社内SE(システムエンジニア)は普通のSEとどう違う? 社内のシステムを担う仕事とは

最終更新日: 2023年03月03日
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前畑 泰広

社内SE(システムエンジニア)は普通のSEとどう違う? 社内のシステムを担う仕事とは

更新日:2023年2月24日

「IT系の仕事」と聞くと、システムエンジニアを思い浮かべる方も少なくないでしょう。

システムエンジニア(SE)は、ユーザーの要望にそって会社のコンピューターのシステム設計を行い、スムーズに業務を行えるようにするのが仕事です。

より詳細が知りたい方は別の記事で紹介しておりますのでそちらもご覧ください。

▼SE(システムエンジニア)ってどんなことするの? 仕事内容紹介

https://re-katsu.jp/career/knowhow/khw_contents.aspx?c1=/tenshokuguide-junbi/se-shigotonaiyou

このシステムエンジニアという職種には、社外の企業を取り扱う人と、社内のシステムを取り扱う人の2パターンがあり、この記事では、社内SEについてご紹介します。

社内SEとは何か、また社内SEが人気である理由、やりがいや求められる能力、社内SEに向いている人に関してご紹介します。

目次:

社内SEとは

SIやSESとの違いは?

社内SEの仕事内容

社内SEが人気なのはなぜか?やりがいは?

社内SEに求められる経験・スキル・資格とは?

社内SEに向いている人とは?

社内SEとは?

社内SEという言葉だけ聞くと、「社内の運用を円滑にするためのシステム開発をする仕事」というイメージが強いですが、
実は社内SEの仕事は幅広いため、しっかりと自分の目指している仕事かを確認する必要があります。

本来「社内SE」とは、社内のコミュニケーションの活性化や、組織の意思決定を効率化するために、企業内のITに関する開発・管理業務に携わるIT専門職です。
社内システムやインフラの構築、保守運用など社内システムが常に安定稼働するように整える仕事をしています。

しかし企業によっては、「パソコンのなんでも屋さん」という認識で、社員が使うパソコンのトラブル対応を求められることも珍しくありません。

企業が求めるシステムを導入する仕事を行う「SI」や、派遣されて客先に常駐する「システムエンジニアリングサービス(SES)」と、社内のIT専門職である社内SEは同様に扱われることがありますが、仕事内容や働き方が違うため注意が必要です。

SIやSESとの違いは?

ではSIやSESとの違いは何なのでしょうか。

まず大きく異なるのは社内SEが自社のシステム開発や運用保守などを行うのに対し、SIやSESはクライアントである社外企業のシステム開発を手がけるということです。
特にSIは主にシステム開発において上流工程と呼ばれる領域を担当し、システムの全体像を考える要件定義や仕様書の作成、プログラマーへの指示出しなどを行います。

またSESと社内SEとは勤務形態も大きく違います。

社内SEの場合、基本的に自分が所属する企業と社員として契約を結び、自社の上司や先輩社員から作業指示を受けます。
それに対しSESを含む客先常駐SEの場合は、自分が所属する企業と常駐先の企業の間に何らかの契約が交わされており、その契約の種類によって現場での動き方が変わるので、自社と契約している社内SEとは異なります。

社内SEの仕事内容

社内SEの代表的な仕事内容は下記4点です。

1.システムの企画・導入

2.システム開発やベンダーとの調整業務

3.システムの運用保守

4.社員からの問い合わせ対応

1.システムの企画・導入

経営戦略や事業戦略に基づき、自社の経営課題を解決するために、システムの企画や導入などを行います。
業務の効率化や業績アップ、コスト削減など、会社が抱えるさまざまな課題に対して最適なシステムの導入を検討し、決裁者に提案するのが役割です。

2.システム開発やベンダーとの調整業務

システム開発には社内SEが自社で開発する場合と外注し、外注先に開発をお願いする場合とあります。
社内SEが担当する場合は、システムの設計、開発、テストなどの工程をみずから手がけます。外注する場合は、ベンダーを選定し、納期やコストなどを調整しながら進めるため、進捗管理や予算管理などの業務が発生します。
大きい案件では複数のベンダーを発注することもあります。

3.システムの運用保守

システム導入後は、運用と保守を行うのも社内SEの仕事です。

自社内での開発業務がない場合は、運用や保守がメインの業務となることもあります。

日々システム障害を防止する対策を講じることが重要となりますが、それでも発生してしまう予期せぬトラブルに関してはいち早く状況を見極め、迅速に対応する必要があります。

社内からの要望に応じて、システムの改修や拡張を行うこともあります。

4.社員からの問い合わせ対応

上記した通り、企業によっては社内SE=「パソコンのなんでも屋さん」と認識している場合もあり社内からの問い合わせも発生します。
「このシステムはどう設定するの?」「パスワードを忘れてパソコンにログインできない。」「印刷が上手くいかないんだけど・・」など幅広い問い合わせに対応するのも社内SEの仕事となります。

社内SEが人気なのはなぜか?やりがいは?

クライアント企業のシステム開発を請け負う場合、納期が近づけば忙しさが増すケースも多くなります。
しかし社内SEの場合、相手企業との連携がないため納期に融通が利きやすいといえます。
クライアントから無理な納期で依頼されることもなく、比較的残業が増えにくいのでプライベートとのバランスが取りやすい傾向にあります。
それが、社内SEが人気のある理由の1つです。

また、自分の仕事の成果が見えやすいという環境も人気の理由です。
自分の会社や同僚のためにシステムを設計するため、導入後の現場の意見や感想が直接得られます。
自分の仕事が目の前で運用されるという環境は、実感を得やすく仕事のやりがいにつながります。

また他社のシステムを常駐して開発する常駐SEとは違い、自分で開発したシステムを自社で運用し、管理することで開発者としての責任を持つことができ、愛着が持てる仕事ができるのもやりがいの1つとして言えるでしょう。

時には、経営サイドと直接コミュニケーションをとりながら、経営方針などの意向を反映したシステム構築を行うなど、会社にとって重要な仕事に携われることがあります。
責任が大きい分、大きなやりがいを感じることができます。

社内SEに求められる経験・スキル・資格とは?

社内SEに就職・転職する際に、求められる代表的な経験は下記3点です。

1.リーダー経験やマネジメント経験

技術力に加えてリーダーとしてメンバーを育成した経験や、QCD(品質・コスト・納期)管理や進捗管理の経験があると評価されやすいです。

2.顧客折衝の経験

SEとして顧客折衝の経験があると、社内SEで経営陣とシステム導入検討をする際やベンダーとの調整の際に役立つため、高く評価されます。

3.業務改善の経験

開発ツール導入や既存の仕組みに対しての改善提案、またプロジェクトを円滑に進めるための積極的なアイデア出しなどの業務改善に取り組んだ経験があると、「自発的に動くことができ、積極的に高い成果を追求する姿勢がある」と評価されます。

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スキルとしては
社内SEになるには、業務に関連する幅広い知識を持っていること、または知識を得る姿勢、そして優れたヒアリング能力とコミュニケーション能力が必要です。

社内SEは、社内のシステム改善のために部署内外の様々な人と密に連絡を取ります。
また相手の要望を聞くだけでなく、日頃どんな業務をしており、どういった部分で苦労しているかも聞き取らなければいけません。
そのためには、会計には会計の、人事には人事の知識をしっかり持っておく必要があります。

また業務だけでなく業界知識も必要です。

業界知識が深いと、社内で経営課題の解決策をシステムに落とし込む際に、その業界ならではのビジネス構造や環境を理解できているので、より最善な選択をすることができます。

コミュニケーション能力に関しては、
社内の成果を上げるため、積極的に他部署と関わる際に大切になってきます。

他部署の人と雑談するだけでも、自分がどんな仕事をしているかを知ってもらう機会になりますし、雑談の中からシステムの改良点を見つけることもあるでしょう。

また、領域によって異なりますが、社内SEは最新のIT記述に関する知識やIT戦略に関する知識も必要となります。
ITストラテジスト試験やITコーディネーター試験を活用すると幅広く学ぶことができるためオススメです。

資格としては、必須ではありませんが、基本情報技術者、応用情報技術者、PMP (プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)、情報処理安全確保支援士などの国家資格は、転職市場でも安定的なニーズがあるためオススメです。
なかでも難易度は高いですが、情報セキュリティ分野の国家資格である情報処理安全確保支援士は、取得すればシステム開発や運用の現場で重宝されますし、転職にも有利に働きます。

社内SEに向いている人とは?

社内SEに向いている人とは上記した通り、社内SEの仕事は社内への情報システムの開発・導入から、社員からの簡単なシステム上の問い合わせへ対応までと多岐にわたります。
ですので、幅広い知識やどんどん新しくなるITに関する知識を積極的に取り入れられる方、変化することを楽しめる方が向いているといえます。

また社内SEはシステム開発の進捗などのマネジメントを行うだけでなく、新しいシステムの導入、改善、または社員からの問い合わせなどマルチタスクな仕事ぶりを求められます。
そうしたスタイルに苦痛を感じず、臨機応変にスピード良く対応できることが大切です。

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