一般的に「新卒で働き出してから、すぐ転職するのは難しいのでは?」というイメージがあるようですが、実際のところはどうなのでしょうか?いわゆる「第二新卒」とも呼ばれる新卒入社後数ヶ月~3年前後での転職は、実は注意点さえ押さえておけば、希望通りの企業にも転職できる可能性が高いのです。
今回は、第二新卒の転職時に起こりがちな失敗や、その際の注意点などをご紹介します。
第二新卒で転職する理由にはどんなものがある?
第二新卒はどのような理由で転職することが多いのでしょうか?厚生労働省の平成29年上半期雇用動向調査結果では、以下のような結果となりました。
参考: 厚生労働省「平成29年上半期雇用動向調査結果の概要」
グラフを見ると、「給与」や「労働条件」などの理由の他に「将来性」「人間関係」「仕事内容」など「想定と現実とのギャップ」とも言い換えられる理由の割合が多いことが分かります。
1、労働環境が悪い
基準を超えた労働時間や、サービス残業の強要、理不尽な待遇など、異常な労働環境が要因で転職を希望することも多くあります。いわゆるブラック企業のような待遇を受けることで、入社当初いだいていた意欲が不信感に変わり、仕事へのモチベーションがどんどん減っていきます。労働環境や条件などは、事前の情報収集で全て把握することが難しい場合もあり、入社してからその傾向を感じた場合は、精神が疲弊してしまう前に転職を検討したほうが良いかもしれません。
2、人間関係が上手くいかない
職場での人間関係がうまくいかず、転職を希望する人は多くいます。上司や部下、同僚と合わずに辞める人は、そもそもその企業の社風と合っていないのに入社をしてしまった可能性があります。また、もしもあなた自身に何か要因がある場合は、転職を繰り返しても根本的な解決にはならない可能性もあります。そのため、職場環境が合っていないのか、自分自身のコミュニケーションのやり方に問題があるのか、要因を明確にしたうえで解決方法を模索する必要があります。
3、仕事内容にギャップがあった
入社前に想定・期待していた仕事内容とのギャップがあった場合にも、転職を希望することがあります。入社当初は「まだ入ったばかりだし仕方ない」と割り切っていても、ギャップのある仕事が長く続くことで、ストレスとなり仕事への意欲にも影響してしまいます。
第二新卒の転職理由について詳しく知りたい方はこちらもチェック!
>>第二新卒が転職する理由とは?理由を伝える際の注意点や回答例をご紹介します!
第二新卒で転職する時の失敗例をご紹介!
1、ビジョンがないままで転職してしまう
将来のビジョンや、あなた自身の考えを整理しないままに転職を始めしまうと、結局転職先でも同じ不満を持ってしまうなど、転職活動に失敗する場合があります。また、ビジョンがないままの転職は「アピールする材料がない」「志望動機が一貫していない」など、転職活動を難しくしてしまいます。転職を始める前に、「転職理由」「将来の自分像」「アピール材料」などを整理してから始めるようにしましょう。
2、ネガティブな理由で転職をしてしまう
特に転職活動の面接などの際、ネガティブな転職理由を伝えてしまうと、「自分ではなく他人や環境のせい」というニュアンスで相手に伝わってしまいます。その結果、「文句の多い人」「わがままな人間」といったイメージを持たれてしまい、好印象にはつながりません。「自分でその企業を選んだ」という事実を忘れず、なぜ転職することにしたのかを深く考えるようにしましょう。
3、勢いで退職してしまった
会社や環境への不満を募らせた結果、何も始めないまま勢いで退職してしまった、というパターンです。転職には様々な準備が必要となりますし、少なからずお金も必要となります。無計画な転職活動にしないためにも、勢いで退職をしてしまうのは避けましょう。ただし、精神面や肉体面で限界を迎えてしまった場合、健康に考慮して早めに退職する必要があることもあります。
失敗例を確認してもそれでも、早期で転職したくなったらこちらの記事もチェック!
>>新卒入社半年で転職はできる?早期転職のメリットとデメリット【新卒の悩み】
第二新卒で転職する際の注意点とは?
第二新卒がスムーズに転職するために注意するべきことは何でしょうか?以下の4つの注意点を意識しておくことが大切です。
1、転職先を決める前に辞めない!
2、10年後の自分をイメージしよう
3、「第二新卒」と「新卒」の就職における違いを把握しておく
4、金銭的な余裕を作っておくこと
1、転職先を決める前に辞めない!
退職をするときは、内定が出て、入社日の目途がたってから辞めるのが理想的です。あらかじめ現職の雇用規定などを確認したうえで、退職を伝えるべきタイミングや引き継ぎ期間などを考えておきましょう。無計画に退職日を決めてしまい、引継ぎや次の会社への入社タイミングに響くことがないように心がけましょう。
2、10年後の自分をイメージしよう
転職活動をする際は、「将来のビジョン」を明確に持つことが必要です。そのための方法として、10年後のあなた自身をイメージしてみましょう。どのような考えで、どのような仕事をしているか、ということをイメージするだけで、そこから逆算した一貫性のある転職活動をすることができるはずです
3、「第二新卒」と「新卒」の就職における違いを把握しておく
転職者が失敗しがちなケースの一つとして、新卒感覚で転職活動をしてしまった、ということがあります。応募者の人柄を学生時代の活動から知ろうとする新卒の就職活動と違って、第二新卒では社会に出てからの実績が評価される場合があります。大学を出たての新卒の感覚で転職しようとすると、失敗しやすいため注意が必要です。
4、金銭的な余裕を作っておくこと
転職活動では、全てがスケジュール通りに進むことは稀です。なかなか希望通りにいかず、長引いてしまう可能性もあります。その場合には、当初の想定以上に金銭的な負担がかかってしまう可能性もあるのです。「スケジュール通りにはいかない」ということを念頭に置いたうえで、余裕を持った金銭面の準備を行っておきましょう、
第二新卒で転職は一貫したビジョンがあれば難しくない!
第二新卒での転職は、どれだけ一貫したビジョンを持って臨めるかが大きなポイントとなります。あなた自身のイメージする将来像、明確な考え、アピールできる材料などを頭の中で整理し、明確にすれば、希望通りの転職ができるはずです!