後悔したくないので、がんばる いま、やるべきことを探そう ― 脚本家 山岡潤平氏(第2回)

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朝日新聞社教育総合本部 岩田 一平

後悔したくないので、がんばる いま、やるべきことを探そう ― 脚本家 山岡潤平氏(第2回)

やまおか・じゅんぺい◆1983年、兵庫県出身。脚本家。テレビドラマ「釣りバカ日誌~新入社員浜崎伝助」、「マジすか学園」、「世にも奇妙な物語」映画「ピーチガール」など、脚本多数。東京外国語大学フランス語科卒。2018年公開予定の映画「不能犯」、「Honey」の脚本も手がけている。

 

――「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」(フジ系、日曜9時)など、テレビドラマのシナリオをつぎつぎこなし、今年5月には人気少女マンガ「ピーチガール」の映画化でも脚本を担当されました。いまでは、かつて通ったシナリオ講座で後進を教える立場でもあります。

教えているシナリオ講座には、若い人から年配の方まで、学生、サラリーマン、主婦……と、いろんな人が来ます。脚本家志望でほかに仕事を持っているひとには、無責任に「そっちの仕事は辞めたら」なんて言えませんよ。でも、これからどうしようか、迷った状態のまま宙ぶらりんでいるのでは、うまくいかないと思います。

――山岡さんのようにサラリーマンを辞めて脚本家になるのも、いわばRe就活ですね。その選択をどう思います?

脚本家はサラリーマンのように身分の保障があるわけでないし、どんな仕事でもそれなりしんどいところはあります。生活の心配、貧乏するかもしれないといった怖さもある。だけど、脚本家は、なろうと本気になって取り組めば、そこそこなんとかなる。ぼくは経験上、そう思っています。ある程度まで生活できて好きな脚本が書けて満足できるなら、そんな選択もあってよいでしょう。その段階からもっと売れるかは、才能とかべつの要素があると思いますが。

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撮影:丸橋ユキ

――やると決めたら覚悟を決めてやる。そうすれば道は開ける?

そうですね。なんとなく就職して本気になれなくて、うまくいかず辞めちゃう。そんな気持ちのままたとえ再就職しても、辞めグセがつくというのか、同じ繰り返しをしてしまうかもしれません。もやもやどっちつかずの気持ちでは何かやっても集中できないでしょう。一般企業へのRe就活でも、脚本家でも、思いを成し遂げるには、いま、やるべきことは何なのか、目の前で出来ることはなにか、それを見つけることだと思います。探せばぜったい何かあるはずですよ。それをともかくやってみることだと思います。

――<置かれた状況でまず最善を尽くせ>ということですか。

中学校のころ柔道をしていたのですが、1年生のとき無差別の大会で3年の優勝候補の選手と当たったことがありました。相手がめっちゃ強いと言われていて、やる前からダメだとあきらめてしまって、飲まれて何もできずに負けました。あのとき、もっとがんばってやっていたら、なにかしら戦えたんちゃうかなと、悔やむ気持ちがいまもありまして……。結果がすべてはないです。やることやったのかどうかが大事です。あの柔道大会の記憶が、ぼくのその後の考え方に影響を与えている。ある種の原点やないかな。それ以来、もっと勉強できたんちゃうかとか、あの仕事がんばれたんちゃうかとか、あとで悔やまないにはどうしたらよいか常に思うようになりました。

 

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