さまざまな角度から自身を理解します。
この自己分析が不足していると、仕事の向き不向きも、自分が何にやりがいを感じるかも把握できません。何をモチベーションに仕事を続ければ良いかが分からず、結果として「今の仕事を辞めたい」と感じてしまいます。辞めても次にやりたいことが見つからないので悪循環に陥りがちです。
2.業界や職種に関する知識が不足している
業界や職種に対する知識不足も、転職を考えたときに「やりたいことがない」と感じる原因の一つです。世の中にはさまざまな仕事や働き方があるものの、多くの人は自分が今まで経験してきた業界や知っている業務など、狭い範囲の中でやりたいことを探しがちです。
自分がすでに知っている範囲の中だけで仕事を探していると、本当に興味の持てる仕事や、実は適性のある仕事に出合う機会を逃してしまう可能性があります。これは、いくら仕事を変えてもやりがいを見いだせないと感じてしまう原因にもなりかねません。
3.立派なキャリアプランにこだわっている
転職を成功させるために「20年後まで見通したい」「完璧なキャリアプランが必要」と思っている人も、やりたいことが見つからない傾向にあります。
転職を考えている段階では、長期の将来像を描けていない人の方が多いです。実際には転職活動を進める中でキャリアビジョンが見え始め、考え続ける課程でビジョンが変わることも少なくありません。「キャリアプランを描くこと」が目的になってしまうと、やりたい仕事から遠ざかる恐れもあります。
4.福利厚生などを重視しがちになっている
労働条件は重要ではあるものの、福利厚生などにこだわり過ぎると本当にやりたいことや転職で実現したいことを見失う原因になります。
どんなに社内制度やワークライフバランスへの配慮が充実している会社でも、裁量権がなく自己成長を感じられなかったり、成果が認められにくかったりすると、やりたいこととは程遠く感じてしまう可能性があるでしょう。労働条件のことは一度置いておき、仕事のどのような点にやりがいを感じるのか、自分が不満を抱えがちな点はどこなのかを深掘りしましょう。
やりたいことがない状態から抜け出そう!自分に合う仕事の見つけ方3ステップ

転職を考えているけれどやりたいことがない。そのような状態から抜け出すためには、以下の具体的な3つのステップで自分に合う仕事を見つけましょう。
・ステップ1:徹底的な自己分析で「自分が輝ける環境」を特定する
・ステップ2:多様な業界・職種に視野を広げる
・ステップ3:プロの力を借りて具体的な行動に移す
ステップ1:徹底的な自己分析で「自分が輝ける環境」を特定する
前述した通り、やりたいことが見つからない大きな原因の一つが「自己理解の不足」です。自己分析を通じて、自分の強みや弱み、特性、価値観を把握しましょう。その上で、自分はどのような環境なら十分にパフォーマンスを発揮できるのか、言語化することが最初のステップです。具体的な流れと方法を紹介します。
自分の強みや得意なこと、苦手なことを洗い出す
まずは自分の強みを見つけるために、以下を考えてみましょう。
・難なくできて周りから評価された仕事は何か
・ストレスなくできる仕事は何か
これらはあなたが得意な仕事の可能性が高いです。上記とは逆の仕事があなたの苦手分野かもしれません。
またこれまでの経験で楽しかったり、わくわくしたり、自分の心が動いたりした瞬間も思い出してみましょう。同じような経験が得られる仕事は、働くモチベーションになるはずです。
もし自分では強み・弱みが思い浮かばないのなら、第三者に自分を評価してもらう他己分析も有効です。
「やりたくないこと」を明確にする
やりたくないことや嫌なことを明確にするのも、自分に適した仕事を探す際の有効な方法になります。
ここで大切なことは、事務職が向いていないなど、職種のくくりで考えるのではなく「事務職の何が向いていないのか」を掘り下げることです。細かな数字の確認なのか、それともルーティンワークなのかなど、具体的なやりたくないことを理解しておくと、転職後のミスマッチ軽減に役立ちます。
仕事の「やりがい」や「価値観」を深掘りする
仕事の「やりがい」や「価値観」は、しっかりと深掘りしておきましょう。「やりがい」は、自分がどのようなときに仕事で満足できたかを振り返ることで見つかります。例えば、顧客に喜ばれたときなどです。
また「価値観」は、何のために仕事をするのかを見つめ直すことで見えてきます。お金を稼ぐため、社会貢献のためなどが具体例です。
自分にとって意味のある内容を達成できる仕事は、やる気や意欲が長続きし、続けやすいでしょう。
ステップ2:多様な業界・職種に視野を広げる
ステップ1の自己分析で自分が輝ける環境を具体的にイメージできたら、次はその条件を満たす業界や業種、仕事を探してみましょう。
求人を見るときは業務内容だけではなく、働き方を含めた環境全体を見ることが大切です。また経験の有無にかかわらず、さまざまな業界の求人を見てみましょう。特に若手の転職では、未経験者可の求人も多くあるため、先入観を持たない方が選択の幅は広がります。
情報収集は転職サイト、求人広告などの他、気になる企業の採用ページや転職イベントなど、幅広い方法で収集するのがポイントです。
ステップ3:プロの力を借りて具体的な行動に移す
プロのサポートを受ければ、第三者からのアドバイスや、より具体的な企業情報を得られる可能性があります。
ステップ1~2で解説してきたように、転職でやりたいことを見つけるためには、自己分析や業界研究などさまざまなアプローチが必要です。しかし一人で行うには時間がかかり、進め方が正しいのか迷うことも多いでしょう。そのようなときは、転職エージェントなどプロの力を借りるのがおすすめです。
転職エージェントに依頼し、カジュアル面談で話を聞くなど具体的な行動を起こせば、やりたいことを見つけるための近道となるでしょう。進めていく中で、客観的な自己分析のサポートを受けられたり、あなたの希望に合いそうな求人を紹介してもらえたりするはずです。中には、非公開の求人を取り扱っている転職エージェントも存在します。

【年代別】やりたいことがないときの転職活動のポイント
やりたいことがないときの転職活動のポイントや使うべきサービスは、20代・第二新卒かそれとも30代以上かによって異なります。それぞれの年代ごとに解説します。
20代・第二新卒の場合
20代や第二新卒でやりたいことが見つからない場合は、未経験の業界や職種も含めて転職先の幅を広げてみるとよいでしょう。ポテンシャル採用をおこなっている企業が増えているため、特別な経験やスキルがなくても転職しやすい傾向にあります。
自己分析や企業分析を通し、転職の軸を改めて考えることも大切です。特に、早期退職の理由が会社の風土や仕事内容とのミスマッチなら、さまざまな角度から再検討することで、より自分の希望に近い仕事が見つかるでしょう。
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30代以上の場合
30代以上でやりたいことが見つからない場合は、キャリアの棚卸しや自己分析に時間をかけ「どのような瞬間に充足感を覚えるか」を確認してみましょう。また子育てや介護などのライフイベントを見据え、将来の働きやすさを考えて転職するのも一つの方法です。
30代以上は企業から即戦力として期待されがちな年代です。このため、ポテンシャルのみに頼るのではなく、自身の強みと志望企業の業務がマッチするのか、強みを最大限アピールできるのかが転職成功の鍵となります。
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やりたいことを探す上で注意すべきポイント
転職を考える上で「やりたいこと」を探すのは大切ですが、注意すべきポイントもあります。詳しく紹介します。
「何がしたいか」だけを重視して転職先を選ばない
転職先を選ぶときは「何がしたいか」だけではなく「どのように働くか」「誰と働くか」にも着目しましょう。やりたいことだけで仕事を選んでしまうと、入社後に理想と現実のギャップに直面しやすくなります。
憧れの感情だけにとらわれずに、自己分析の結果から適性を加味して、やりがいや適性のある仕事を選ぶと良いでしょう。
また自己分析をしても何がしたいか思い浮かばない場合は、現職のスキルアップを理由に転職へ踏み出すのも方法の一つです。
全ての希望条件を満たす企業を求め過ぎない
転職先を探すとき、全ての希望を満たす企業を見つけるのは困難です。またやりたい仕事を見つけるにしても、自分の要望を全て満たす仕事は存在しないことも理解しましょう。
新たな会社に対して過剰な期待を抱くと、転職活動がうまく進まない原因になります。企業や働き方に対する希望条件があるときは、譲れないものを明確にし、譲歩できる条件や絶対に叶えたい範囲を決めることが重要です。
まとめ
転職したくても「やりたいこと」が思い浮かばない場合は、自分の得意なことや苦手なこと、価値観を軸にすれば納得のいく転職につながりやすいです。
しかし客観的な自己分析や価値観に合う企業選びは、専門的な視点も必要なため一人では難しいことも多いです。もし「やりたいこと」を考えるのが難しいと感じているなら、プロに相談してみましょう。
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